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キーワード調査――カテゴリを使って実用性を高める(前編)

意思決定プロセスにおいて、行動につながる、より深い洞察を与えてくれるキーワード調査

この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、SEOmozの見解を反映しているとは限らない。

SEOプロセスの中でも、最も早い段階でやるべき、とりわけ重要な作業。それがキーワード調査だ。「自分のサイトにある製品やサービスを見つけるのに、どのくらい検索エンジンが使われているのか」という非常に重要な問題に答える際、このキーワード調査が役に立つ。この調査のプロセスはいずれ、Webサイトの構築方法を左右し、コンテンツ戦略を刺激し、リンクビルディングキャンペーンに弾みをつけることになるだろう。

だから、キーワード調査をやりたがらないSEO担当者がいるというのは、いささか残念だ。大量のデータを扱う作業で、Excelを使った力業が必要だし、率直に言って、当て推量っぽいと感じることある。とはいえ、適切な判断を下すためにはデータに頼らざるをえないのだし、その判断は、この先数年とまでは言わずとも数か月にわたり、君のSEOプロジェクトに影響を及ぼすかもしれない。

今回のテーマは、「おすすめツール」特集

この数年間、クライアントのキーワード調査を行う際に僕が使ってきたやり方がある。意思決定プロセスにおいて、行動につながる、より深い洞察を与えてくれるものだと僕は思う。もちろん、キーワードとその検索量を並べたリストは結構だが、特に行動につながるというものでもないよね? そこで、状況を大きく変えるのに役立つ手順を少しばかり示してみよう。

本題に入る前に断っておきたいことがある。僕はこの手順がとても重要だと考えており、こうした作業を君の代わりにやってくれるキーワードツールを開発した。当然、この点は視野に入れつつも、この記事で学んでもらう内容は、われわれのツールを使わなければ実践できないというものでは決してない。

最初に知るべきこと

この先を読み進む前に、まず僕のやり方における主要な原則を理解してもらう必要がある。次のようなものだ。

行動に繋げられるキーワード調査を行うには、キーワードの分類、グループ化、絞り込みができなければならない。キーワード調査の能率は、分類に基づいた検索行動に対する深い洞察によってかなり向上する。

これだけだ!

では早速、いま説明したことを実際に考えていこう。例として自動車を取り上げる(僕が車好きというのもあるけど、考え方自体はほとんどどんな業界にも当てはまる)。

君のWebサイトは中古車に関する内容を扱っている。そして、人気の高い自動車のブランドに地名を組み合わせたキーワードで、検索トラフィックが見込めるのか知りたいとしよう。具体的には、「used Audi in Birmingham」(バーミンガムで中古のアウディ)とか「second hand Mercedes London」(中古のメルセデス ロンドン)といったフレーズだ。

有名な自動車メーカーのブランドを含むキーワードで、検索されることの多い地名を割り出したいと思ったら――それには苦労するかもしれない。大量のキーワードデータを生成したとしても、それらを当てはまるキーワードカテゴリにグループ化するには、どうすればいいのだろう?

僕が言いたいことを基本的な例で示そう。

ブランド名と地名を組み合わせたキーワードのチャート

一見すると、キーワードを単純に並べた図のようだが、実はもっと大量のデータセットに「ブランド」と「地名」という2つの簡単なフィルタをかけて作ったものだ。ここに出ているデータを使えば、コンテンツでターゲットとするべきキーワード(およびそのバリエーション)の順番を決めるのに役立つだろうし、大規模な動的Webサイトにまったく新しいタイプのコンテンツを導入する根拠にもなるかもしれない。

次に説明するのは、最初にデータを生成しておき、後からデータを分類することによって全部をソートするやり方だ。これは、単に「地名」や「ブランド」だけで分類するのではない。では早速始めよう。

キーワードを集める

最初に、キーワードのリストを作る必要がある。まずは、キーワードの情報源を挙げることから始めよう。ヒントが得られそうなのは、たとえば、Google Analytics、Wordtrackerのキーワード提案ツールWordStreamのツール、そして個人的に僕が最高に気に入っているMerge WordsUbersuggestなどだ。リスティング広告のデータが手に入るならそれも使おう

可能性に満ちた多種多様なキーワードリストを構築する方法についてアイデアが欲しい? 先の例に従い、自動車メーカー(「ブランド」)と英国の都市(「地名」)を組み合わせたリストを作り、ついでに中古車と新車(「状態」)の需要も比較したい。そのために、Porsche(ポルシェ)、BMW、Mercedes(メルセデス)、VW(フォルクスワーゲン)といった好みのメーカーを選ぶ。

ここで都市のリストを入手して、Merge Wordsを開く。

Merge Wordsは素晴らしい
上の3か所のボックスにキーワードを入力し、[Merge!]ボタンをクリックすると、各ボックスの行ごとに順列組み合わせで複合キーワードを作ってくれる。日本語でも利用できる。
※画面キャプチャは2011年時点のもの

やった! 3330個の新しいキーフレーズができた。次は検索ボリュームだ。

検索ボリュームを調べる

そんなわけで、3000個ほどのキーワードについて検索ボリュームを調べるわけだが、その方法はいくつかある。その1つは、Googleのキーワードツールを使ってひたすらコピー・アンド・ペーストするという壮大なミッションを敢行することだ。尻込みするかもしれないが、実はこれもそう悪くない。手作業でも適切な手順でやれば、大量のキーワードのデータをこれほど早く集められるのかと驚くことだろう。

Google Chromeを使えば、ダウンロードフォルダに100キーワードごとのCSVファイルをどんどん落としていける。コピー、ペースト、ダウンロードという作業をまじめにやれば、素晴らしいデータセットという恵みが得られるだろう。

ChromeとGoogleのキーワードツールの組み合わせは最高だ

明らかにこの段階は労力を必要とする。

プログラミングができるSEO担当者なら、アドワーズのAPIを利用するスクリプトを書くことを検討した方がいいかもしれない。また、Freelancer.comoDeskは、スクリプトを書いてもらうのに便利なサイトだ。僕は、Freelancer.comでフリーランスの開発者にスクリプトを作ってもらい、それを元にMozendaでキーワードデータの収集プロセスを自動化して、立派なソリューションになることを確かめた。

こうして作業を自動化して一度に約5万通りのキーワードのデータを集められるようになると、おもしろいことも実行できるようになった。たとえば、提案ツールのAPIから10通りの関連キーワードを取り込んで、そのすべてを検索ボリュームのAPIで処理するといったことだ。大量のデータ万歳。

この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編となる次回では、Excelを使ったデータの処理方法を説明する。

用語集
API / SEO / アドワーズ / キャンペーン / ダウンロード / リスティング広告 / リンクビルディング / 検索エンジン
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