プレスリリース・ニュースリリースの書き方&活用基礎講座

ニュースリリースになる情報とは? 載せていいものダメなもの/リリースの書き方基礎講座#2

この連載では、主に企業の広報担当者に向けて、初めて書く人でもわかるリリースの書き方から、ネット時代に即したリリースの書き方など、明日から役立つ基礎情報をお届けします。今回は、いったい「どんな情報がニュースリリースになるのか」といった疑問にお答えします。ニュースリリースになる情報の探し方と、その見せ方についてみていくことにしましょう。

ニュースリリースは企業活動を伝えるための公式文書です。インターネットが普及した今では、情報提供する相手はマスコミ(マスメディア)だけではなく消費者、利害関係者すべてになります。と、ここまでが前回説明した内容です。

さて、そこで次に問題になるのが、どんな情報がニュースリリースになるかということです。ニュースリリースで伝えるべきことは企業活動だとはいっても、企業は毎日事業を行っているわけで、日々の活動の中で何がニュースリリースの素材(ネタ)になるのかを判断する必要があります。

ニュースリリースのネタはたくさんある

考え方は簡単です。素材は、ニュースリリースの名の通り、“ニュース”であればいいのです。ニュースとは新しい出来事のことですから、新製品・新サービスの発表や開催予定のイベントの告知など、その企業にとってこれまでにない新しい事柄が、ニュースリリースになる情報だといえます。企業活動の中から具体的にニュースリリースとしてふさわしい項目をカテゴリ別に並べると、以下のようになります。

1.商品・サービス

  • 新商品や新サービスの開発、発売
  • 商品改良、サービス改定、価格・料金変更
  • デザイン、ロゴ、パッケージ変更

2.事業

  • 新たな事業計画
  • 新規事業への進出
  • 他社との業務提携

3.販売促進

  • イベント、展示会、フェアの開催や出展
  • 新しい販売促進方法の導入
  • 新たな販売方法で成功した事例
  • メディアとのタイアップ企画

4.地域・社会

  • 新しい社会貢献活動
  • 新たなボランティア活動
  • 文化活動の新規支援

5.人事・組織

  • 社長や取締役など経営幹部の就任、退任
  • 経営方針や戦略の変更
  • 組織改革
  • 会社施設の新設や移転

6.財務関連

  • 決算、株主関連の報告
  • 給与体系、ボーナスの変更、昇給
  • 新たなコスト削減策

株式上場・公開しているような比較的大きな企業を想定して考えると、このリストのようになります。業種にもよりますが、非上場・非公開の、ベンチャー企業や中小企業の場合はこれらの中から「財務関連」や「人事・組織」の一部を除いて考えてもいいでしょう。リストにして列挙してみると、ニュースリリースの素材は意外に多いことに気づくはずです。さらに、「新規」「改良・変更」「進出・導入」といったキーワードで企業活動を考えると、ニュースの素材は簡単に探し出すことができます。

または、自社サイトの「新着情報」「What's New」などのコーナーに掲載するべき情報だと考えるとわかりやすいかもしれません。「公式文書であるニュースリリース」というと堅苦しく思われがちですが、自社サイトで一般消費者に知らせる新しい情報だと考えれば、肩の力が抜けるのではないでしょうか。

本来は、企業がニュースリリースとして発信していた情報を自社サイトにも掲載するケースが一般的な形式でした。しかし今では、ニュースリリースを出したことがない企業でも自社サイトを開設し、「自社のニュース=新しい情報」を掲載しています。本末転倒だともいえますが、どんな情報がニュースリリースになるかわからないのなら、まずは、サイトに掲載する新着情報を基本に考えてみてください。新着情報をこまめに更新してもニュースリリースは出していないという企業も少なくないはずです。

意味のないリリース配信はマスコミには逆効果

サイトの新着情報に書くネタなんてとてもマスコミに見せられるような内容ではない……と尻込みする必要はありません。前回の記事でも述べたように、企業のリリースはマスコミだけに見せるのではなく、一般消費者に幅広く情報を提供するものです。リリースはマスコミ向けの文書だという考え方をまず改めるべきです。だからこそプレスリリースではなく、ニュースリリースと呼んでいるのです。

ただし、当然ですがどんな情報でもマスコミに送っていいというわけでもありません。マスコミには毎日ぼう大な数のリリースが届きます。そのため、明らかにマスコミが取り上げそうにない内容のリリースを送り付けても逆効果です。マスコミ側に嫌悪感を持たれる可能性が高くなり、自社の信頼低下を招く要因にもなりかねません。

そのような事態を避けるためにも、リリースの中で、マスコミにも提供するリリースと、一般消費者だけに公開するリリースを分けて考えることも重要です。その場合は、一般消費者に公開するリリースを「お知らせ」としてニュースリリースとは区別するのも1つの手です。ニュースリリースはマスコミにも送る文書、お知らせはマスコミには流さず一般消費者に向けて見せるもの、と区別するのです。自社サイトの情報提供コーナーを「ニュースリリース」と「お知らせ」とに分けている企業もあります。マスコミ関係者はニュースリリースのコーナーだけ見ればいいし、一般消費者はお知らせのコーナーも読む、ということなります。そのほうが、サイト閲覧者に対して自分がどの部分から読み始めればいいのかが明確になり、親切だといえるでしょう。

ニュースリリースとお知らせの境界線

マスコミ向けのニュースリリースと一般消費者向けのお知らせを区別するとなると、今度はどういう観点で判断すればいいのかという疑問がわきます。ここでの基本的な考え方はマスコミの記事になりそうか、そうではないか、という判断に基づきます。世界的な大企業なら、ささいなことでもニュースになりますが(もちろん大企業であっても送る情報は選別するべきです)、ベンチャー企業や中小企業ではそうはいきません。企業規模や上場・非上場の違い、対象とする顧客は一般消費者か企業かなどの条件で、記事になりそうかどうかは大きく異なります。一言で言うと、ニュース性が高く社会性がある内容はニュースリリース、それ以外はお知らせと区分するのが適切でしょう。簡単な例を挙げると、これまでにない技術を使った新製品の発表はニュースリリースですが、年末年始の休業日の連絡は明らかにお知らせです。

もっと具体的なケースで考えてみましょう。マスコミ向けにも出されている一部のニュースリリースの中には、「販売中」や「開催中」「営業しています」などという内容が見受けられます。「好評」「人気」などの形容詞が加わる場合もあります。あまり売れていないから何とかしようと、ニュースリリースの形で情報発信している場合も含め、これらはニュースではありません。「発売」ならニュースですが「販売中」は厳密にはニュースではないということです。なぜなら、ニュースは新しい出来事のことだからです。製品発売後にその製品の販売促進のために何か新たなキャンペーンを行うというのなら、キャンペーンの実施がニュースになります。何もニュースがないまま、ただ単に「販売中」としてニュースリリースを出すべきではありません。ただ、お知らせとして自社サイトに掲載したり、顧客にメールなどで情報提供したりする程度なら問題ないでしょう。繰り返しになりますが、マスコミにも公開するニュースリリースにはニュース性と社会性が必要なのです。

ニュースリリースとカタログページは分けて考える

企業サイトの新着情報やメールで送付されるニュースリリースを見ていると、たとえば「新製品の○○を発売しました」と一言簡単に書かれていて「詳細はこちら」のリンクボタンをクリックすると、その製品を紹介するためのカタログページや製品販売ページにリンクするケースがよく見受けられます。しかし、新着情報には企業活動を幅広く伝える公式文書としてその製品のニュースリリースの要約を掲載し、リンク先をニュースリリースの文章にする方がいいでしょう(図1)。そのうえで「製品情報はこちら」としてカタログページにリンクさせるパターンが理想的です。

ニュースリリースの書き方第2回図01
図1 新着情報からのページ遷移
新着情報の見出しから直接カタログページにリンクさせるのではなく、その間にきちんとしたニュースリリースの文面を挟むのが理想

ニュースリリースの素材は新しい内容ならばいいといっても、カタログやチラシとは別物です。また、要約された文章でも適切な情報が伝わるように努力しなければなりません。そして、チラシとは別に、それなりの作法やフォーマットに基づいて客観的な文章で作る必要があります。いかにもカタログページにリンクさせて購入などへつなげることを目的とした、宣伝臭のする文言も避けなければなりません。

ニュースリリースの具体的な書き方や作法に関しては次回以降、解説していきます。

第二章のポイント
  • ニュースリリースのネタになるニュースは、その企業にとっての新たな事柄
  • マスコミ向けの“ニュースリリース”と一般消費者の向けの“お知らせ”は分けて考える
  • ニュースリリースに必要なのはニュース性・社会性の高さ、カタログのような宣伝文句はNG
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