インタビュー

YDNの効果検証軸に沿った動画をスピーディに作れるセプテーニの秘密兵器があると聞いたのですが?

セプテーニは、YDNで配信する動画クリエイティブを独自の検証項目軸で簡単に作れる「ISSEY!(イッセイ)」を構築した。どんなシステムなのか、担当者に聞いた。
左から:セプテーニの中嶋逸成氏、柿谷隆太氏、宮達也氏

セプテーニは、Yahoo! JAPANが提供する広告サービス「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)」に配信する動画広告で、広告効果測定の独自の検証項目軸に基づいて動画クリエイティブをスピーディに制作できるシステム「ISSEY!(イッセイ)」を構築したという。

YDNで動画広告が本格的に販売され始めたのは2017年3月です。この約1年でYDNでの動画広告の在庫は大幅に増加しています。

インフィード広告全般にいえることですが、良質なクリエイティブをすばやく発見することがプロモーション全体の成果に非常に大きく影響します。

YDNにおいてもさまざまな動画で検証を行い、その中で見えてきた検証項目軸に沿って作られた、高いパフォーマンスが予測される動画を、スピーディに制作できるような仕組みを作りたいと考え「ISSEY!」を開発しました。

と開発の背景を語るのは、セプテーニの宮氏だ。

早速、どんなサービスなのか担当者に聞いた。

「ISSEY!」ってどんなサービス?

――「ISSEY!」の仕組みはどうなっているのでしょう?

柿谷氏(以下、柿谷): 動画広告といっても、各メディアやプラットフォームで課金形態や成果の出やすい動画の評価ポイント、ユーザーの反応の仕方が異なります。

ですから、各メディアやプラットフォームに最適な形で動画広告を作り分けないと広告の効果を高めることができません。

今回開発した「ISSEY!」は、YDNの動画広告におけるセプテーニ独自の検証軸に沿ったフォーマットにすばやく加工できるシステムです。

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Septeni Japan株式会社 シニアコンサルタント 柿谷隆太氏

――どう変換していくのですか?

中嶋氏(以下、中嶋): 通常、動画を編集するにはディレクターなどが「動画のどこをカットして、画面の切り替え方をどうして、どう編集するのか」といった構成を細かく指示します。

「ISSEY!」の場合、そういった面倒な指示は一切必要ありません。

動画の素材パーツさえご提供いただければ、ディレクターでなくても依頼でき、セプテーニ独自のYDN動画広告の検証軸に応じた動画が作成可能です。依頼いただいてから基本的に2~3営業日程で対応できます。

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Septeni Ad Creative株式会社 制作部 プロデューサー 中嶋逸成氏

YDNの検証軸とは?

――検証軸とは具体的にどんなことでしょう?

宮氏(以下、宮): YDNで動画広告の取り扱いが開始された当初は、どういった動画が成果をあげるのかわかりませんでした。たとえば、他のメディアに配信して成果が出ている動画を流用したからといってYDNに合うとは限りません。

そこで、YDN向けのクリエイティブ担当者を立て、そのメンバーが半年ほどかけて「YDNの動画広告で何が効果に影響しているのか」を検証し、4つの軸を見つけました。そして今回、その軸に沿った動画がスピーディに制作できる仕組みをつくりました。

写真:
Septeni Japan株式会社 メディア本部 宮達也氏

――4つの軸とは具体的にはなんでしょうか?

柿谷: ノウハウにあたるため詳しくは言えないのですが、動画広告には、たとえばCTRや視聴率など、成果に直結する重要な指標がいくつかあり、その数値をどのようにすれば上げられるかを検証した結果、「尺の長さ」や「注意喚起の有無」などが起因していることがわかりました。

そのような検証軸に沿った動画を何本も準備し、その中で一番良いスコアをもつ動画をブラッシュアップしていくことで、広告自体の表示をされやすくし、アクションされやすくしていくということが、運用していくうえで重要になってきます。

――このサービスは実際にどのくらいの方が利用していますか? また、具体的に上がった効果などはありますか。

宮: まだ運用を開始して一か月くらいなのですが、「ISSEY!」を利用している案件数でいうと全体の20%くらいです。今後はすべての案件で導入予定です。

効果の面では、化粧品のお客様での例ですが、クリック率が約2倍になり、CPAが40%程度改善されました。

インフィード広告の場合、在庫がとても多く、インプレッション自体がすごく膨大なので、0.1%上げるのもとても大変です。しかし短期間でCTRを2倍に上げることができ、お客様からもとても高い評価をいただいています。

――今後の展望などお聞かせください。

宮: 今は発展途上だからこそのYDNの動画広告に特化したツールなのですが、ゆくゆくは他の媒体でもこの仕組みでできるようにしていきたいと思っています。

柿谷: これまで広告運用をしてきたなかで、静止画と動画で、動画にしか反応しないユーザーが一定割合いるということがわかっています。なので、そのようなユーザーにも反応してもらうという意味でも、まだ動画を配信したことがない広告主様も一度は動画広告を試していただきたいと思います。

そしてその動画広告によるマーケティング活動を私たちが「ISSEY!」を通して支援し、広告主様の成果を出していきたいです。

中嶋: 制作側としては、YDN動画広告を配信する広告主に一社でも多くご利用いただけるよう導入していきたいと思っています。「ISSEY!」を通じてYDNの動画広告における効果の最大化を図るとともに、運用担当やクリエイターの負荷を軽減することで、その他の業務において付加価値の高いサービスを提供していきたいです。

――ありがとうございました。また、「ISSEY!」はセプテーニのお客様を対象にしたサービスで、ツール単体でのサービス展開は今のところ予定がないそう。

詳しくは、セプテーニへお問い合わせください。

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