Twitter担当者ペルソナで「中の人」が変わっても大丈夫
今日は、企業Twitterアカウントと、「そのTwitterアカウントの担当者」のペルソナという話題を。一貫したTwitterコミュニケーションをするための方法です。
御社では、企業のオフィシャルTwitterアカウントを担当している人が退職したらどうなりますか? 複数の人でTwitterアカウントをまわしている場合、一貫性のあるコミュニケーションができていますか?
Twitter初期から有名だった企業Twitterアカウントに加ト吉(現テーブルマーク株式会社)があります。加ト吉のTwitterアカウントは、「中の人」である末広氏のキャラが前に立ち、書籍まで発売したほど有名でしたが、氏が退職したいま、Twitterアカウントは 別アカウントに引き継がれています。
ソーシャルメディア全般に言えることですが、担当者のキャラクタが見えるほうが、「企業アカウント」という堅さがうすれて親しみがわくものです。しかし、キャラを押し出そうとすればするほど、その担当者への属人性が高くなってしまい、ソーシャルメディア施策としての安定性や継続性への懸念が出てしまいます。
そこで、「Twitter担当者のペルソナ」を作るという方法はいかがでしょうか?
ペルソナというのは、「仮想の人物像」です。つまりこの場合、実際にTwitterを担当している実在の人間のキャラそのものを押し出すのではなく、「弊社のTwitter担当者はこういう人」という設定をペルソナとして具体的に作り、実際のTwitter担当者さんはそのペルソナの人物を演じるようにTwitterで発言するのです。いわば、「非実在Twitter担当者」をキャラクタとして作り出すわけですね。
そうすると、Twitterアカウントの運営を特定の人に頼りきることなくできるのではないでしょうか。いまTwitterを担当している人が異動しても、次の担当者が同じペルソナに則って発言すれば、顧客からみておかしなギャップは生まれないでしょう。
また、複数の人がローテーションで1つの企業Twitterアカウントをまわしている場合でも、全員が同じペルソナに則って発言すれば一貫性を保ちやすくなります(過去にどのユーザーとどういった会話のやりとりをしたかの情報を管理して共有すると、さらに良いでしょう)。
一般にWebサイトのペルソナを作る場合、対象顧客イメージを明確にして共有するために作るので、実際のユーザーを調査して、複数のユーザーに共通して存在する潜在的なニーズをあぶり出すなど、かなり大変な作業が必要になります(そうしないと、適切な顧客像とは異なるターゲットを想定してしまうからね)。
しかし、「企業Twitterアカウント担当者」となると、そんな大変な調査は必要ありません。それこそ、漫画のキャラクタを作るような感じで作っていけるかもしれません。
この「Twitter担当者ペルソナ」というアイデアのオリジナルは、2010年の6月に開催されたopnlab主催の勉強会&交流会「マーケティング・広報戦略におけるペルソナの活用、シナリオ設計」で、セミナー講師のアートプランAの山口優氏が提案したものでした(山口氏は人間中心設計推進機構認定の人間中心設計専門家です)。
最初に聞いたときには「うーん、どうなんでしょうね」なんて言っていたのですが、企業のTwitter利用が進んできて、「なるほど」と思えるようになったので、改めて整理してコラムにしてみました(山口さんに感謝!)。
もちろん、企業アカウントといえでも、ソーシャルメディアというものは人と人のコミュニケーションが軸ですから、こうしたペルソナ以前に考慮・検討すべき点は多いとは思います。しかし、
- 特定の担当者に頼り切らない
- 複数の担当者でローテーションして回しやすい
- 慣れない担当者でもやりとりの方向性が見えやすい
といった点で、「Twitter担当者のペルソナ」というのはアリなのではないかと思います。
さらに言うと、ペルソナを設定するのならば、そのTwitterアカウントのアイコンも、ペルソナに合わせたキャラを使うのが良いでしょう。
御社のTwitterアカウントは、どんなキャラですか?
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