グーグルが考える「高品質なサイト」とは――③Know Simpleクエリとニーズへの対応評価
3回に分けてお届けしてきた、「グーグルがどういったページを高品質(あるいは低品質)と見ているかや、検索結果の上位に表示させたいページとはどういう種類のものか」をグーグルの検索品質評価ガイドラインから考えるこの記事も、今回が最終回だ。
今回は、「KnowクエリとKnow Simpleクエリ」「ニーズへの対応評価」「古いコンテンツと更新されたコンテンツ」「マネタイズ(収益化)手法の多用」について見ていこう。→まず①「YMYLとE-A-T」と②「ページデザイン、広告、低品質ページ」を読んでおく
KnowクエリとKnow Simpleクエリ
グーグルは、2015年の品質ガイドラインに新しい概念を追加した。具体的には、同社が「Know(知る)クエリ」および「Know Simple(簡潔に知る)クエリ」と呼ぶものだ。
なぜこれが重要なのだろうか。それは、Know Simpleクエリが、多くのウェブマスターが引用されるのを切望しているフィーチャード・スニペットを支える原動力だからだ。
Know Simpleクエリ――簡潔に知る
Know Simpleクエリは、数行の文章か短いリストで答えられるような検索だ。回答はフィーチャード・スニペットで取り上げられやすく、必要な情報のほとんどが含まれる。
Know Simpleクエリはまた、一般にほとんど誰もが認めるであろう1つの答えがあるクエリだ。議論の余地があるクエリや、答えについて意見が真っ二つに割れるようなクエリではない。これには、特定の人物の身長や年齢など、答えが明確な質問が含まれる。
また、黙示的なクエリもこれに含まれる。質問の形にはなっていないが、質問していることが明確な類の検索だ。たとえば、「Daniel Radcliffe’s height」(ダニエル・ラドクリフの身長)を検索している人は、実際には「How tall is Daniel Radcliffe?」(ダニエル・ラドクリフの身長はどのくらいか?)と聞いている。
フィーチャード・スニペットで引用されたいなら、Know Simpleクエリこそ、あなたのウェブページやコンテンツを回答として提示したい種類の質問だ。ページ上のコンテンツの長さが心配な場合は特にだが、最初の段落は簡単な答えとして数行だけにするのもいいだろう。もちろん、それに続く段落で内容を膨らませればいい。
Knowクエリ――知る
残りすべてのクエリがKnowクエリで、答えが複雑すぎるか、または考えられる答えが多すぎるクエリだ。
たとえば、おすすめの株式銘柄やある政治家に関する検索は、検索者が具体的に何を探しているのか明確でないので、フィーチャード・スニペットは表示されない。「Barack Obama’s age」(バラク・オバマの年齢)はKnow Simpleクエリであるのに対して、「Barack Obama」(バラク・オバマ)がKnowクエリだ。
議論の余地があるトピックは、その多くがKnowクエリと見なされる。トピックについてまったく異なる意見が複数あり、一般に数行では答えられないからだ。
検索におけるキーワードの数は、必ずしもKnowクエリかKnow Simpleクエリかを判断する条件にはならない。ただし、多くのロングテール検索はKnowクエリと見なされるだろう。
Needs Met――ニーズへの対応評価
Needs Met(ニーズへの対応評価)も、新しい品質評価ガイドラインに追加されたセクションだ。この評価では、検索者のクエリに対し、検索結果がどれほど適切な回答を提示しているかに注目する。補助コンテンツを実装していないコンテンツで検索上位になろうとしているサイトは、ここで苦労することになる。なぜなら、そうしたランディングページは検索者が実際に探しているものを提示できないことがあるからだ。
Needs Met評価は、「Fully Meets」(完全に対応している)から「Fails to Meet」(対応していない)まで5段階に分かれている。
ここで知っておくべき最も重要なことは、モバイルフレンドリーでないサイトはすべて「Fails to Meet」と評価されることだ。繰り返すが、サイトがモバイルフレンドリーでない場合は、モバイルフレンドリーにすることを緊急の優先課題にする必要がある。
「Highly Meets」(十分に対応している)を獲得する
基本的に、ページではどんな検索クエリにも答えられるようにしておく必要がある。つまり、検索者が検索クエリによってページを訪れたら、求める情報がすべてそこで見つかり、答えを求めて他のページやウェブサイトを訪れなくてもよいようにするということだ。
だからこそ、タイトルやキーワードをコンテンツと一致させ、SERPに表示されたページが、何であれ検索者が探していることに対して十分な答えを提示できる品質を持つコンテンツになっていることがきわめて重要になる。
ローカルパックと「Fully Meets」
ローカル検索の3パックに表示されるサイトは、3パックの結果がクエリと一致する限り「Fully Meets」と評価される。ローカルビジネス向けナレッジパネルの場合も同様だ。ただしこれも、いかなる検索クエリとも一致していなければならない。Googleマイビジネスにスパム行為を働いているローカルビジネスは、ここで問題にぶつかることになる。
製品ページ
質の高い製品ページがあって、検索クエリと一致する場合、そのページは「Highly Meets」と評価される。より一般的なクエリによって、企業サイト上の同じタイプの製品をすべて表示するページ(リュックサックの一覧ページなど)につながる場合もあれば、特定の製品(特定のリュックサックなど)のページという場合もある。
フィーチャード・スニペット
評価者はフィーチャード・スニペットを見て、それらのスニペットがどれほど適切に質問に答えているかも評価する。
検索クエリに対してかなり奇妙に見えるフィーチャード・スニペットが表示されるケースは誰もが目にしたことがあるだろう。グーグルは、そうしたスニペットをアルゴリズムがどの程度適切に選択できているかテストしているようだ。
「Slightly Meets」(わずかに対応している)と「Fails to Meet」(対応していない)
グーグルは評価者に対し、コンテンツが古いかどうかや、ページの主要テーマに対してあまりに範囲が広すぎないか、または逆に特殊すぎないかなどを見るよう求めている。また、何の専門知識もなく作られたコンテンツなど、品質や信頼性を低下させるような要因があるコンテンツも評価を下げることになる。
古いコンテンツと更新されたコンテンツ
最近見られるのだが、ウェブマスターがコンテンツに記載している日付を変更して、ページの内容は一切変更していないのに、実際より新しく見せようとするような傾向が出ている。
一方で、公開日は変えなくても、更新やチェックに合わせてコンテンツに更新日を追加する人もいる。
グーグルはこの点を考慮するようになっており、コンテンツの日付について疑問がある場合には、Wayback Machineを確認するよう評価者に求めている。
マネタイズ(収益化)手法の多用
YMYLサイトの多くは、広告などのマネタイズ手法を多用している。グーグルはこの点に関して、特にメインコンテンツの邪魔になっていないかについて、注意するよう評価者に求めている。YMYLのページなら、収益化の手法と利便性のバランスを考えたい。
まとめ
まず何よりも、本ガイドラインで最大のポイントは、サイトを(もしまだなら)モバイルフレンドリーにすることだ。
モバイルフレンドリーでなければ、それだけでモバイルフレンドリーなサイトが優先される検索結果で上位になる機会を逃している。つまり、モバイルデバイス上で検索された場合に、あなたのサイトは検索結果のずっと下位に押しやられるということだ。
グーグルは明らかに、品質を表す特性としてもモバイルフレンドリー性に注目している。優れた高品質のコンテンツがあっても、モバイルフレンドリーでなければグーグルはそうしたページを低品質と見なす。
フィーチャード・スニペットに関連してグーグルがクエリをどう見ているかを確認できたということは、SEO担当者がそうしたフィーチャード・スニペットで引用される機会をさらに活用できるということだ。
グーグルのゲイリー・イリーズ氏は、フィーチャード・スニペットに表示されたいなら確実に質問に答える必要があると述べている。それこそがKnow Simpleクエリの重要なポイントであることは明らかだ。
フィーチャード・スニペットで引用されたい検索クエリに対しては、それがなんであれ必ずその質問に答えられるようにしよう。
ページ上の補助コンテンツを見て、それがメインコンテンツをどのように支えているか考えてみてほしい。
関連記事を追加したり、同じサイト内の記事にリンクしたりすれば、訪問者に簡単に付加価値をもたらすことができるし、それによってサイト内に長くとどまってくれる可能性が高くなるのは言うまでもない。訪問者にとっての有用性を考慮しよう。
そして、こうした補助コンテンツに目を向けるうえで、特にYMYL(資産と人生)に関するサイトでは、広告を置きすぎないようにしよう。
収益を得ることとユーザー体験のバランスを取るのは難しいこともあるが、この機会にこそ収益化の取り組みに注意を払い、実際に利益を上げているものが本当に効果に見合っているか見極める必要がある。そうした広告ユニットが毎月少々の収入をあげてくれているからといって、月に50セント収入を増やすためにページを広告でごちゃごちゃにする価値が本当にあるのかというケースはよく見かける。
訪問者、もしくは品質評価者に対して、サイトに関する簡単な質問に答えられる十分な情報を必ず用意しておこう。
- 著者の評判は良いか。
- サイトに権威性はあるか。
- 信頼できるサイトと思っていいか。
それから、簡単な問い合わせフォームのようなものも含めるのを忘れないでほしい。サイトには、E-A-T(専門性、権威性、信頼性)を反映させなければならない。
要するに、評判の良いソースから得た最高品質のコンテンツを提供しよう、ということだ。サイトで認識される価値が高いほど、品質評価も高くなる。これが検索順位の引き上げに直接つながるわけではなくても、これらのガイドラインで高い評価を得るものなら、検索結果で上位に表示させたいとグーグルに思わせるようなコンテンツになれるだろう。
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