売れるネットショップ開業・運営

オリジナルブランド商品は徹底的に魅力を伝える | 売れるネットショップの法則6

「オリジナルタイプ」は購入客への手厚いフォローによるリピート率の高さで成功
売れるネットショップ開業・運営eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。
※この記事は、書籍 『売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。』 の内容の一部を、Web担の読者向けに特別にオンラインで公開しているものです(序章もご覧ください)。
この記事は第1章「空回りしないためのネットショップの基本の法則」のトピック「扱う商品に合わせて戦略を立てる」の記事です。重要度★★★緊急度★★★

「信用がなく、興味も持たれていない」状態からのスタート

アリとキリギリス

すぐに売上が伸びる有名ブランドタイプと違い、オリジナルタイプは人並みに売れるまでにかなり時間がかかる。一方、前者は価格競争が激しくなればすぐに苦しくなるが、後者は尻上がりに売上が伸びる。童話の「アリとキリギリス」によく似た構図だと言える。

食品、健康食品などの自社・無名ブランド商品を扱う店は「オリジナルタイプ」に分類される。通販業界で言う「単品通販」に近い。やずや(健康食品)やブルックス(コーヒー)、再春館製薬(化粧品)などがこれにあたる。いずれも商品数を絞り込んでおり、徹底した商品アピールと、購入客への手厚いフォローによるリピート率の高さで成功している。ただ、前述の大手通販とは違い、ネットの世界においては、ごく小規模の生産者やメーカーが多く、商品もまったく認知度がない。そのため、ユーザーに信用されていない状態から、自分で商品をアピールしていかねばならない。

例えば、このタイプの代表格である食品の場合、実はスーパーマーケットが最強のライバルである。「近所で似たような有名商品を売っているのに、なぜわざわざ通販で無名商品を買わなければいけないのか?」。この問いに答えられない限りは、売れる商品にならないので、スタートラインにも立てない。「美味しいから一度試して」と呼びかけても、おそらく興味を引かない。

これを解決するためには、有名ホテルへの納入実績、地元マスコミへの掲載実績、お客様の声のような「興味を引く実績」や、作り手のこだわり、製造工程、産地、原材料などの「情報開示」が必要だ。

オリジナルブランド商品を扱うショップの例

明治から続く「本物のところてん」を、情緒溢れるページで販売している。ところてんの伊豆河童
明治から続く「本物のところてん」を、情緒溢れるページで販売している。
ところてんの伊豆河童
発毛関連は、単品通販の定番の1つ。芸能人を使った宣伝で一躍有名になった。スカルプD 公式サイト
発毛関連は、単品通販の定番の1つ。芸能人を使った宣伝で一躍有名になった。
スカルプD 公式サイト

信用を得ながらリピートを増やす3つの基本施策

売り手の都合を押しつけない

自分にとっては愛おしい商品でも、ユーザーから見れば、無数にある商品の1つに過ぎない。商品への愛情や熱意は大切だが、同時に客観視するように心がけてほしい。

まず、商品のアピールポイントをまとめた「縦長商品ページ」を作り込む必要がある。作り手・売り手にはごく当たり前の話でも、客観的に見れば十分魅力的な要素というのはいくらでもあるので、一度じっくり商品のウリを探してみてほしい。そしてできれば「買うべき理由」も提示したい。買う理由のある商品とは、例えば「絶品ダイエットパスタ。低カロリーで繊維質が多いから毎朝スッキリ♪ その秘密は、ローマ時代から伝わる古代麦。ローマっ子も唸ったこのパスタを、ぜひ皆様の食卓で味わってみませんか? 」といった具合だ。単なる商品スペックの紹介ではなく、生活の中でどう活きるかまで踏み込んで案内したい。そうすれば、実店舗の商品よりもよほど魅力的になる。

このような情報をどう集めて、商品ページの中でどう表現するかについては、接客の章・法則61以降の、「看板商品」の項で詳しく解説している。今の段階では「まず、魅力的な商品案内がなければ何も始まらない」という点だけ、肝に銘じておこう。

商品ページができたら、次に商品ラインナップを考えよう。このタイプの店で王道のパターンは、まず小量かつ低価格の「お試し商品」を用意するケースが多い。お試し品をまず案内し、メルマガで呼びかけて本商品へと誘導する流れ。集客に投資をするのは、この流れを確立してからにしよう。具体的な方法は法則57「『入口商品』からリピート購入への流れを設計する」を参照してほしい。

また、商品だけでなく売り手自身の自己紹介も、信用を高めるために必要だ。これは法則43「店舗紹介ページで安心感とコンセプトを伝える」を参照。

このように、オリジナルブランド商品を売るにはいろいろと乗り越えるべき壁があり、人並みに売れるまでに時間がかかる。しかし、その先には「ネットで人気の独自ブランド」を全国展開できるという夢がある。量販店のように「まったく同一の商品」を販売する他店に価格競争を仕掛けられることもない。実際、そのような成功事例は枚挙にいとまがない。大変やり甲斐のある挑戦だ。

担当スタッフは、商品への愛情や熱意が重要
川村氏

オリジナルブランド商品を扱うタイプの店は比較的小規模な会社が多く、大抵社長かそれに近い決裁者が自ら運営しています。特に立ち上げ段階は、社長がやらなければうまくいきません。それは、本文で説明した通りキャッチコピーが一番大切で、気持ちが折れそうになるほどの難関だからです。

売れる言葉を書くためには、パソコンの技術や文章力ではなく、商品知識でもなく、商品とお客さんへの愛情と熱意が必要です。ページ制作作業や注文の処理は外注先や他の人に任せても構いませんが、ネットショップを社長の生まれ変わりにするつもりで、細かく指示を出してください。運営が軌道に乗って後任に引き継ぐ際にも、その気持ちも引き継ぐようにしてください。精神論ばかりで恐縮ですが、本当に大切なんです!

今では月商数千万円から1億円を売り上ける複数の店長さんも、「オープン当初はとにかく売れず、毎日ゼロ円だった。何週間か経って、初めて数千円の商品が1コ売れて、嬉しくて泣いた」と言っていました。オリジナル商品でのネットショップの立ち上げがいかに難しいジャンルかを表すエピソードです。(川村)

売れるネットショップ開業・運営

※この記事は、書籍『売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです(序章もご覧ください)。

ネットショップでモノが売れない、なぜ?
資金力ではありません。やり方が違うんです。

「商品タイプ別」のネットショップ開業・運営ノウハウとは?

例えば、剣道用品のような「ニッチ商品」と、無名の自社ブランド商品、価格競争の激しい有名メーカー品では、有効な「売り方」はまったく違います。

本書では、取扱商品を4タイプに分類し、各タイプの強みを生かした集客・ページ接客・リピート促進手法を紹介します。

【自分の店の強み】を知れば、混乱していた頭もすっきりし、優先順位が明確になり、それまで空回りだった歯車も噛み合います。

目からウロコ が落ちました。ショップの立ち位置が明確になりました。
何から手を付けていいのか分からない状態に光が射しました。

事実、多くのネットショップ店長からそんなコメントを頂いています。

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

PDCA
「PDCA」は、Plan→Do→Check→Actionのループの略。 ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]