前回+今回のまとめ&アクセス解析で見るべきポイント
前回+今回のまとめ&アクセス解析で見るべきポイント
最後に、前回と今回のまとめをしながら、アクセス解析的な視点で見るべきポイントをまとめておこう。
- トップページの利用状況
まずはグローバルナビゲーションの利用状況、利用者タイプ別メニューの利用状況、ニュース記事へのリンクなどのクリック状況を把握し、この配置や見せ方でよいのかどうかを確認しておきたい。
例えば、トップページ左上の利用者タイプ別メニューの並びは、「受験生」「卒業生」「ご父母」「一般・企業」という順番になっていて、このサイトのニーズにマッチして上から配置されているように思えるが、データでもそれを検証しておくべきだろう。第2階層や第3階層のメニューも、ニーズの高い順に並んでいることが望ましいだろう。
またトップページ中央から下部にかけてのニュース、その他のリンクがあまりクリックされていないのであれば、もっともニーズが高そうな受験生用の入試関係の下層のコンテンツを、トップページに直接配置するような工夫も欲しいところだ。
学校の行事は季節性が非常に高いので、それに合わせてトップページのコンテンツを転々と変化させるのがいいとも思えないが、もう少し重要度の高いコンテンツへ直接訪問できるようなリンクがあってもよい気がする。
この仮説を検証するには、同時期に比較するA/Bテストを行うと良いのではないだろうか。例えば「学部入試概要」のページがゴールだとすると、そこにたどりつくのにどのナビゲーションを使うのか、短いパスで到達できるのかといったことを検証したい。この場合、同じページ内のどのリンクから来たかがわかるように、リンクにダミーパラメータを付与するといった簡単な仕掛けをしておくだけでもよいだろう。
- トップページのナビゲーション
前回、トップページの横に3階層が展開されるメニューのナビゲーションの問題を指摘したのだが、これを改善するためには、実際にこのナビゲーションを使いそうないくつかのタスクを課して、ユーザーの実際の行動や反応を見てみるのが一番手っ取り早い方法だろう。
- その他主要ページの利用状況
「受験生の方へ」などの主要ページで、どのコンテンツへのリンクがクリックされているのか、クリックマップのようなツールで計測するとよいだろう。ただし、「受験生の方へ」のページの左側にあるローカルナビゲーションのいくつかは、クリックすると下に下層のページがずれて表示されてしまうので、位置情報では正しく計測できそうもない。
こういったケースでは、1のところでお話ししたように、どのページのどのリンクがクリックされたかをダミーパラメータで判断させるような工夫が必要になる。その他には、重要なページで、複数のリンクが張られている場合は、経路分析の逆引きのような見方で、直前にいたページを見つけるようなことをしてみてもよいだろう。
- 計測範囲の一貫性
学部によっては独自ドメインを取得していたり、大学院があったり、附属があったり、学校系のWebサイトは非常にドメインやサブドメインの範囲が広い。その一方で、同じサブドメイン配下のディレクトリに違うレベルのものが混在していたりと、URL構造とコンテンツのレベルやグルーピングが一貫していないことが想像される。
同じレベルのコンテンツは同じディレクトリレベルにあるのが、アクセス解析の計測上でも重要だ。すでにあるドメインやサブドメイン、ディレクトリ構造を簡単に移動することは困難だが、データの集計や比較をする際には気をつけるべきポイントになるだろう。
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この連載では、
- Webサイトのオーナーか管理者の方からの「かってに解析」してほしいリクエスト
- 「かってに解析」されたサイト運営者・管理者の方からの異論や反論
などを随時募集している。希望者は、(web-tan@impressrd.jp)までお寄せいただきたい。
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