【レポート】カスタマーエクスペリエンスコンファレンス2016

SEOからSXOへ。オウンドメディアの成功は検索体験最適化から

UX視点のコンテンツプランニング
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オウンドメディアは、企業が出したい情報を出す場ではない。ユーザーにとって有益で質の高いコンテンツを掲載しなければ、効果的なマーケティングにはつながらない。そのためには、ユーザーエクスペリエンス(UX)視点でのコンテンツプランニングが重要だ。

さらに、集客力、閲覧力、誘導力、成果力の4つの力でコンテンツを評価し、数値で違いを見つけ原因をさぐると、ユーザーエクスペリエンス視点に立ったコンテンツの改善が可能になる。

Web制作を中心にマルチタッチポイントで統合的なデジタルマーケティングをプロデュースする博報堂アイ・スタジオの白石氏は「カスタマーエクスペリエンス コンファレンス 2016」において、「~SEOからSXOへ~ UX視点のコンテンツプランニング」と題し、コンテンツマーケティングツールを活用した検索行動データ分析と最適化をFaber Companyの小川氏とともに事例として紹介した。

白石葵氏小川卓氏
博報堂アイ・スタジオ データドリブンクリエイティブセンター UXデザイナー 白石葵氏(左)と
Faber Company CAO(Chief Analytics Officer)小川卓氏(右)

潜在的ニーズを検索サジェストから探る

オウンドメディアをデジタルマーケティング戦略の中核に置く企業が増えてきている。顧客とのタッチポイントは、テレビ・ラジオ・紙媒体といった従来のメディアの他、営業マン、店舗、イベント、街頭広告、SNSなど、さまざまあるが、そこから認知・興味喚起したユーザーは、検索してオウンドメディアに流入する。すなわち、最も重要な流入経路は検索エンジンということだ。

検索エンジンはどんどん人の感覚に近づいているといわれており、ユーザーにとって有用なコンテンツが検索結果の上位に表示されるようになっている。つまり、ユーザーニーズにさかのぼって、UX視点のコンテンツプランニングが重要になっているということだ。

UX視点のコンテンツプランニングのためには、まだオウンドメディアに来訪していないユーザーの潜在的ニーズを把握する必要がある。そのために、博報堂アイ・スタジオでは多くの人の行動データに基づく予測である、検索サジェストに注目している。特定のワードと一緒に検索しているワードを潜在ニーズと捉え、オウンドメディア内にあるコンテンツがニーズからずれていないか、足りているかをチェックする。

サジェストワードの検索ボリュームを確認し、ユーザーの検索ニーズの高さと検索結果の状況などを確認しながら、掲載すべきコンテンツの取捨選択を行っている。

ユーザーの情報ニーズを探る

ライティングもSEO視点でチェックする。主題が決まったら、そのワードで検索した際に順位が高いサイトやサジェスト、Q&Aサイトなどにどんなワードが含まれているか(共起)を分析する。そのうえで、以下のような点に注意する。

  • 文章内に含まれるワードの偏りをなくすことで普遍性を高める
  • 共起ワードとして浮上しない独自の情報を追加することで、コンテンツのオリジナリティを高める

公開したコンテンツの効果を4つの力で検証する

企画したコンテンツをライティングし公開したら、コンテンツの効果を検証するため、検索結果の順位と流入の状況を調べる。博報堂アイ・スタジオでは、コンテンツマーケティングツールの一つとして、「MIERUCA」も活用している。

「MIERUCA」は、コンテンツの企画から効果検証、評価、改善までをデータを使って統合的に管理できるツールで、活用することでプランニングにかかる時間を大幅に短縮できる。またグーグルアナリティクスやSearch Consoleと連携させて、効果検証BIツールとして、順位やKPIなどの推移をわかりやすく把握できるのもメリットだ。

順位と流入の状況を調べる

KPIの達成状況を調べる際、順位の変動に一喜一憂してしまいがちだが、本当に重要なのは検索結果ページの順位ではない。新規流入が増えたか、関連する製品情報へ誘導できたかなどをKPIとして設定し、達成状況を確認することが重要だ。「MIERUCA」では、コンテンツを以下の4つの力で評価する。

  • 【集客力】アクセスを集める力
  • 【閲覧力】記事を読ませる力
  • 【誘導力】次ページに誘導する力
  • 【成果力】コンパージョン貢献力

数値で違いを見つけ、なぜ違うか考える

コンテンツは、初めから効果絶大ということはまずないので、改善を加えていく。この時、評価ポイントとして重要なのは、「コンテンツがビジネスの成果に繋がるよう内容になっているか」である。これは、先述した4つの力で評価する。セッションでは、事例として賃貸情報サイト「キャッシュバック賃貸」が運営しているオウンドメディア「SINGLEHACK」を取り上げた。

同じテーマの記事同士の比較

同じテーマの記事同士の比較

図の比較では、4つの力を偏差値で表している。つまり、平均であれば50ポイントである。

記事の内容はどちらも「引越し」という同じテーマで、4つの力のうち誘導力だけに大きな違いがある(誘導力は別の記事を見てもらう回遊性を表す指標)。これは、記事の最後にレコメンドしている記事の内容で差がでる。この比較では、下の記事で上の記事をレコメンドしていた。同じような内容のため、あまり読まれなかったと考えられる。

異なるテーマの記事同士の比較

異なるテーマの記事同士の比較

このケースでは、大きく違うのは成果力だ。成果力というと、コンバージョンを示すというイメージがあるが、オウンドメディアの記事を読んでそのままコンバージョンするというのは考えにくい。そこで、この事例ではオウンドメディアから賃貸情報の本家サイトに誘導したらコンバージョンとみなし(マイクロコンバージョン)、それを成果力として捉えている。それ以外にも、「一週間以内に再来訪する」とか「ECサイトに誘導した場合」などを成果力に設定するやり方があるだろう。

このように、まずは記事を比較し、数値の違いを見つける。改善の考え方は、数値の高い記事に、テーマ、長さ、画像の使い方など、何か特長があれば、数値の低い記事をそれに添って直したり、新しい記事を企画する時の参考にする。数値で出さなくても、見ればなんとなく分かると思うかもしれないが、数値があれば理解したうえで「比較」が可能で、数値を見た後の方が気づきを発見しやすい。

また、集客できる記事と誘導できる記事は方向性が違うので、ひとつの記事で全部満たそうとするのではなく、サイト全体で満たすと考える必要がある。そして、集客→閲覧→誘導→成果という順番でひとつずつ改善していくことが大事で、一度にすべてやろうとすると破綻する。

評価のポイントとしては、ビジネスの成果に繋がるかどうかだけでなく、「コンテンツが読者のニーズを満たす、きっかけを与える、心を動かすか」という視点も必要だ。これが「態度変容」に繋がる。この視点では、コンテンツを閲覧した結果、ユーザーは何を得られるのかというユーザー軸のKPIを設定する。例えば以下のようなものが考えられる。

  • ソーシャルメディアでの共有
  • (オフラインでの)行動を促す
  • 役立つ・楽しい→定期的な来訪

検索体験の最適化を考える

最近では、SEOに対してSXOという言葉も使われ始めている。SEO(Search Engine Optimization)は検索エンジン最適化のことだが、SXO(Search Experience Optimization)はそれをさらに拡張させた検索体験の最適化のことである。そのためには、

  1. 検索時の体験
  2. オウンドメディアに流入した時の体験
  3. それによってユーザーの課題を解決したか
  4. ビジネスゴールを達成したか

という一連の流れで考える必要がある。

検索体験の最適化

検索時の体験を最適化するのは、検索エンジン側の取り組みだ。そのために、グーグルは当初から比べると、大きく変化している。検索結果画面のユーザビリティ向上のためには、たとえばサッカーチーム名を入れると検索結果画面に試合結果が表示されるなど、ユーザーが知りたいと考えているであろう情報を提示してくれる。場合によっては、検索結果画面だけで用が足りるという場合もある。

また、検索結果の有用性向上のために、閲覧履歴や場所など、人によって検索結果を変えて提供するパーソナライズや、会話型検索で文章全体の意味や文脈からユーザーニーズを推測、最適だと思われる答えを提供するハミングバードなどの最適化を行っている。その一方で、有用性が低いのに不正に検索順位をあげようとするコピーサイトや悪質なスパムを排除するアルゴリズムの変更を行っている。

一方、検索後の体験は、グーグルではなくオウンドメディアの役割だ。そこでは、ユーザビリティ向上やコンテンツの有用性が求められる。ユーザビリティ向上のためには、情報構造の整理やモバイルフレンドリーなどの最適化を行う必要がある。

そして、コンテンツの有用性を上げるために最も重要なのは、ユーザーにとっての価値のあるコンテンツを作ることだ。そのために必要なのが、「UX視点によるコンテンツプランニング」である。すなわち、「ユーザーの情報ニーズ」を把握し、「ユーザーの課題を解決するコンテンツ」をプランニングすることだ。

コンテンツの有用性向上

博報堂アイ・スタジオでは、「UX視点によるコンテンツプランニング」を実現するためにさまざまなコンテンツマーケティングツールを活用している。ツールを活用することでプランニングにかかる時間を大幅に削減できる。統合デジタルマーケティングの時代、企業が抱えるさまざまな課題に対して、博報堂アイ・スタジオではクリエイティブという軸で最適なソリューションを提供している。そして最後に白石氏は次のようにしめくくった。

オウンドメディアを抱える企業でコンテンツプランニングについての悩みや課題があれば、お気軽にご相談ください

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