コンテンツに頼らずリンクを獲得する4つの方法(後編)
コンテンツに頼らずリンクを獲得する方法を解説するこの記事は、前後編の2回に分けてお届けしている。後編となる今回は、4つの手法のうち3つ目と4つ目をご紹介しよう。
→まず前編を読む
その3: 本質的にバイラルな製品やサービス
コンテンツへの投資を避けながら競争力を持つための秘訣の3つ目は、「本質的にバイラルな製品やサービス」だ。
個人的に気に入っている例として、SurveyMonkey(リンク先は日本語サービス)を挙げよう。
SurveyMonkeyを初めて使うきっかけのほとんどが、誰かからリンク付きのアンケートを受け取ったからというものだからだ。SurveyMonkeyはアンケートフォームに、「SurveyMonkey プログラムを使用(Powered by SurveyMonkey)」「今すぐユーザ自身の無料オンラインアンケートを作成しましょう!(Want to create your own survey?)」というアンカーテキストのリンクを付け加えている。
現在のところ、SurveyMonkeyは事業を結構長く続けているおかげで検索上位を獲得しているが、コンテンツ・マーケティングをたくさんやっている訳ではない。SEO的なことに膨大な投資を行ったりもしていない。
では、なぜ検索上位にいられるのか? SurveyMonkeyには、本質的にバイラルな製品があるからだ。アンケートを依頼された人は皆、こう言うんだ。「そうだ、アンケートをやってみようかな。うちでもSurveyMonkeyを使ってみるか
」
PinterestとかEtsyとか、反復利用や共有がプラットフォームの一部になっているサービスの躍進ぶりを考えてみよう。こうした、本質的にバイラルな製品やサービスは、コンテンツ自体に投資を行わなくてもうまくやっていけるものだ。
その4: コミュニティ構築とユーザーの参加
4つ目はコミュニティ構築とユーザーの参加だ。
これをうまくやっているブランドはいくつもある。そういう会社は、自社サイトに膨大な量のコンテンツを作成したりはしないものだ。しかし、次の2つのうち少なくとも1つを実践している。
自社サイトやそれ以外の場所で自社のコミュニティに投資すること。つまり、ソーシャルメディア、たとえばFacebookやTwitter、LinkedIn、Quora、掲示板、ブログなどを通じて、ユーザーが集まるさまざまな場所に深く関わることだ。Hacker Newsみたいなところもあるね。
自社サイト上にユーザー参加のプラットフォーム、つまり、自分たちはほとんどコンテンツの作成に関わることのない独自のコミュニティを築くこと。ユーザー生成コンテンツ用のプラットフォームと言っていい。
そうだな、このいい例としては、専門家がユーザーの質問に答えるQ&AサイトのStack Exchangeなんかが挙げられると思う。そこにあるたくさんのコンテンツは、Stack Exchangeが作成したものじゃない。すべてユーザーによって作られたもので、時々その中に参加していく形を取っている。モデレーターやクリエーターという形で、そうしたコミュニティに参加していくんだ。
こうして、Stack Exchangeは自分たちで作成したのではないコンテンツをどんどん増やし、そのコミュニティからたくさんのユーザーが参加してくる。つまりはたくさんのリンクを獲得していて、こういった内容に関しては、すべてが検索の上位にいるんだ。プログラム開発プラットフォームサービスのGitHubも、同じような事が起きている場として、もう1つの好例と言えるだろう。
自社の強みや得意なことから手法を考える
コンテンツなんて自分のスタイルじゃないとか、コンテンツはGoogleが残してくれた唯一の道だとか思っているのかな? 必ずしもそういうわけではない。
ちょっと聞くけど、自分の強みって何だろう? マーケティングの観点、製品の観点、サービスの観点から見た強みは何? 自分や自分の会社だけが持つ、得意なものは何?
そして、あなたが興味があることは何? ブログを書くのは好きかな? ツイッターで会話に参加するのは好き? フォーラムにコメントするのはどう? 好きじゃない? それなら、別のやり方にすればいい。人とリアルで会って、その人たちに上等の顧客サービス体験を味わってもらうのは好きかな? これって、まさに正攻法だよ。
もう1つ現実的に大切なことがある。自分が実行できること、そして許可されていることは何だろう。多くの人々にとって、制約や条件が付く業界もあるし、経営陣や上司、チームが制約や条件を課すこともある。だから、自分の強みとか好きなことについて説明し、尋ねてみなくてはならない。「うちの競合相手が実行していないことは何だろう? 相手が投資していない分野はどこだろう?」とね。
SEO業界やコンテンツ・マーケティング業界では、コンテンツの分野にたくさんの人々がひしめいているかもしれない、いや多分ひしめき合っている。だが、ここで説明した他の分野ではそうでもない。
こういう分野では、たぶん投資をすれば勝利が得られる場所だろうし、昔ながらの「うちのページには、いいアンカーテキストを使った良質なリンクが張られているから、検索で1位になれる
」なんていう話とは縁遠い。他にも、方法はたくさんあるかもしれない。
いいかい、ウェブ上で行うマーケティングのあり方とは、検索だけではないし、ソーシャルメディアだけでもなく、コンテンツだけということでもないってことを覚えておいてほしい。マーケティングはそれらすべてであり、その多くは、もし投資を惜しまないのなら、とても大きなリターンを生み出してくれるものなんだ。
さてと。今回の「ホワイトボード・フライデー」は楽しんでいただけただろうか。来週もまたお会いできることを楽しみにしているよ。ごきげんよう。
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