ユニバーサル検索のトラフィック判別方法や検索結果での動画のクリック率を知っているかい?
ずいぶん久しぶりのことだけど、ロンドンで何時間かセッションに参加することができた。知識を再吸収して、さらに新しい知識もいくらか仕入れた。短い記事になるけど、僕にとっては新しくて興味深い情報だから、みんなにも楽しんでもらえるかもしれない(そうだといいな)。
●リサ・ディトレフセン氏は、新しいコンサルティング会社Verve Searchを立ち上げた。ディトレフセン氏はこれまで、いくつかのすばらしいキャンペーンを手がけてきた。たとえば、Conde Nast Publications傘下の旅行ガイドJohansensや、ばかばかしい悲喜劇を繰り広げる動画※、SEO Chicksをはじめ、ほかにも(以前Base One Groupの検索部門責任者だったころに)たくさんの実績を残している。新会社設立おめでとう、幸運を祈る!
そのディトレフセン氏が、ユニバーサル検索に関するセッションでいくつか興味深い話をしていたから紹介しよう。
ディトレフセン氏が言うには、Google Analyticsを使っている人の多くが、ユニバーサル検索の結果を個別に追跡する方法を知らない。これは、リファラーのURLを基にフィルタを作ればいいんだ(ユニバーサル検索の結果には、たとえばこのローカル検索のやつとか、この画像検索のやつ、という具合に、URLの文字列に固有のパラメータが含まれている)。フィルタを適用するための文字列は「oi=」だ。これで、いくつもの項目を参照できる。詳しいことはSearchCowboysの記事を参照してほしい(ちなみに、このやり方はどんな解析ツールにも適用できる)。
※Web担編注リンク先では、Google AnalyticsでリファラーのURLのパラメータでどのユニバーサル検索結果から来たのかを判断する方法に関して、次のような解説がされている。
全体の概要- sa=x――拡張リスティングを示す(通常のトラッキングURLではsa=tとなる。「t」はtraditionalを、「x」はextendexを示すものと思われる)。
- oi=――このパラメータがユニバーサル検索の特定の機能を表す。
- cd=――「oi=」で判別されるユニバーサル検索の機能のなかでの順位を表す。
oi=パラメータによるユニバーサル検索の判別- ブログ検索――blogsearch_group, blog_result
- イメージ検索――Image_result, image_result_group
- 綴り修正――spell
- サイトリンク――smap
- 用語の定義――glossary_definition
- キーワード提案――revisions_inline, revisions_narrow
こういった情報を元に、アドバンストセグメントを設定する方法などが、リンク先では解説されている。
ディトレフセン氏は少しだけどこんなことも言っていた。垂直検索の結果(動画、画像、ニュースなど)は、評判管理の優れたツールになるんだって。これって当たり前のことだけど、僕は今まで考えたこともなかったな!
このセッションの間、ウィルと僕は、Googleの画像検索結果の表示をうまく利用できるようなネットワークが実際に作れないものかって話を(Twitterで)していた。
●ベルリンにあるSearchmetricsのCEO、ホルスト・イェーペン氏は、興味深い統計数値を披露してくれた。2008年12月のキーワード検索330万件分(すごい数だ!)から集めたランク追跡データを基にしたものだ(Searchmetricsのツールを使えば、グーグルの検索結果からデータを抽出し、一度に100件分のURLを表示できる)。
検索結果の29.9%には、動画が少なくとも1件含まれていた
上位10件の検索結果に動画が入っていた場合、動画がクリックされる割合は推定10〜30%。
動画共有サイトの(グーグルのSERPにおける)シェアは、YouTubeが69%、Metacafeが11%、Google Videoが7%だった。
●ダブリンで活動しているGoogle Search Qualityチームのルイセラ・マッツァ氏もユニバーサル検索について話をしたんだけど、そこではマーケティングにすばらしく役立つ情報がいくつか得られた(グーグルは今後も彼女をセッションに派遣してほしい)
グーグルの動画サイトマップでは、動画のサムネール画像を自作できるようになっている。この機能を利用してもっと人目を引くサムネールを作れば、動画のSEOを手がけている人たちにとって、SERPにおけるクリック率向上にもつながる。
Google Webmaster Toolsには、画像検索最適化のためにイメージラベラーがあって、自分で検索最適化を行う時間や環境がない人に、その手段を提供している。
Google Mapsのローカルビジネスセンターで高度な機能を賢く使えば、自分の会社の詳細情報を記載したリスティングにクーポンをつけて発行し、トラフィックと売上を伸ばすなんてこともできる(自分の会社の画像にクーポンをつけて登録しておくこともできる。すごくクールだよね)。
●効果測定に関するディスカッションでは、パネリストの何人かが鋭い指摘をしていたので、ここで取り上げておきたい。
Market Motiveのジョン・マーシャル氏によると、検索順位(あるいは他社との競争に関する何らかのデータ)を追跡する大きな理由の1つは、自分たちがシェアの観点から見てどの程度の成果を収めているのか、もっとよく把握できるからだと言っていた。たとえば、検索トラフィックは増えたけれど、シェアは下がったという場合、それはその分野(またはキーワード)に対する全体的なトラフィックが増加したからであって、実際の成績は競合他社に劣っているということになる。
それからマーシャル氏は、ただ「グラフがきれい」という理由だけで、Google Analyticsを信頼している人が多いと言っていた。何かを製品化しようとしている検索エンジンマーケターはこのことを肝に銘じておこう。
別のパネリストは、eBenchmarkersという匿名のピアレーティング(同業者間評価)サービスを紹介してくれた。これを利用すれば、社内で行った分析を再検討し、自分の会社がその分野でどの程度の成績を収めているのか知ることができる。これは特に金融分野で役に立ちそうだ。
Onalyticaも、料金は高いが価値あるサービスとして推薦されていた。このサービスは、ソーシャルメディアの世界でどんなものが「buzz(注目や話題の的)」になっていて、どんなブランド名が話題に上っているかを計測してくれるというものだ。
残念ながら、今日の収穫はこれだけ。でも、今のところロンドンでは楽しく過ごしている。なんと言っても僕らのパートナーDistilledのみんなと交流できるのがいい。もう長い間ごぶさたしていたからね。9時間もセッションに参加していたので、これからランニングに出かけて、まだ残っている時差ボケを吹き飛ばすつもりだ。明日はもっとたくさんのことを報告できるといいな。
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