SEOの至言“コンテンツは王様”……でも王様だけでは国は回らない
今日はSEOの話題を。「コンテンツは王様」という言葉をSEOの世界ではよく耳にします。これは間違いなく重要なことなのですが、ではSEOの世界にはコンテンツさえあればいいのでしょうか?
SEOの世界にもトレンドがあります。
「SEO=キーワード記述」の時代
初期にはいわゆる「キーワード詰め込み」時代がありました。とにかくキーワードをページ内に詰め込めばいいという時代ですね。metaタグ、見出し、画像のalt属性、隠しキーワードなど、さまざまな形でキーワードを詰め込めば検索エンジンで評価されていました。
しかし、そうしたキーワード詰め込みを検索エンジンが判断する能力が高まり、その手法は廃れていきます。
「SEO=リンク」の時代
その後、リンクの時代が長く続きます(実際には今も?)。相互リンクや小規模ディレクトリからのリンクを集める時代から有料リンクの時代になり、リンク評価のためだけのリンクを生み出すリンク元コンテンツをSEO関係者が大量に作り、有料リンクを販売してきました。
しかし、グーグルが「自然なリンク」と「不自然なリンク」を判断する性能を高め、そうした「検索エンジンの順位を操作するためのリンク」の効果が薄れてきました。
「SEO=コンテンツ」の時代?
そして今、(ずっと昔から言われていたことなのですが)「コンテンツは王様」という言葉を、多くの人が言うようになりました。
ユーザーが求めるコンテンツ、ユーザーに価値をもたらすコンテンツ、そういったものをもっているサイトが、ソーシャルメディアで話題になり、自然なリンクを集め、SEOで強いということです。
では、今の時代、良いコンテンツがあればSEOは不要なのでしょうか?
残念ながら、そうはいきません。
王様が1人いるだけで国を運営できるわけではないのと同様に、検索エンジンの世界でも良いコンテンツがあるだけでうまく評価されるとは限りません。
というのも、まだまだ検索エンジンは不完全なので、王様たるコンテンツを知らしめてその価値を認めさせるための「行政」の役割を果たすためのSEOは、未だ価値があるのです。
「SEO=コンテンツ+補助推進のための施策」の時代
では、「王様」を助ける行政としてのSEOには、どんなものがあるのでしょうか?
そもそも、検索エンジンが判断の基準とする「URL」をコンテンツごとに適切に付けるという基本は、忘れがちですが非常に重要です。
そもそもサイトにページを公開したからといって検索エンジンがそれをちゃんと見つけてインデックスしてくれるとは限りませんから、検索エンジンのロボットがリンクをたどってページを見つけやすくする動線を作ってあげる必要があります。
また検索エンジンのロボットは日々膨大なページをクロールしているので、特定のサイトに費やすクロールの時間も限られています。ですから、大規模サイトでは「サイトをどうクロールさせるか」を制御しなければ、ページを適切にインデックスしてもらえません。
サイトの種類や運営スタイル、CMSによっては、同様のコンテンツがさまざまなURLになっている場合もあるので、重複コンテンツだと扱われないようにする処理も大切です。
ページの内容を検索エンジンが理解できるテキストとして記述して適切にマークアップする必要がありますし、検索エンジンはいわゆる「構造化データ」(Schema.orgのような構造化マークアップ)の採用を進めていますので、仕様に則って適切に構造化マークアップを施すことも大切になっていくでしょう。
サイトで多様なコンテンツを扱っている場合、テーマごとに(リンク構造で)情報の構造を検索エンジンにどう伝えるかも重要になります。
多言語・多地域を対象とするサイトでは、各コンテンツがどの言語やどの地域に対応したものなのかを検索エンジンに理解してもらい、対応する言語や地域での検索に対して適切に提示してもらえるようにする必要があります。
「コンテンツは王様」、これは今のSEOでは間違いなく大切なことです。ユーザーに対して価値を提供できるコンテンツがないと、何も始まりません。
しかし、残念ながら検索エンジンはまだまだ未完成です。
検索エンジンにサイト内の各ページを理解してもらい、各ページがどういった検索意図に対して価値があるのかを判断できるようにするには、まだまだWeb担当者側での手助けが必要なのです。そうした手助けは、「SEO」の重要な価値です。
もちろん、ユーザーを理解し、ユーザーの潜在・顕在ニーズを把握し、サイトや事業のゴールに合った方向でコンテンツを作ったり、そうしたゴールに合ったユーザーを検索エンジンから集めるためのリンクを設置したりなどの施策をするのも、SEOにはなくてなならないものです。
そういった視点でSEOを考えると、「まだまだSEOとしてやるべきことはたくさんある」と思いませんか?
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