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ローカル検索の影響が非ローカルSEOにも及んでいる。SERPを賢く把握するための「標本検索」とは

グーグルのローカル検索結果推進によって、ローカルに関係ない通常のSEOにも影響が出ている。最新の検索結果ページ(SERP)を把握するのに必要な、最新の理解と手法を解説する
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最新の検索結果ページ(SERP)を把握するには、最新の理解と手法が必要だ。

全国一律で同じSERPというのは幻想であり、最近はすべてが地域ごとに異なる「ローカル」だ。また、SERPと検索順位に基づいて何か重要な判断をする際には、質が最高に高いデータを使うことが欠かせない。

今回のホワイトフライデーでは、Mozのラス・ジョーンズが、SERPとデータの質と既存の解決策に関する問題を考察する。

SERPを賢く把握するための「標本検索」とは
ジオロケーションの時代
地理的中心検索は役立たず
標本検索がうまくいく
ローカル検索の場合
町の中のイタリアンレストラン
人口密度の高いエリア
地理的中心検索
標本検索
レストランの位置
全国的な検索の場合
人口密度の高いエリア
地理的中心検索
標本検索
全国的なサイト

みなさんこんにちは。わたしはラス・ジョーンズ、Mozのデータサイエンティストだ。このホワイトボードフライデーにまた登場することになり胸が躍っている。「胸が躍る」は大げさかもしれないが、今日のテーマはデータの質なので、わたしにとって重要なものであるのは事実だ(何度も繰り返しているテーマであるとしても)。

とにかく、データサイエンティストであるわたしにとって、「データの質」はとても大切なものだ。Mozではこの数年、ドメインオーソリティ(DA)やスパムに関する指標を改善したり、キーワードの検索ボリュームを算出する方法を全面的に変更したり、データの質を重視してきた。質はMozの文化の1つになっている。

今回話をしたいのは、次の2つだ:

  • 質の問題
  • (おそらくSEOにおける最重要指標である)検索順位

もちろん、次のように言うSEOの一派があることは知っている。

検索順位にこだわるべきではない

とにかくよりよいコンテンツの構築とアウトリーチの改善に集中し、それを実現するべきだと主張する人たちだ。

しかし、大多数の人たちは、パフォーマンスを判断するために検索順位を注視し、検索順位に基づいて意思決定しているだろう。とても重要なキーワードでサイトのパフォーマンスが落ちるようなことがあれば、ページのコンテンツ改善やアウトリーチの拡充に資金を投じる。

重要な判断や予算の決定は、SERPからわかることに基づいて下すものだ。

ただ、すこし前からわかっていることだが、SERPにはかなり大きな問題がある。それはパーソナライズだ。「国全体を網羅する検索結果」というものはかなり前に姿を消しており、すでに存在しない。われわれはそのことを知っており、うまく対応するためにさまざまな方法を試してきた。

今日はMozがいま取り組んでいる方法について話をしたい。非常に優れたやり方なので、実のところ、これからのSERPの収集方法を劇的に変えるのではないかと思っている。

SERPの問題点とは

1. ジオロケーションの時代

1歩下がって、SERPの問題点について少し話をしよう。

数年前、コンサルタントだったわたしは、「entrepreneurship」(起業家精神)というキーワードで検索上位を獲得したいと考えている非営利組織(NPO)を手伝っていた。このNPOは、助成金やトレーニングなどさまざまなものを提供しており、実際このキーワードでの検索上位に値するところだった。

ある日、わたしは、SEO担当者がやるように、このキーワードで検索してみた。検索順位をトラッキングしていても、SEO担当者は自ら実際のSERPを確認するのだ。そして、わたしが住む地元の大学、ノースカロライナ大学チャペルヒル校とデューク大学が検索結果に入っていることに気づいた ―― 両校が起業に関するプログラムを提供しており、グーグルがジオロケーションによってわたしがダーラム地区にいると判断したのだ。

このことは、われわれが実施している検索順位のトラッキングにまったく表れていなかった。そう、われわれが検索結果を収集するために使っていたデータの中心は、周辺に大学がいっさいなかったため、全米を対象にしていた当時の検索ではローカルな情報がまったく拾えていなかったのだ。

これは大きな問題だった。つまり、気づかないうちに次のようなことが起きていたのだ:

ある日、グーグルがジオロケーションを向上させるアップデートを実施したことで、ローカルなサイトが全米各地で検索上位に来るようになり、その結果、この重要なキーワードのトラフィックが大量に奪われていた。

※Web担編注 後述されるが、これはローカル検索に関係ない通常のSEOにも影響する。ローカルな要素が非ローカルな要素の順位を押し下げるからだ。

われわれは、SEO担当者として反撃を決意した。この時の戦略をわたしは「centroid search(地理的中心検索)」と名付けた。

2. 地理的中心検索は役に立たない

考え方はとてもシンプルだ。

  1. 町、市、州、あるいは国を決める
  2. その中心地点の緯度と経度を調べる
  3. 緯度経度を「uule」パラメータとしてグーグルに与えて検索する

これで、その緯度と経度が示す場所で検索したのと同じ検索結果が得られる ―― しかし実際に試してみると、これは良いアイデアではないことがわかってきた。

理由は明白だ。一例を挙げよう。小さな都市か中規模の町でパフォーマンスを上げようとしているビジネスを考えよう。下手くそな図だが、実はインディアナ州サウスベンドにあるイタリアンレストランの位置を表している。

見てのとおり、小さな赤い丸はそれぞれがイタリアンレストランで、小さな緑の星印が都市の地理的中心だ。ここには問題がある。この方法でSERPを集めてしまうと、この都市の中心部にある一握りのイタリアンレストランの影響がとても大きくなる。

何が問題なのかというと、実際に人口密度の高いのは青い円で囲んだところだということだ。ご存じのように、ほとんどの都市では中心部に人がたくさんいるが、それと同等あるいはそれに近い人口密度のエリアが外縁部の郊外にある。ところが、そうしたエリアは都市の中心部にないため、この方法だと検索結果に表れてこない

では、どうすればいいのだろう。この都市の平均的な人々が目にする検索結果をもっとうまく再現するにはどうすればいいのだろうか。

3. 標本検索がうまくいく

その答えは、われわれが「sampled search(標本検索)」と呼んでいるものだ。やり方はたくさんある。

現在のところ、われわれが進めているのは、その都市の内部にあって同じ郵便番号が割り振られている地域の地理的中心を見るやり方だ。

Mozの「Local Market Analytics」のやり方とまったく同じではないが、たとえば、紫の星印が、検索結果を入手するためにわれわれが選択する緯度と経度だとしよう。これらを人口密度や距離などの問題を踏まえてブレンドすると、都市の中央にいる人だけを考えるよりも平均的な検索者が目にするものに近い結果が得られる。

このほうが、ローカル検索のトラフィックとの相関が強いため、地理的中心検索よりも有効であることがわかっている。もちろん、ほかにも方法は考えられる。たとえば、位置情報ではなく人口密度を使ってもいいだろう。この場合のほうが、平均的な検索者が目にする検索結果をずっと正確に再現できる。

これはローカル検索にとどまる問題ではない

ある都市の域内で営業している企業に限った話ではないのだ。米国全域で検索上位に入りたいと望んでいるサイトを含め、米国のどこかで検索上位を獲得したいと考えているあらゆるサイトの問題なのだ。全国版のSERPを収集する場合、今はuuleパラメータとして米国の地理的中心を示す地点を指定することが多い。

ここまで読み進めた人なら、平均的な米国の人が目にする検索結果の再現としては、このやり方がてもまずい理由は理解できるだろう。あえて説明するなら、ご想像どおり、米国の中央部は人口密度が高くないからだ。

米国全体の地理的中心で調査するやり方には問題がある

人口密度が高いエリアは、大部分が海岸沿いに広がっており、そうしたエリアにははるかに多くの人が住んでいる。平均的な米国人が目にする検索結果を再現するなら、田舎と都会の両方を含むさまざまな場所から検索結果の標本を抽出するほうが、はるかに理にかなっている。

米国内のさまざまな場所からサンプリング

地理的中心検索からわかるのは、その周辺の非常に限定されたエリアの中のことだけだ。これに対し標本検索は、平均的な米国人が、いや、米国に限らずどこの国でも、任意の郡や市や、あるいはごく狭い地域を取り上げてもいいのだが、そこに住む平均な人が目にする検索結果にはるかに近いブレンドされたモデルを得られる。そのため、これからはSERP全体が、少なくともSERPの収集においてはこのモデルに向かうと、わたしは本気で考えている。

SERPのこれから

地理的中心を考える方法にこれからも依存するなら、不正確でまったく価値がない情報をもとにSEOを進めることになるだろう。しかし、標本を抽出するモデルを使えば、次のような価値を得られる:

  • 実際に得られるトラフィックを表すようにブレンドしたSERPを得られる
  • はるかに質が高いSEOのためのデータを得られる
  • パーソナライズという問題を解消できる(少なくともある程度は)

Mozでこのやり方が全面的に実装されるのを楽しみにしている。現在はLocal Market Analyticsで利用可能だ。SERP収集におけるこうした質の向上は、テクノロジーで企業のパフォーマンスを向上させる業界には当然のように求められるものなので、ほかのところも追随してほしい。質が伴わないとすれば、何もしていないのと変わらない

最後まで聴いてくれてありがとう。コメント欄でご意見をお待ちしている。SERPでもね。質の問題についてほかにもアイデアを話したい。その機会を楽しみにしている。ありがとう。

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