【漫画】デジマはつらいよ シーズン1

インサイトとニーズはどう違う? IVVフレームワークで顧客のインサイトをつかめ/【漫画】デジマはつらいよ・第11話

OMOプロジェクトのリーダーに抜擢されたルリは、顧客のインサイトがなかなかつかめずに焦っていた。

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第11話のまとめコラム:IVVフレームワークと顧客インサイト(中澤伸也)

こんにちは、「デジマはつらいよ」原案者の中澤です。

今回のお話は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の本質、「新たな顧客価値」を創造していくことにおいて、重要なポイントとなる「IVVフレームワーク」と「顧客インサイト」について解説します。

IVVフレームワークとは何か?

IVVフレームワークとは、「顧客価値を提供するサービスを創造するためのザックリとしたフレームワーク」のことです。「Insight(顧客の真の欲求)」「Value Proposition(提供価値、要は価値のコンセプト)」「Process(持続可能性のある状態で提供し続けるか」を、ちゃんと考えましょうね、というフレームです。

新たなサービスや製品を生み出す際に、けっこう忘れられがちなのが、「それをいかに持続的に提供していくプロセスを作れるか」という視点です。また、特にデジタル化された社会においては、製品やサービスを通じて、いかに持続的に顧客と関係を保ち続けられるかということが重要となりますので、そのサービスの体験価値をいかにして恒常的に改善し続けるか、いわゆる「UXグロースハック」の視点が欠かせません。

デジタル化された世界では、これまでのビジネスとは異なり、UberやNetfllixに代表されるサブスクリプションモデルのように、継続利用してもらうことで収益が上がるモデルが主流となっていきます。そこで、Value Processについても、これまでとは違う発想や仕組みが必要となり、最初の段階からキチンと考えておかなくてはなりません。

顧客インサイトの発見がすべての出発点

前回のコラムで紹介したように、現在日本では、DXへの取り組みがさまざまな企業で本格始動し始めていますが、1点、非常に憂慮していることがあります。それは「顧客インサイトの不在」です。

DXの本質は「新たな顧客価値の創造」にありますが、多くの企業がDXの推進にあたり、「まず、データベースの統合やシステムの刷新を!」という動きをとっています。本来は、まず顧客のインサイトを知り、それに対してどのような価値やサービスを提供したいのか、という具体的なイメージが先に来るべきところ、せっかくのDXの動きが、単なるシステム導入プロジェクトに終わってしまうのでは?と心配しています。

顧客インサイトの見つけ方

インサイトは「ニーズ」とは異なります。ニーズは顧客が自覚できており言語化できる、つまりは、顧客に問えば直接回答がもらえるものです。インサイトは顧客も自覚できていない潜在的な欲求であり、言語化することが難しいものです。そして顧客の行動のほとんどは、実はこのインサイトにもとづいて行われています。

こんなに大事なインサイト。でも言語化できないものを、どうやって見つければいいのでしょう? ポイントは「あえて顧客に聞かない」「行動観察する」「洞察する」の3つです。

インサイトは潜在的な欲求であるため、顧客は言葉にできません。もっと正確に言うと、「自分の本当の欲求とは異なったこと」を顧客は話します。今回の漫画における「サラダマック」の件がその例です。よって、あえて顧客に「何をしてほしいのか」を聞かないことが重要です。

そして同様に重要なのが「行動観察」。潜在的な欲求は「言葉」ではなく、その「行動」に表れます。顧客の行動を観察することで、インサイトを「洞察」していきます。そのときポイントになるのが、「顧客の特徴的な行動(変な行動)」に注目することです。それらの行動を見つけたときに、はじめて「顧客に聞く(ヒアリング)」を行います。

ここでのヒアリングは、「何をしてほしいのか」ではなく、「なぜその行動をしたのか」を聞きます。顧客行動の裏にある理由を探ることが、インサイトの発見につながります。

インサイトと近い概念として、クレイトン・クリステンセンの「ジョブ理論」における「ジョブ」がありますが、アプローチは基本的に同じです。「行動観察」→「ヒアリング」→「洞察」がその基本的なプロセスとなります。

インサイトについては、なかなかとらえどころが難しいということもあり、最近では良い書籍もたくさん出てきています。特に、大松孝弘/波田浩之著『ほんとうの欲求は、ほとんど無自覚』(宣伝会議)は、本コラムのインサイトの説明でも参考とさせていただいており、インサイトを理解する上で、非常に役に立ちますので、ぜひお手に取って見ることをオススメします。

次回に続く

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