ビジネスモデルから理解する! 初心者のためのマーケティング

成果を上げるコンテンツマーケティングとは?【インソースのビジネスモデルから学ぶ】

コンテンツマーケティングって一体何ができるんだろう? まずは商談獲得に活用するのがおススメ。コンテンツマーケティングの向き不向きと、取り組む前に覚えておきたいポイントをインソースの事例から解説します。
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新人マーケター: コンテンツマーケティングをしたいんだけど、どうすればいいんだろう?

黒須: いいですね。短期的な売上には結びつきませんが、企業に対する信頼が向上する効果も期待できますよ。

新人マーケター: わかった! ブランディングですね。

黒須: そうです。ただし、ブランディングに結びつくようなコンテンツを作るためには、企業の独自性や競合環境、社会環境など複数の条件が無いと成功しません。そのため、他社をマネしても再現性が低いのです。

新人マーケター: ええ……。コンテンツマーケティングといえばブランディングだと思っていたのですが、どう進めれば良いのでしょうか?

黒須: まずは商談獲得を目的にするのがオススメです。成功体験を得たあとで、ブランディング目的のコンテンツマーケティングを検討しましょう。今日はインソースという会社を題材に解説しますね。

新人マーケター: なるほど。商談を作るコンテンツマーケティングは何から手をつければいいですか? コンテンツは外注で作るのが良いんでしょうか?

黒須: まずは、次の質問に答えられるか確認してみましょう!

  • その記事やコンテンツで目的が達成できるでしょうか?
  • そもそも商談が作れるコンテンツをぱっと思いつけるでしょうか?
  • 外注すべきコンテンツ、内製すべきコンテンツの違いは何でしょうか?

新人マーケター: すぐには答えられないです……。

黒須: では、これらの質問に対する回答のヒントを、ビジネスモデルから解説します。今回はインソースという研修会社を例に説明します。

コンテンツマーケティングの向き不向き

コンテンツマーケティングは、広告と比べてコストを抑えられ、長期的な効果も期待できます。また、作ったコンテンツはさまざまな施策に活用できるので、新規顧客ではなく既存顧客への継続的なコミュニケーションにも向いています。

しかし、時間と労力がかかってしまいます。向き不向きがあるので、まずは向いているケースと向いていないケースを把握しましょう。

  • 向いていないケース
    短期で具体的な数字がわかる成果を求められる場合。
  • 向いているケース
    長期的に取り組める時間の余裕があり、広告費を抑えたい場合。

コンテンツマーケティングによって広告をかけずに集客を担保して、年商50億、営業利益率20%と高収益体質を誇るのがインソースです。早速、ビジネスモデルを見てみましょう。

コンテンツマーケティングがとにかく強い研修会社インソース

インソースは旧三和銀行(現 三菱UFJ銀行)にいた舟橋孝之氏が2002年に創業した会社です。事業内容は大きくわけて2つあります。

  • インソースが企業に講師を派遣する研修
  • インソースが自社のセミナールームで開催するので一人でも受講できる公開講座

インソースでは、この2つの事業が売上の9割近くを占めています。

インソースの事業ごとの売り上げの割合

そしてインソースは新規顧客獲得の大半がWeb経由で生まれています。研修事業を展開する会社は数多くありますが、インソースのように圧倒的なWebの集客力を持つ会社は少ないです。

そして、その集客力を担保しているのがSEOです。IR資料にも、検索キーワードで1位に表示されたキーワードの数とWebサイト全体のページ数を公開しているので、かなり力を入れていることがわかります。

実際にいくつかのキーワードで検索し、どのくらいインソースのページが検索表示の1位にあがってくるのかを調べてみました。

 2017年9月期2018年9月期2019年9月期
1位表示数182270231
ページ数10,22011,34113,951
※数字はあくまでも検索エンジンに認識されているページ数の概算で、正確な数値ではありません。

SEOに相当強いことがわかりますね。次に、5つのキーワードで検索したときの検索順位を他社と比較してみました。

 キーワードインソース他社R
1ロジカルシンキング研修1位5位
2マネジメント研修4位1位
3営業研修1位2位
4マーケティング研修1位4位
5リーダシップ研修1位3位

ではなぜ、こんなにSEOが成功しているのでしょうか? 詳しく解説していきます。

コンテンツマーケティング=SEOではない

コンテンツマーケティングとは、何らかの目的があってマーケティングするときにWebコンテンツを活用することです。

そして、このコンテンツマーケティングによって達成したい目的のために、検索エンジンからのオーガニック流入が重要なのであれば、SEOを考える必要があります。

SEOとは、検索エンジンを通じて自社と検索者の接点を増やして、情報を知ってもらったり、態度変容してもらったり、行動してもらったりするために行うものです。

もし、直接購買数を上げるためだけの施策ならば、Webコンテンツだけではなく広告も活用した方が良いでしょう。

なぜインソースのSEOは成功しているの?

インソースのコンテンツマーケティングの特長としては、以下の3つがあります。

  • Webコンテンツに強い
  • 商談を生み出すコンテンツ、生み出さないコンテンツをバランスよく作っている
  • 体制に厚みがある

一般的に、コンテンツマーケティングを実施すると、当初の目的を達成できなかったり、成果につながらないようなコンテンツを大量に作ってしまい商談が増えなかったり、といったケースが起こりがちです。

しかし、インソースのコンテンツは、目的によって「直接的に商談につながるようなコンテンツ」と「そうでないコンテンツ」といった具合で、コンテンツを作り分けがなされており、それらのコンテンツ量がサイト全体でバランスが良いのです。

作り分けコンテンツの例

商談につながるコンテンツ
ロジカルシンキング研修
https://www.insource.co.jp/bup/bup_sonota9.html

商談につながらない基礎知識系コンテンツ
上司が“唸る”報告書 の書き方
https://www.insource.co.jp/businessbunsho/houkoku_by_insource.html

インソースのWebコンテンツを、おおまかに「商談」と「非商談」で分けた表が以下です。

記事数インソース他社R
商談7,1112,108
非商談3,3231,922
全体10,4344,030
※数字はあくまでも検索エンジンに認識されているページ数の概算で、正確な数値ではありません。

バランス良くコンテンツを出していることがわかりますね。さらに、「非商談」のコンテンツに注目していた表が以下です。はてなブックマークでシェアされた数が多い順番に並べました。

「非商談」のコンテンツには、はてなブックマークなどさまざまなWebサイトから相当な数の参照リンクが集まっており、これがSEOに強く寄与していると考えられます。

また、公開時期を見ていると、コンテンツマーケティングの手法が流行る以前から、インソースはコンテンツ作成に取り組んでいることがわかります。

インソースの例から学ぶ3つのポイント

このインソースの事例をもとに、どのようにコンテンツマーケティングに取り組むべきかを考えてみましょう。マネすべきポイントは3つです。

  • コンテンツを作る専任チームを用意している
  • 営業の重要性を認識している
  • 効果を検証している

それぞれについて、以下に詳しく解説します。

コンテンツを作る専任チームを用意している

コンテンツは大事ということは誰もが理解していると思いますが、実際に作るのは大変です。

私も、社内のコンテンツマーケティングの一環として記事の執筆や動画作成などを行いますが、時間はもちろん気力が必要な施策だと感じています。

インソースは、この「コンテンツを作る」という大変な業務を、コンテンツ作り専門のチームを用意して、プロジェクトを強力に進めているように見えます。

他の業務と兼務だと、どうしても前に進まないコンテンツマーケティング。ぜひ専門チームの組成をおすすめします。

営業の重要性を認識している

そもそも、BtoBの文脈におけるマーケティングの目的は営業へひとつでも多くの商談を届けることです。

そのため、どんなにマーケティングが機能していても、営業が機能しなければマーケティング活動自体が無駄なものになってしまいます。

インソースの経営陣は、営業の重要性をさまざまなインタビューで「強い営業組織があってこそマーケティングが際立つ結果になる」と語っています。

効果を検証している

インソースは以前、IR上で検索エンジンの掲載順位で1位のキーワードの数を継続的に公開していました。さまざまなIR資料を見たことがありますが、SEOに関するデータを公開していた企業は、インソースぐらいです。

また、その公開データは最近サイトに訪れる訪問者数(厳密に言うとセッション数)に変更されました。その理由は、「掲載順位1位の数とWeb経由の反響に相関がなかったから」でした。

これは、検索エンジン経由のどういった要素が反響に結びついているかを、さまざまな観点で分析していないと出てきません。コンテンツマーケティングは、費用対効果が算出しづらいというデメリットがあります。そのため、最終的な成果(商談数)につながっているか、丁寧に追跡するとインソースの運用は見習うべきです。

コンテンツマーケティングは1日にしてならず

インソースのコンテンツマーケティング分析は以上です。コンテンツマーケティングの事例を解説しましたが、おそらくすぐには真似ができないと思った方は多いと思います。

実際に、インソースは10年以上も前からこのようなコンテンツマーケティングに注力しています。コンテンツマーケティングは、短期的に成果を出すことは困難な手法です。しかし、事業を安定的に成長させたいといった方にはぴったりの手法だと思うので、ぜひ腰を据えて取り組んでみてください。

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