グーグルの強調スニペット140万件を調査分析してわかったこと(前編)
グーグルの検索結果で、検索クエリに対してダイレクトに回答を表示する「強調スニペット(Features Snippet)」。これは、どんな検索でどのように表示されるのか。どんなタイプの表示があり、強調スニペットとして表示されるのに適した文字数や内容にどんなものがあるのか。調査結果をもとに解説する。
強調スニペットについて知っておくべきこと
僕が始めたエージェンシーGhergich & Co.は先ごろ、SEMrushと共同で、強調スニペットに関する徹底的な調査を実施した。SEMrushは寛大にも、同社のデータベースから140万件の強調スニペットを整理して共有し、僕たちが分析できるようにしてくれた。
本調査の特徴
この調査では、ランダムなキーワードのセットではなく、30の質問、前置詞、比較を示す検索フレーズに重点を置いた。
ちなみに、僕も含め多くのSEO担当者は、「who(誰)」「what(何)」「when(いつ)」「where(どこ)」「how(どのように)」などの質問に答えるページの多くが、特に強調スニペットが表示されやすいことに気づいていた。
僕たちの目的は、自分たちの「直感」がデータで裏付けられるかどうかを確かめることだった。ほとんどの場合は当たっていたが、意外なところでいくつか注意すべき点もあった。
調査は、次の3グループに分けて行った。
- 疑問詞などをつかった「質問」クエリ
- 「前置詞」をふくむクエリ
- 「比較表現」のクエリ
また、次の3種類の強調スニペットについて、文字数などの長さを調査している。
- 段落形式の強調スニペット
- リスト形式の強調スニペット
- 表形式の強調スニペット
では、調査結果を詳しく見ていこう。
強調スニペットが表示された「質問」
「質問」グループの調査結果
質問グループは全体として、特に強調スニペット、中でも段落形式のスニペットが表示されやすい。
リスト形式の強調スニペットについて見ると、「How」(46.91%)と「Have」(17.71%)が他の質問を大幅に上回った。
表形式の強調スニペットでは、「Which」(16.20%)が圧倒的に多かった。
強調スニペットが表示された「前置詞」
「前置詞」グループの調査結果
前置詞グループは全体として、どのグループよりもリスト形式の強調スニペット表示が高かった。
「For」(11.38%)は、表形式の強調スニペット表示率が最も高かった。
「Like」(94.09%)は、段落形式の強調スニペット表示率が最も高かった。
強調スニペットが表示された「比較」表現
「比較」グループの調査結果
比較グループは全体として、表形式の強調スニペットの表示に優れていた。
キーワード「Price」(38.56%)による表形式の強調スニペットの表示率は、グループ内の他のキーワードの2倍を超えた。
僕たちは「SEOの勘」から、キーワード「VS」と「VERSUS」は表形式の強調スニペットが表示されやすいと思っていた。しかし、その勘は間違っていた。そうではなく、これらのキーワードは段落形式の強調スニペット(99%)の表示率が非常に高かった。
強調スニペット全体の内訳
キーワードの各グループによって全体のパターンが非常に明確に現れたのは興味深い。
比較グループにおける表形式のスニペット獲得率が11.72%というのは、低い数字のように見える。ただし、そのコンテンツが検索結果の上位10件以内に表示されなければならないことや、適切な表形式でなければならないことに注意してほしい。
思うに、グーグルは単に表示に適した表が見つからないために、段落など、もっと簡単な形式をデフォルトで表示しているケースが多くあるのだろう。
この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。今回の記事では大量のスニペットを分析して分かった結果を紹介した。後編となる次回は、強調スニペットに表示されるのに最適な長さと、調査から得られた知見を実際に応用する例を見てみる。→後編を読む
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