企業ホームページ運営の心得

信頼を得るコンテンツ、“取引銀行”と“社長の趣味”を掲載する理由

ネットで検索はあたりまえ、そのとき取引先企業として信頼を得るためには
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の329

日本経済の明日がどちらでも変わらないこと

安倍首相が来春からの消費税増税の実施を表明しました……とは予定原稿。

本稿執筆時はまだ発表されていませんが、増税延期に論調を変えた読売新聞が、社論に反する増税を断定的に報じたということは、確度の高い情報を得たのでしょう。

マクロ経済の基本からみれば、デフレ時の増税は愚の骨頂。消費を鈍らせ景気を減速し、全体の税収が落ち込むと考えるからです。一方、オリンピック東京招致成功を受けて『週刊現代』は、日経平均株価が4万円に達するとぶち上げます。経済を論じる場ではないので、記事の中身を論評はしませんが、1つだけいえることは、どちらにしてもホームページの重要性はより強くなるということ。

デフレによる単価下落に目をつぶれば(経済学上はつぶれないのですが)、復興需要とオリンピック関連のインフラ整備で仕事の総量が増えることは間違いなく、新規の発注先、取引を探す必然性が生まれ、そのとき「ネットで検索」はもはや常識だからです。

二兎を追えばやっぱりダメ

しかし、企業サイトの現実を告白すれば、サイトが受注につながっていない企業が大半です。SEOやSEMといった話の前段階で、一般消費者向けの「BtoC」とビジネス取引の「BtoB」、どちらの市場で勝負するのかが区別されていない企業が多いのです。

これまでBtoB一本でやってきた企業が、サイトに「新しい販路(チャネル)」を期待し、個人客を取り込みたいと願う気持ちはわかります。しかし、二兎を追うには困難がつきまといます。

ある下請け専門の建築業者は、サイト開設にあたり一般家庭の改修工事やリフォームの受注を狙いました。願いが叶い、一般家庭からの問い合わせがありました。現地調査が必要な案件で、ご主人の帰宅後と指定された夜の8時過ぎに訪問するも、ご主人の急な残業で延期されるといったロスが多く、また「とりあえず」での見積もりの増加が本業に支障をきたすと、この夏一般家庭向けから撤退しました。

個人消費の減退は逃れられない

一般家庭とプロの現場はルールも時間軸も異なり、単価も数量も利幅も異なります。「24時間対応」をうたったがため、深夜2時にトイレの水漏れ修理に呼び出される一般家庭と、ショッピングモールにて、営業時間終了後の深夜から早朝にかけて照明設備を一斉に交換する業務の受注では利益の桁が違います。つまり、どちらをターゲットにサイトを作るかは経営に直結します。

そして、いまBtoB企業が力を注ぐべきは新規開拓のためのBtoCではなく、本業のBtoBです。増税に合わせて政府は、企業間取引を活発にするために設備投資を促す減税策を準備しています。企業間取引が活発になれば、賃金も上昇して……とは典型的な取らぬ狸の皮算用。8%の次は10%が待っています。

さらなる需要の冷え込みを想定したが企業が、生き残りを賭けて内部留保を積み増せば、給与所得が増えることはありません。その結果、消費税増税後、個人消費は必ず落ち込みます。『週刊現代』ほどの楽観論は痛すぎるとしても、2020年のオリンピックまでは、個人消費と比較して活況が継続するであると見られるBtoBをお勧めするのです。

信頼を得るためのコンテンツ

BtoBで重要となるのが「代表者の挨拶」といった「社長コンテンツ」です。トップページで社長の挨拶など読みたくない、というのはもっともですが、サイト内にあるのとないのとでは別問題。ネットで検索して初めて存在を知る会社など「どこかの馬の骨」です。そのとき「社長」の人柄は、企業を知る貴重な情報の1つです。学歴、特技、趣味。創業して日の浅い企業ならなおさら。

社長コンテンツは「飾る」ことができます。経歴詐称は論外としても、座右の銘、信条、社是。気取った言葉で飾ってください。コンテンツは四字熟語のテストではないので、サイトに掲載してから意味を知ってもOKです。正直であることがすべてに優るとは机上の空論にすらなりません。もちろん仕事について「誠実」であることは大切で、そこから生まれる信用という財産はビジネスを加速させます。しかし、社長のありのままを公開することは「誠実」とは似て非なるものです。

愛読書にも人柄が表れる

仮に社長の趣味が「ツーリング」だったとします。取引先を探す企業が「社長コンテンツ」から読み解くのは字面の情報だけではありません。これをそのまま公開すると、社長がツーリングで事故に遭ったときの経営リスクを連想するものです。

漫画しか読んでいないからと、愛読書に『ワンピース』を掲げるのもどうでしょう。作品の優劣が問題ではありません。わざわざ社長が漫画を「愛読書」として掲げ、その公開をいさめない体質の企業を警戒するのは、ビジネスシーンでは自然な反応だからです。例え読んだことがなくても『ビジョナリー・カンパニー』や『マネジメント』といった定番で飾っている会社の方が安心できるというものです。

どうしても漫画を愛読書と宣言したい社長なら、「尾田栄一郎 作品」とロンダリングします。作品名は知っていても、作者を知らない人は、かなりの割合に達するからです。もっとも、本を読まない社長なら「愛読書を紹介しない」というのが賢明な選択です。「ツーリング」も同じで、情報の取捨選択も「飾る」技術です。

ひとつの目安として

最後に社長コンテンツとして、本稿ならではの「現場のノウハウ」が「取引銀行」の情報です。企業サイトを眺めていて、社長の挨拶に並んでこんな情報がいるのかと首をかしげる読者も多いでしょうが、営業マン時代にある社長が教えてくれた話です。

地元の信金や信組を利用している会社は堅実な傾向が強く、会社から遠い都市銀行をメインバンクにしているのは見栄っ張りや山っ気がある社長

長い取引をするなら、前者だという指摘です。一概に当てはまるとはいえませんが、これまた社長の人柄を表すコンテンツだということです。さらに、いまならインターネットバンクの利用の有無は、企業のネット活用度合いを測る1つのモノサシになります。

もちろんBtoBコンテンツは「社長」だけではありません。その他のコンテンツについては、「増税決定後」に機会があれば紹介します。

今回のポイント

社長はBtoB向け主要コンテンツ

ただし、「よそ行き」の装飾は不可欠

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