グーグルには、PageRankのように“オーソリティランク”という点数付けアルゴリズムが存在するのか?
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グーグルには、PageRankのように“オーソリティランク”という点数付けアルゴリズムが存在するのか?
しない (Google Webmaster Central office-hours)
サイトのオーソリティを高めるといい
オーソリティが高いサイトは上位表示されやすい
こういった言葉を聞いたことがあるはずだ。
「オーソリティ(Authority)」は、サイトの権威や信頼度を表す用語として、SEOの世界でしばしば使われる。ときにはグーグル社員が用いることさえある(米グーグルのウェブスパムチームの元リーダーだったマット・カッツ氏が、この言葉をよく使っていたことを覚えている読者もいるに違いない)。
では、グーグルには、PageRankのようにオーソリティを点数付けするアルゴリズムが存在するのだろうか?
ジョン・ミューラー氏によれば、「ない」そうだ。“オーソリティランク”のような指標は存在しない。
オーソリティというのはあくまでも概念であって、アルゴリズムとしては組み込まれていないのであろう。
筆者の考えだが、たとえば次のような特徴を備えたサイトならば、オーソリティが高いと考えられる。
- 質が高い情報が豊富にある
- 運用歴が長い
- 多くの人が知っている
- 定期的に更新している
- さまざまサイトから継続的にリンクが張られる
- など
こうした項目を評価する個々のアルゴリズムがあり、そうした評価を総合的にみて「オーソリティが高い」と表現しているのではないだろうか。
となると、「オーソリティランク」という指標がなくても、上記のようなことを達成していくことで、オーソリティを獲得できるのではないだろうか。そうなれば、検索順位にも好影響があるのではないかと思われる。
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グーグル社員が語る「SEO関係者がいま注目すべき3つの重要トピック」
機械学習・AMP・構造化データ (Search Engine Land)
SEO担当者やWeb担当者が、ここしばらく特に注目すべき検索マーケティング関連のトピックは何か?
Search Engine Landのインタビューにおいて、上記の質問に、グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏は次の3つを挙げた。
- 機械学習
- AMP
- 構造化データ
僕たちはもっともっと機械学習にフォーカスしていくだろうとみんな推測していることだろうと思う。検索のありとあらゆるところで機械学習が使われるようになるだろうと。
だが、コアのアルゴリズムに取って代わることはないだろう。機械学習は、(ランキングを決める)1つの要素に過ぎない。
もう1つは、いたるところでAMPを強く推奨していることだ。AMP関連で、さらにいろいろな発表があると思っていい。
あと1つあるとしたら、構造化データだ。先んじている人たちにますます利用されてきている。
機械学習に対してわれわれが特別に対応できることはなさそうだ。しいて言えば、ユーザーを満足させるコンテンツを作り、ユーザー体験を高めることだろう。そうした価値を機械学習がしっかりと理解してくれることを期待したい。
AMPは容易に想像がつく。グーグルは当分の間はAMPをプッシュし続けていくだろう。
構造化データは、個人的には意外だった。HTTPSが来てもおかしくない(HTTPSアルゴリズムは、イリェーシュ氏が考案しアルゴリズムを作った)。とはいえ、ページが持つ意味を検索エンジンが確実に理解するためには、構造化データは非常に助けになる。グーグルとしては、構造化データを実装するサイトがもっと増えてほしいのだろう。
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サイトの全ページから張られているようなリンクは否認すべきか?
自然なリンクであれば否認は不必要 (Google Webmaster Central office-hours)
英語版のオフィスアワーで参加者が次のような趣旨の質問をした。
被リンクのうち、ブログロールからのリンクやサイトワイドのリンクは否認したほうがいいでしょうか?
ブログロールとは、「お気に入りサイトの最新記事」リンクのことだ。サイドバーによく設置されているが、その場合、そのサイトのすべてのページからリンクが張られることになる。
サイトワイドのリンクとは、サイトの全ページから一様に張られているリンクのことを示す。フッターリンクや、前述のようなブログロールからのリンクがわかりやすい。
質問者は、他サイトから自サイトに向けて張られているリンクのうち、他サイトの全ページから同じ形で張られているサイトワイドリンクをグーグルが不自然なリンクだとみなすのではないかと心配しているようだ。
グーグルのジョン・ミューラー氏は、この質問に次のように答えた。
一般的に言って、そうしたリンクが自然に張られたリンクであって、あなたのサイトのコンテンツに向けられているなら、私ならそのままにしておくね。
そんなふうにしてインターネットは成り立っている。人々は役に立つコンテンツにリンクするものだ。
生徒がブログを持っていて、この先生(のサイト)は自分がテーマにしていることを本当によく知っていると思ってリンクしたのであれば、それはとても良いリンクだ。
ただ単に「ブログロールだから」「サイトワイドのリンクだから」という理由で、否認する必要はない。
サイトバーやフッターから自分のサイトに向けたリンクが張られていると、何千本、何万本ものリンクが1つのサイトから張られているとしてSearch Consoleの外部リンクレポートに出てくることがある。
こうした種類のリンクを片っ端から否認するサイト管理者がいるようだ。
だが、ミューラー氏が言うようにそのリンクが自然なものであれば、否認する必要はない。「ブログロールリンク/サイトワイドリンク = 不自然なリンク」ではない。もしかしたら、否認することで、本当に価値あるリンクを自ら無評価にしてしまっているかもしれない。
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グーグルはJSON-LDがお好きなの? microformatsやmicrodataよりも?
切り替える必要はない (Google Webmaster Central office-hours)
JSON-LDに対するグーグルの扱いについて、ジョン・ミューラー氏は次のように説明した。
構造化データの設定に、JSON-LDを使う人が多くなってきている。そんな理由もあって、私たちはJSON-LDを多少好むようになってきている。
もしかしたら、ある時点で「私たちはJSON-LDの利用を強く推奨する」と宣言するくらいまで行くかもしれない。新しいタイプの構造化データはJSON-LDだけで利用できるなんてことが、ひょっとしたら今後はあるかもしれない。
とはいえ、構造化データの処理では、われわれはJSON-LD以外のフォーマットでもすべて受け入れている。
また、JSON-LDとほかのフォーマットをうまく組み合わせることもできる。
microformatsであれ何であれ、JSON-LD以外のフォーマットを現在使っていて、すべて正常に機能しているのであれば、検索エンジンの観点からは、無理をしてJSON-LDに切り替える必要はない。リッチスニペットがすでに表示されているのであれば、ほかのボキャブラリやフォーマットに変更しなくていい。
グーグルは構造化データを利用するときのフォーマット(シンタックス)として、次のものをサポートしている。
- JSON-LD
- microdata
- RDFa
- microformats
JSON-LDは、サポートしているフォーマットのなかではいちばん新しい仕様で、たしかに開発者にとっても使いやすい仕様だ。
ほかのフォーマットとはJSON-LDは異なり、単独で配置できたり見た目にわかりやすかったりメリットが多いのも事実だ。グーグルも今はJSON-LDを使うことを推奨している。
とはいえ、古くから使われているmicrodataやmicroformatsは、今後もサポートを続けていくだろう。今すでにあるものを、わざわざ変更しなくてもいい。
しかし、もし構造化データを新たに実装したり、サイトのリニューアル時にコードの書き換えが可能だったりするのであれば、筆者はJSON-LDの利用を断然おすすめする。
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