ネット通販は疲れる?
ネット通販は疲れる?
ただネット通販の場合は、1つの企業と継続的にコミュニケーションをしていくので、常に新商品をどんどん出していかないと飽きられやすい気がします。
企業は、一人ひとりの顧客を意識しなければならないので、ネット通販は疲れると思う。お客さん側はどう? 疲れるときもある?
化粧水ならコレ、クリームならコレ、と次の候補が常に控えている状態なので、確かに、これ以上候補を増やしたくない気持ちもありますね。でも、より良い商品を使ってみたいという気持ちもあるし。
それは、常にレベルアップしていきたいという人間の本能なんだよな。それは知識欲と同じで、製品に対する欲求は止められない。
だから、疲れることもあります。キャンペーンが何日までで、カードの締め日が何日だから……と計算しながら買っているので。でも、お得に買えたという満足感もあるんですよね。
時代に応じて、商品の選び方も変わっていくということだね。情報過多の時代というのは疲れる。
所長は、携帯のないところがいいんじゃないですか(笑)。
ほんとだよ(笑)。携帯は常に追っかけられるからね。時々休みの日にも、通販会社の現場の人からSOSが入ることがあるよ。
縦割り思考はもう要らない!
ネットやブログの影響力が強まるにつれ、マス4媒体の存在感が薄れているね。従来は、新聞・雑誌・テレビ・ラジオそれぞれに広告手法があり、それをユーザーが使い分けていた。
先日、電通の人と話したんだけど、今までの広告電通賞は、テレビの賞、新聞の賞、雑誌の賞と、メディア別に分かれていた。ところが困ったことに、ここにネットが出てきた。少し前まではネットだけ表彰しても良かったんだけど、去年、ダイレクト広告賞(ダイレクトマーケティングの一環として製作された広告などを対象とする賞)を作ったときに矛盾が出てきたんだ。
というのも、ネットをやるのはどこも当たり前で、テレビとネット、新聞とネット、などと他のメディアと横断的に組み合わさっている。テレビCMで「詳しくはネットへ」とやっていたり、新聞広告にURLが書いてあったりすることはよくある。通販のCMじゃなくても、「詳しい資料請求はこちら」と電話番号が出ていることもある。この前ラジオを聞いていたら、「詳しくは○○.co.jpへ」とラジオでもURLを読み上げていたよ。これまではある1つのメディアでのCMや広告だったものが、ネットが出てきたことによって、複数のメディアが横断的に連動する形になり、単一の広告で済まなくなった。この大きな変化に困っている。
広告電通賞のコンセプト自体を見直す時期だということですか?
その通り。縦割りの考え方を改める必要があるね。ところで、われわれの業界にとって、実はもっと問題があるのはどこだかわかる?
どこですか?
お役所だよ。いま、通販でも広告表示を厳しく言われているよね。僕に言わせればおかしなことだ。なぜかというと、テレビショッピングの規制をしよう、カタログ表示の規制をしよう、と言っても、お客さんはネットを通して、当たり前に横断的に活用している。テレビCMは立候補をする場で、詳しいことはネットに書いてあるということは、ユーザーも普通にわかっている。メーカーのサイトだけではなく、君のようにブログを使いこなして情報を検索している。
それなのに、今まで通りテレビだけの広告表示の基準を作ろうとしている。おかしいと思わない? お役所は、近代以前の縦割りメディアの考え方で規制しようとしているんだよ。もちろん消費者保護は大事だけど、消費者も進化していることを考慮してほしいなあ。
広告電通賞も単一メディアの賞ではなく、トータルで連動する広告評価にする構造改革をやる必要があるね。だけど62年の歴史がある賞だから、いろいろ利害関係があるから大変だね。そこはお役所と一緒で、組織を実態に合わせられるかがポイントだ。
こういう変革のときって、新しい手法の広告が出てきますか? 不便なものって廃れますよね。
出てきてほしいね。我々もメディアを使っている業界だから、期待しているよ。
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