新人マーケター・Web担当者が絶対に読んでおくべき本を1冊選ぶとしたら?
今日は、そろそろ部署に配属されているだろう新人のWeb担当者さんやマーケターさんに向けて、「絶対に読んでおくべき本を1冊選ぶとしたら」という情報と、これからWebやマーケをやる人にとって大切なことをお届けします。
Webやマーケの仕事で学ぶべきことは?
さて、あなたなら、「新人が絶対に読んでおくべき本を1冊選べ」と言われたら、どんな書籍を紹介しますか? 新人教育でどんな課題図書を与えますか?
HTML・CSS・JavaScriptの基礎本? 広告の歴史? アドテク概論? 統計入門? 機械学習講座の教科書? 文章綴り方読本?
私なら、この本を紹介します。
『人を動かす』(デール・カーネギー著)
→ https://www.amazon.co.jp/dp/4422100513
1937年に発行された書籍だということですが、80年経ったいまも、そこに書かれている内容はまったく色あせていません。人間に関する本質的なことが書かれているからですね。
原著のタイトルは『How to win friends and influence people』、つまり「いかにして友人を得て、人びとに影響を与えるか」を解説する内容で、
- 人を動かす三原則
- 人に好かれる六原則
- 人を説得する十二原則
- 人を変える九原則
といったことが、具体的な例を豊富に交えながら、わかりやすく解説されています。
と書くと、なぜこの本を新人Web担当者や新人マーケターに薦めるのかと疑問になる方もいるでしょう。Webやデジタルのことを学ばずして、どう自分の役割を果たすのかと。
いや、もちろん、個別のことに関しては少しずつ学んでいく必要はありますよ。いまWebやデジタルマーケを担当する人は、知っておくべきことが非常に多いですからね。そこを軽視するつもりはありません。
でも実際には、それだけではダメなんです。
これからWebやマーケをやる人にとって大切なこと
いまのWebもデジタルマーケも、1人でがんばるものではありません。上司や経営層、他部署の人、広告代理店や制作会社などなど、さまざまな人と協力しながら進めていくものです。
15年前なら、Webとかネット広告は、社内の新しもの好きな人(別名:変人)が少人数でやってました。Web担当をやっている人のほとんどが「Web好き」な人でした。なぜなら、ほとんどの会社にとってWebやデジタルが企業経営にもたらす影響は、さほど大きくないと思われていたからです。
しかし、いまWebやデジタルの部署へ新たに配属されるのは、べつにWebが好きでもマーケが好きでもない人が大半でしょう。それは、Webもソーシャルもデジタルも、企業と顧客の接点として重要なものの1つとして認められ、営業や総務や経理と同様の「企業にとってふつうの部署」になっているからです。
そして、Webの重要性が増すにつれ、データ活用の価値が高まるにつれ、デジタル変革が進むにつれ、われわれがしなければいけないことの幅が広がり、企業活動全体に関係するようになってきています。
そうなると、「こうすればもっと業績を改善できる」ということを実現するにあたって、コミュニケーションして一緒に仕事をしなきゃいけない人の幅がどんどん広くなっていきます。大きなプランを動かそうと思えば、経営層を説得する必要もあります。
しかし、その人たちの大半は、(あなたの100倍ぐらい)Webやデジタルのことを理解していない人なのです。Webの仕事に慣れたあなたにとって常識の言葉が通じるとは限りません。あなたが知っていて当然だと思う基本的なことも、ほとんど知らない人たちです。
そういう人たちに、あなたの考えていることを理解してもらい、「いいね、やろう」と言ってもらわなければ、仕事が進まないのです。
どれだけあなたがWebやデジタルマーケティングの知識とスキルを獲得して優秀な人材に育ったとしても、ステークホルダーとのコミュニケーションをうまく進められなければ、決して優秀なWeb担当者やマーケターにはなれません。
だから、『人を動かす』を薦めるのです。
(もちろん、人の動かし方だけ知っていて、専門的なことや技術がわからない人になってしまってはいけませんよ、念のために)
顧客コミュニケーションの根本も、恋愛のコツも、ここにある!?
社内コミュニケーションだけでなく、仕事の具体的なことにも役に立ちます。
「Webサイトをつくる」「Webコンテンツをつくる」「広告をつくる」「ソーシャルメディアの公式アカウントを運用する」などなどは、いずれもそれ自体が目的ではありません。
ほとんどの場合が、顧客を「動かす」ことや、「態度変容してもらう」「好きになってもらう」ことが目的でしょう。
となると、『人を動かす』に書かれている、人間の根本の部分が役に立つはずです。
さらに言えば、この本が伝えていることを正しく理解すれば、恋愛にも役にたつはずです(たぶん)。
いまテレビドラマでやっている「ボク、運命の人です。」も、恋愛のストーリーですが、実際には全体として「人をどう動かすか」というトピックを解説しています。
たとえば、ニンジンが嫌いな烏田部長に、どうすればニンジンを食べてもらえるかというシーンでは、営業の際に相手から「嫌いなヤツ」ではなく「嫌いじゃないヤツ」だと思ってもらうことを例に挙げて解説していました。実際には、「がんばって食べてもらう」ことよりも、最後の後押しをしたのは、部長の好きな「権威」だったというオチですが。
ちょっと話題がそれました。
社内コミュニケーションも、外注コミュニケーションも、顧客コミュニケーションも、そして恋愛も、この本で解説している「相手に好かれる方法、自分の考え方に相手を引き込む方法、相手の感情を害することなく、あるいは恨みを買うことなくその人の考え方を変える方法(Amazonの書評より)」を知っているのと知らないのとでは、大きな違いです。
私なら、新たに配属された新人のWeb担当者さんやデジタルマーケターさんが読むべき本を1冊選ぶとしたら、間違いなくデール・カーネギー氏の『人を動かす』ですね。
新人Web担当者向けの初級講座もあります
そうそう、配属3年目までの新人さんに、Web担当者として知っておくべき大切なことを学んでもらう「企業Web担当者 初級講座」というものを、Web担が開催しています。
こんどで10期目となる人気講座で、内容は次のようなものです。
- ウェブの基本知識とサイトの戦略立案
- 顧客体験(UX)起点のデジタルマーケティングPDCA手法
- 変化するWeb担当者の役割、デジタルマーケティングの実践
- 4時間でわかるネット広告とデジタルマーケティングの本当に大切なこと
Webサイトだけでなく広告やデジタルマーケティング全体に関して幅広く、重要なポイントを学べる講座で、実際に参加された方の満足度も非常に高いのです。
しかも、講師陣は、この業界でそれぞれのトピックに関して一流の人たちです。
- キノトロープ生田昌弘氏
- ビービット宮坂祐氏
- ニューバランスジャパン鈴木健氏
- アドビ システムズ井上慎也氏
『人を動かす』で社会人としてのベースを身につけたうえで、具体的な業務内容に関して確かな知識を身につけたい方は、「企業Web担当者 初級講座」ならば間違いないですよ!
講座の詳細情報と参加申し込み→ https://web-tan.forum.impressrd.jp/school/beginner
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