グーグルのリアルタイム検索からの誘導をチェック&分析する方法
2009年12月にグーグルのリアルタイム検索が始まり、正直言ってみんな大騒ぎしている。それも当然で、こうした新手法のせいで自分たちが手がけてきた検索結果ページ(SERP)がズタズタにされるなんて、滅多にない事態だからだ。
この件に関して、僕は次のような質問に対する答が知りたい。
- 何が引き金となってワンボックス検索でリアルタイム検索結果が表示されるのか?
- この機能はいつまで利用できるのか?
- 地理情報に関連付けられているのか?
- 言語に関連付けられているのか?
だが残念ながら、こうした問いへの答えを求めるには少しばかり時期尚早だと思う。そこで今回は、これらの質問に真っ向から取り組む代わりに、リアルタイム検索がいろんな業界に与える影響をどうやって分析するかについて、少しばかり論じることにしたい。
リアルタイム検索はSEO業界に影響を与えるか?
答えは多分「イエス」だ。ツイート量がほとんどない検索ワードの場合、文字通り1件か2件のツイートでリアルタイム検索結果が表示された例を、僕はすでにいくつか目にしているし、時にはブランド名をキーワードにしたときでさえも表示される。これはつまり、君の業界におけるどんな最新ニュースでも、多かれ少なかれ、ある程度のリアルタイム検索結果を生み出すということだ。
しかし、他の業界はどうだろう? やはり、僕らの多くが研究するのは、人々がよくツイートするキーフレーズをターゲットとしたサイトということになるだろう。僕らにとって大切なのは、検索語句のトレンドを調べることだ。リアルタイム検索結果を呼び出すかもしれないキーフレーズのタイプを特定することが鍵になる。これを行うために僕が見つけた最も有効な方法は、ツイート量をモニターすることで、特に量のピークと底を監視するのがいい。これにはTrendistic(トレンディスティック)を使うとうまくいく。まずTrendisticがすばらしいのは、1日ごとの人気トピックのランキングリストをアーカイブで見ることができる点だ。
アーカイブを見渡してみると、テレビ、映画、スポーツ、有名人などのトピックがいくつも並んでいることがわかる。これらの検索ワードは、常にリアルタイム検索から最も強く影響を受けることになるが、この分野で仕事をするSEO担当者はすでに、グーグルの「QDF」(Query Deserves Freshness:話題の新鮮さ優先の検索)アルゴリズムによる検索結果やニュース検索結果といったさまざまなワンボックス機能への取り組みに慣れている可能性が高い。
リアルタイム検索のトラフィックを分析するにはどうしたらいいか?
Trendisticの第2の特長は、個々のキーワードでクエリを実行して、ツイート量の変化を時系列でグラフ表示できることだ。たとえば次の画面は、「eagles」(NFLのフィラデルフィア・イーグルス)を入力した結果だ。
こうしたサービスを利用して調べた過去の検索量から、リアルタイム検索が呼び出されるタイミングを推測できる。主要な検索ワードについてこのような作業を行うことが、SERPのリアルタイム検索結果が引き起こした奇妙なトラフィック変化を理解する第一歩となるんだ。
では、Twitterに積極的に取り組んでいる人なら何ができるだろう? リアルタイム検索結果で表示されるツイートから検索トラフィックの一部をすでに獲得しているような気がするなら、これらのクリックを分析することを検討すべきだ。
ただし、リアルタイム検索の量とワンボックス検索からのトラフィックを分析するのは難問で、完璧な方法は編み出されていない。とは言え、使えそうな手はいくつかある。まず、多くのパラメータがついた新形式のグーグル検索リファラURLが見られれば、そのクリックが検索ページのどの部分から来たものなのかを実際に分析できる。たとえば、「nexus one」のリアルタイム検索結果を見てみよう。
僕は2つの異なる検索結果をクリックしてみた。最初のは、リアルタイムボックスに表示された「本物の」検索結果で、グーグルがFacebookやTwitterなどで探し出した結果ではなく、最近クロールされてグーグルの検索結果に現れたページだ。リファラは次の通りだった。
リファラURLの「&oi=blog_result」(わかりやすいように太字で強調した)という部分に注目してもらいたい。この部分を見れば、クロールされたブログ投稿に由来するリアルタイムトラフィックであることがわかる。次に、Twitter経由のURLをクリックすると、次のようなリファラを得た。
注目すべきは、「url=http://bit.ly/7315xj」と「&oi=microblog_result」という2つの部分だ(ここでも太字で強調)。これらの部分を見れば、クリックがどこに由来するか(つまり、TwitterやFacebookのようなリアルタイムなマイクロブログからの検索結果であること)に加え、Twitterに書き込まれたURL(この場合はbit.lyを使ったリンク)もわかる。
こういったリファラURLはサーバーログで確認できるが、残念なことに、Google Analyticsでは表示されない(グーグルがこれらをすべて同じ検索クエリとして扱い、ユーザーには検索されたキーワードだけを見せるからだ)。これをGoogle Analyticsで表示させるには、この記事のステップ2で詳しく説明しているフィルタなど、完全なリファラURLを表示するためのプロファイルを設定する必要がある。
ただし、グーグルの新形式リファラURLは、すべてのユーザーに提供されているわけではなく、大半のユーザーには今もなお従来の「search?q=」形式の検索リファラURLが表示されている。適切にフィルタを設定したサイトのトラフィックを調べた結果から、新形式の検索リファラURLを見ているのはユーザーの5%~10%程度だと僕は推測する。これはつまり、自分のトラフィックのごく一部についてこの種のデータを取得できれば、残りの90%のユーザーについては推定が可能だということだ(ところで誰か、この2種類の検索リファラを見ているユーザーの比率について、より正確な統計データを持っていないかな? どこを探しても具体的な数字が見つからない……)。
もちろん上記の例を見ると、マイクロブログサービスからは、実際にかなりの量のトラフィックがbit.lyのようなURL短縮サービスを通じて流入していることがわかる。この場合、自分のトラフィックを分析する別の方法がある。たとえば、このbit.lyのURLに対するリファラの一覧を見てみよう。
この一覧により、いくつかある自分のbit.lyリンクのうち、どれがグーグルの検索結果ページに表示されたかを把握できる。この例では、1件が新形式のグーグル検索結果ページに由来し、2件が従来の検索結果ページに由来することが確認できる。
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