身近なトピックで知るダイレクトマーケティング - DM学会コラム

ネット通販って、利用者も企業も幸せにするの?

第1回のテーマは「ネット通販」。ネットで「モノを買う」行為がどう変わったのかを理解してみましょう。
タイトル画像:身近なトピックで知るダイレクトマーケティング

ダイレクトマーケティングは、マーケティングの手段の1つであって、特別なことではありません。企業と利用者は、メディアを介して直接関係性を持ち、速いスピードでのコミュニケーションが可能です。インターネットの登場により、ダイレクトマーケティングはメインストリームになっています。

このコーナーでは、日々進化するダイレクトマーケティングを、身近なトピックを題材に、「所長K」と「スタッフS」の掛け合い形式でわかりやすく紹介します。

スタッフs

スタッフS
都内一人暮らし、アラサー世代。ダイレクトマーケティングの知識はないが、ネット通販はかなり活用している。素人ならではの新鮮な発想と鋭いツッコミがウリ。

所長k

所長K
DM学会の本部理事を務めるかたわら、セミナー講師、執筆も行う業界プチ有名人。豊富な知識、巧みな話術、懐の深さで、通販その他企業からの人望も厚い。

支出の3/4がネット通販

今日は1回目ということで、私の1か月の支出をベースに、ダイレクトマーケティング的な視点から考えてみたいと思うんですが。

支出をまとめてみて、改めて驚いたのが、ネットで買っているものがかなり多いなと。カード支出の実に3/4がネットで買ったものです。

ある月のスタッフSの支出
ファッション関係
アクセサリー(ネット) ¥3,003
靴(ネット) ¥10,925
バッグ(ネット) ¥13,800……A
腕時計(店舗) ¥23,100
ユニクロ(店舗) ¥4,980
ユニクロ(店舗) ¥4,770
計¥60,578
うちネット¥27,728
スキンケア関係……B
すべてネット 計¥10,529

(その他省略)

※スタッフSは団体職員、都内一人暮らし、アラサー世代

時間をかけて店舗に行っても、その店に気に入ったものがなければ何も買わずに帰ってくることがあるだろう。これまでの通販だと、よく見ているカタログ、DM、折り込みチラシなど、接点があるメディアのなかでしか選択肢がなかった。ネットの場合は、お手軽にさまざまな商品を検索することができ、自分の前に多くの選択肢が出てくるというのがこれまでとの大きな違いだね。そのため、今まで買わないようなものまでネット通販によって買ってしまうという行動が起きている。

確かにそういうことがあります。このバッグ(支出一覧のなかのA)は、エディターズバッグで有名なバレンシアガのもどき商品なんですが、もどきといっても、バレンシアガと同じ工場で作られていて、造りもほとんど同じというもの。米国では、1つのブランドとして確立しているそうです。

このことをブログで知り、購入しました。

ネットがなければこの商品の存在も知らなかったし、購入もしなかったと思います。

店舗やこれまでのカタログ通販ではなかった購買行動だね。

ネットによってダイレクトマーケティングが大きく変わって、買わなくてもいいものまで買ってしまうという行動になったんじゃないか。

ただ最初は、無駄遣いをチェックしようと思って1か月の支出を見直したんですが、やはり私には全部必要なものだったと思いました。

人間は、自分の行動を正当化しようという心理があるからなあ。

え~っ。でも、本当に全部必要なんですよ(笑)。腕時計はイベントのときに必要だったし、靴もなかったし。あ、このユニクロのVネックニットは最高ですよ。なんといっても洗濯機で洗えるんです。2回も買いに行きました。

(笑)必要ないものを買ったというのは表現が合わないかもしれないけど、ネットによって多くの選択肢から選べた満足感があって、そういう意味での正当化だとも言えるね。

では、買い物としては成功している?

成功してるよ。それも進化している。地理的・時間的制約がなくて、接点も多いから、ある意味、店舗での購入より満足度は高いかもしれない。この点が、ネットが一番消費満足に貢献している点だと思うよ。

満足度が高いという点からもネット通販は伸びていくということですね。

そうだね。また、ネットでは、ユーザーの声を含めた情報がまず入ってくる。それにより、自分の消費も刺激を受ける、というプロセスだね。

「身構えて」いるネット通販利用者

確かに、楽天で衣料品を買うときは、クチコミがないものは買わないようにしています。経験上、結構クチコミは信頼性があると思います。

1つ気づいたんですが、スキンケア商品(支出一覧のなかのB)は、全部キャンペーンで買っていました。「△月末日まで割引」というキャンペーンがあると、月末にあせって買うことがときどきありますが、キャンペーンの効果はどう思いますか?

人気は結構高いと思うよ。一般的に店舗でも、歳末セールなどがあれば行くだろう。こういうセールは消費の後押しをする「フック」の役割を果たしている。

店舗のセールは、夏のバーゲン、正月のセール、店じまいセールなど、ある程度時期も決まっていて、頻度も多くはないですよね。Webだと頻度も多いし、時期も予測できません。私は、通販限定の化粧品を愛用していますが、定価で買ったことはほとんどありません。メルマガなどでキャンペーンの時期を常にチェックして、使用中の化粧品がまだ残っていても、キャンペーンの時期に買って、ストックするようにしています。そういう意味では、ネット通販利用者は、臨戦態勢というか、いつも「身構えて」いるような気がします。

「身構えて」か。おもしろい表現だね。確かにネット利用者は、これまでの消費者と違って、能動的に動いている。

企業にとっても、多少値段を下げても、広告費をかけずにメルマガだけで普段の1.5倍の売上があれば、十分元は取れる。実際、メルマガ購読者は過去の購入者であることが多いから、プロモーションとしても効率がいいんだ。

購入したい商品のキャンペーンは「身構えている」いっぽう、特に今購入を考えていなかったけれども、もともと愛用していて、いつかは買おうと思っていた商品のキャンペーン告知が来ると、期限中に買わなければ、と急かされている気がします。

つまり、化粧品の残りがあっても買う、というような「あえて今買わなくても困らないもの」をキャンペーン中に購入することが多いんです。それが、さっきの「ネットでは必要のないものを買ってしまう」という表現につながるのかもしれません。

とにかく、消費がどんどん「前倒し」になっているような気がするんですが。そのへんはどう思いますか?

そもそもキャンペーンは、割引期間中に「買っとこうかな」と思わせるためにするものだから、置いていても陳腐化しない化粧品などの商品は、キャンペーンに向いている。「前倒し」にはゴールがないから、企業にとっては好都合で、消費者にとってもお得に買えるという満足感がある。

ネット通販は、企業にとっても、消費者にとってもハッピーということですね!

そうとも言い切れないなあ。企業にとっては課題があるのも事実。その話題はまた次回……。

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