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ソーシャルメディアキュレーションの手引き(中編)

何のためにソーシャルコンテンツキュレーションを行うのか、その正しい実践方法とは

この記事は、前中後編の3回に分けてお届けしている。今回は、「何のためにソーシャルコンテンツキュレーションを行うのか」「ソーシャルコンテンツキュレーション戦略の正しい実践方法」「キュレーションの対象とする情報を収集する上で信頼できるソースを見つけ出す方法」について見ていこう。

何のためにソーシャルコンテンツキュレーションを行うのか

グーグルにとって、信頼性の高いブランドこそが優秀さの本質的要素だ

僕らは検索エンジン結果ページ(SERP)で毎日そのことを目にしているし、グーグルによる最近の各アップデート(パンダ、ペンギン、EMD)もの背景にあるのも同じことだ。人々の購買行動からも、そのことが見てとれる。

グーグルがブランドに対してこのような肯定的な姿勢を示すのは、理にかなったことだ。実際、人々は無名ブランドよりも認知度の高いブランドの方を信頼する傾向がある。

そしてこの傾向は、オンラインで一層強くなる。というのも、まるで混沌とした情報の海のようなインターネットにおいて、ブランドは、安心感を与える「灯台」だとみなされることが多いからだ。

Amazonコカコーラ、ザッポス、REI、Airbnbなどの有名ブランドは、たとえばonlinewarehouse.com、outdoors.com、sodabeverages.com、cheaphotels.com、allkindofshoes.com(これらは適当にでっち上げたサイト名なので、実在していたとしても単なる偶然だ)といった無名サイトよりも、信頼性という面で優位にある。

実は、人についても同じことが言える。僕らは、誰かと知り合いになった場合、その相手は特定分野において信頼性のある参照先であると当然のように考えるものだ。たとえば、われらがSEOmozのランド・フィッシュキン氏はSEO業界の信頼できる参照先だ、という具合に。

思慮深いリーダーたち
これまでにさまざまな分野でソートリーダー(実践的な先駆者)として活躍してきた人々の例

経済誌Forbesの定義によれば、ソートリーダーとは次のような意味で使われる。

ソートリーダーとは、見込み客、顧客、紹介者、仲介者にとどまらず、競合相手までもが、ある専門分野において最も権威が高いと評価し、結果としてその専門分野で信頼できる存在となっている個人または企業のことである。

さらに言えば、「ソートリーダーとは、そのように評価されることにより大きな恩恵を受ける個人または企業である」。

ブランドや個人が特定分野のリーダーとなるためは、「思慮深いリーダーシップ」という、目に見えない貴重な特性が求められる。けれども、生まれつきのリーダーなど一人もいない。

ここ数年で僕らが理解したのは、インバウンドマーケティング(SEO、コンテンツマーケティング、ソーシャルメディアマーケティングが一体化している)こそが、この夢にまで見たリーダーシップを手に入れるための正しい戦略だということ。

この目標の実現を後押ししてくれるのが、コンテンツマーケティングの一部であるコンテンツキュレーションというわけだ。

ソーシャルコンテンツキュレーション戦略の正しい実践方法

何よりもまず、正しいオーディエンスをターゲットとすること。このとき力強い味方となってくれるのは、Followerwonkの登録ユーザー向け検索機能だ。この機能を使ったターゲットオーディエンス探しの方法は、ピーター・ブレイ氏がこちらの投稿で説明している。

※Web担編注 ピーター・ブレイ氏の記事で解説している方法の一部を簡単に紹介しておくと、以下のようになる。

  1. Followerwonkの「Search Twitter bios」で、自分の業界に関連するキーワードで検索する(検索ボックスの下の「more options」から、「Limit search to」で自分のフォロワーに限定するよう設定しておく)。
  2. 検索結果をSocial Authorityで並べ替える。
  3. 各ユーザーにマウスオーバーして「Total engagement」が高いユーザーを探す。

ブレイ氏が説明している方法論は、潜在的なオーディエンスを理解するためには確かに有益だ。しかし同時に、別の種類のオーディエンス(自分が関わっている分野のソートリーダーに影響を与えられる人々)についても理解しなくてはならない。これは、とりわけ新興ブランドの場合、インフルエンサーに対してすでに影響力を持っている人物を通じて、インフルエンサーに影響を与える方が簡単だ、ということ以上の真実はないからだ。

Followerwonk
Followerwonkの「Compare users」機能

オーディエンスを決定したら、調査と分類を行う。これらの手順を済ませたら、実際にソーシャルコンテンツキュレーションを開始しよう。

キュレーションの対象とする情報を収集するうえで
信頼できるソースを見つけ出す方法

リソースディレクトリとニュースアグリゲータ

この場合、Alltopのように、ありとあらゆるトピックに関するブログを収集、整理してリスト化したディレクトリを使うのが得策だ。

また、インターネットマーケティングやテクノロジーの分野では、inbound.orgHacker Newsといったアグリゲーションサイトも使える。こうしたサイトの多くは、ほとんどの分野に存在する。たとえば、Mortgage News Dailyは、住宅ローンに関するニュースのアグリゲータだ。

ニュースレターを通じてニュースのアグリゲーションがどの程度の頻度で行われているかを忘れずにチェックしよう。とりわけ、極めて小規模で特殊なニッチの場合は重要だ。幸いなことに、SmartBriefといったニュースレターのアグリゲータを使うと、隠れたお宝を探したいときに役立つ。

最後に、エンタープライズレベルの企業の仕事を行っている場合は、Dow Jonesが運営するFactivaを代表とするエンタープライズ向けのマーケットコンテンツキュレーション用ソリューションなども利用するといいだろう。

SNSのパーソナライズ化されたサジェスチョン、リスト、グループ

質の高いリソースディレクトリやキュレーションされたニュースアグリゲーションサイト、ニュースレターアグリゲータ、エンタープライズ向けソリューションは、ソースの収集には最適だ。しかし時間が経過してSNSでの活動が活発になってくると、キュレーションの対象となる新しいコンテンツを見つけ出すためには、次に挙げるようなソースに対してもっと注意を払う必要が出てくる。

お分かりのように、これらの機能はすべて、パーソナライズ化要因に基づいている。このため、サジェスチョンを確実なものにするためには、自分の個人的な(いまの仕事とは直接の関係がない)ソーシャルプロフィールによる活動が混ざり込まないように注意することが重要だ。さもないと、サジェスチョンの品質をまったく台無しにしてしまうこともあり得る。

YouTubeのパーソナライズによるサジェスチョン
子どもたちがYouTubeで動画を見るのを許可している場合は、忘れずにログアウトしよう。そうしないとこんなふうにサジェストされてしまう……

キュレーションにおいて「新鮮さ」という要素も考慮しなくてはならない場合は特に、オーディエンスと共有するための新しいコンテンツのソースとしては、Topsyのように優れた内部検索機能を持つサイトも有益だ。

それから、Twitter、Facebook、グループ(Facebook)、コミュニティ(Google+)などでユーザーが作成したリストは、つい見過ごしてしまいがちだが、新しくて驚くほど優れたコンテンツを見つけられる素晴らしいソースだ。さらに、これらのSNSでの会話を通じて、オーディエンスを広げることも、前述した「インフルエンサーに対するインフルエンサー」と呼べる人々を見つけることも簡単にできる。

昔流の(でもいまだに有効な)やり方:ブログにコメントする人々の分析

個人的には、今でもこのやり方が最も気に入っている。

この方法は拡張性がないし、キュレーションのリサーチに費やす時間という点で多くの欠陥があるが、おそらくは、新鮮で予想外に優れたソースを発見するだけでなく、そのソースと強い関係を築くという意味においても最適な方法だろう。

僕は、まだこの業界に入りたての頃にこの手法を使っていた。SEOgadget、Distilled、SEERInteractiveといったサイトを見つけられたし、リチャード・バクスター氏やドクター・ピート、Distilledのジョン・ドハーティ氏、iAquireのマイク・キング氏など、多くの人々と関係を深めることができたのは、すべてSEOmozコミュニティで精力的な活動を行ってきたおかげだ。

この記事は、前中後編の3回に分けてお届けしている。最終回となる次回は、「収集したソースの整理方法」について説明する。

用語集
EMD / Facebook / SEO / SERP / SNS / アグリゲーションサイト / ソーシャルメディア / ディレクトリ / 検索エンジン
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