プレスリリース・ニュースリリースの書き方&活用基礎講座

サイトでの効果的なリリース掲載法/リリースの書き方基礎講座#13

リリースメールを送信してもWebサイトにリリースを公開していないのは大きな機会損失といえるでしょう。
リリースの書き方基礎講座

この連載では、主に企業の広報担当者に向けて、初めてでもわかるリリースの書き方から、ネット時代に即したリリースの書き方など、明日から役立つ基礎情報をお届けします。

前回は、ニュースリリースのインターネット利用として、メールによるマスコミへの効果的なアプローチを紹介しました。次はWebサイトを使った方法の解説です。サイトで公開するためのリリースのカスタマイズについては前々回に詳しく説明しました。そこで、今回はカスタマイズが終わったリリースをWebサイトでどう活用するかという点を中心に取り上げます。

サイトには最新情報と過去のアーカイブを

Webサイトでリリースを公開する場合、リリースのタイトルを発行日順に一覧で見られるコーナーを作り、各リリースのタイトルからそれぞれのリリース本文のページにリンクさせるのが基本です(図1)。サイトの規模にもよりますが、トップページから直接リリースコーナーのページへのリンクを設けるとわかりやすいでしょう。リリースコーナーが「企業情報」に含まれていたり、IRのコーナーと一緒になっていたりするケースもありますが、まず何よりも重要なのはリリースを掲載するコーナーを設けることです。

インプレスホールディングスのコーポレートサイト
図1: インプレスホールディングスのコーポレートサイト
トップページには最新情報として各リリースへのリンク、左側のメニュー内には過去のニュースリリースのアーカイブコーナーへのリンクを設置している

大手企業をはじめ多くの企業サイトには、当然のようにリリースのコーナーがあります。今さら何を当たり前のことを言っているのかと感じる人も多いとは思いますが、現実にはリリースのコーナーがない企業サイトも少なくないのです。また、トップページの新着情報からリリース本文にリンクさせている場合に見られるのですが、新着情報が増えて新着リストから消えてしまったために、過去のリリース本文のページにたどり着けなくなっているサイトもあります。

リリースコーナーのページは、新たに発行したリリースを読んでもらうと同時に、過去のリリースのアーカイブとして活用できるようにすることが目的です(図2)。時系列でリリースを並べ、これまでの活動について消費者や顧客、取引先、マスコミに情報提供することで、より深く自社の製品・サービスを知ってもらうためのページなのです。たとえば、ソフトウェアを開発している会社の場合、あるソフトウェアがバージョンアップする度にリリースを出していれば、リリースの一覧を見て前のバージョンについて知ることができ、前のバージョンの発売からどのくらいで新バージョンが発表されたのかもわかります。

インプレスホールディングスのリリースインデックス
図2: インプレスホールディングスのリリースインデックス
過去10年間のアーカイブが参照可能
リリースコーナーのサイト構造の例
図3: リリースコーナーのページ構造の例
過去のリリースに関しても個別ページを用意しておく

サイトのトップページに「プレスリリース」へのリンクボタンがあったとしても、それをクリックして飛んだ先が、マスコミの記事掲載歴のページに設定されている企業も見受けられます。自社に関係する記事がメディアで取り上げられたことは名誉なことですし、サイトで公開してもいい情報の1つです。しかし、それは「プレスリリース」ではなく、あくまで「マスコミの記事掲載歴」です。その企業が発行したリリースを見たいと思う閲覧者にとっては迷惑な話です。自社が出したリリースはリリース一覧のページを作って紹介し、マスコミに取り上げられた事実は「マスコミの記事掲載歴」として別のコーナーを作って紹介しなければなりません。

リリースコーナーの必然性と効果

インターネットが今のように一般化する前、新聞社の経済部記者をはじめ企業取材を担当するマスコミ関係者は、自らが担当する会社が出した紙のリリースを企業別にファイリングして保存していました。十数年前、新聞社で企業取材を担当する記者だった私もそうでした。その会社について何か記事を書くときには、参考資料として必ず以前のリリースが必要になるからです。ソフトウェアのバージョンアップに関しても、最新バージョンのリリースに「何年何月以来のバージョンアップ」と明記されていなければ、前のバージョンのリリースを探して発売年月を調べなければならないのです。「何年何月以来」の一言を書くだけのために、古いリリースを保存する必要がある訳です。

もちろん、企業の広報部に電話して前のバージョンの発売時期を問い合わせたり、以前のリリースが見つからない場合にFAXで送ってもらったりすることも可能です。都度そうやって対応している記者もいましたが、こちらが急いでいるのに広報担当者が席を外していたり、営業時間外で広報担当者が捕まらなかったり、毎日が時間との戦いの記者は常に不測の事態を想定しておく必要があります。その頃のことを思うと、大手企業のほとんどが自社サイトにリリースのコーナーを設け、過去のリリースを一覧できるようにしている今は、記者にとって本当に便利になったものだと痛感します。

この「記者が便利に感じる」というのは重要なポイントです。これは、連載の前回のタイトル「マスコミ関係者の好感を得るリリースメールとは?」にも通じるのですが、記者が好意的に感じてくれれば記事になる可能性が多少なりとも高まるからです。記者の利便性を図る意味でも、リリースをリストでまとめたコーナーは必須です。もちろんこれはマスコミだけに限ったことではありません。出資を考えている投資家、取引を検討している企業、製品・サービスの購入で迷っている消費者など、その会社に関係する層すべての利便性が図られるのです。広報担当者にとっても、古いリリースを送ってほしいだとか、過去のリリースを見ればわかるような問い合わせが減り、業務を効率化できます。

また、サイトでリリースを公開する意義を違う見方で考えると、公開からしばらく時が経った後でも検索エンジン経由で参照される点があげられます。数年前の発売以来、知名度はさほどないものの地道に販売を続けている製品。その製品の存在は知らないけれどそうした製品を探しているネットユーザーがサイトで検索して、リリースのページにたどり着き、購入に至るパターンもあります。記事を書こうとして検索する記者にも同じことが言えます。ネット検索で過去のリリースが発見されることで製品が売れたり、マスコミに取り上げられたりする確率は決して高くないかもしれませんが、サイトで公開していなければその可能性はゼロです。

リリースを一覧でまとめたコーナーが必要だと言う以前に、そもそもWebサイトでリリースを公開していない企業も存在します。特別な思惑があってそうしているのなら仕方ありませんが、企業が直接メッセージを発信できるWebサイト上で、企業活動を広く伝える公式文書であるリリースを掲載しなくてはそのサイトの意味がありません。もともとリリースを作っていない、出していないというのならわかりますが、リリースメールやFAXを送信し、ニュースリリース配信サービスを利用してリリースを発信しておきながら、自社サイトにはリリースを掲載していないという信じられないパターンもあります。

リリース掲載とメール配信を同期

新しいリリースを多くの人に知ってもらうには、自社サイトのトップページに掲載する「新着情報」にリリースのタイトルを記し、そこからリリース本文のページにリンクさせると効果的です。そこで大切なポイントを1つ。マスコミへのメール送信やニュースリリース配信サービスでの配信と同じタイミングで自社サイトにも掲載することです。サイトに先に掲載して、翌日にマスコミに送信というようなことは論外です。逆もダメです。なぜなら、メディアにとってリリースの発行日はその製品・サービスの発表日を意味するからです。

1週間前に発売された製品のリリースが届いたとしたらどうでしょうか。リリースの発行日と発表日に日にちのずれがあると、マスコミだけでなく消費者や取引先にもルーズな企業、体制が整っていない会社としてマイナスイメージを持たれることになります。また、メールや配信サービスの情報を見て、詳細を確認しようとした記者がリリース発行元のサイトを訪れた時に情報がないと、その時点で記事に取り上げられる可能性が低下することになります。一般消費者にとってはマスコミが掲載したニュースではなく、企業サイトに掲載されたリリースが一次情報になるということを忘れてはいけません。

最近増えつつあるのは、最新のリリースをRSSなどのフィードで配信する企業です。記事になりそうなネタを能動的に探しまわっている記者や興味のある企業のリリース情報をいち早く入手したいと考えるネットユーザーにとって、フィードは魅力的なツールです。一度だけ、フィードリーダー(フィードを閲覧するツール)にその企業のリリース情報のURLを登録すれば、その後はわざわざ企業サイトを見に行かなくても最新のリリースを読むことができるようになります。フィードはぜひ活用したい仕組みです。

第十三章のポイント
  • Webサイトにニュースリリースのコーナーを設け、過去のリリースはアーカイブとして管理する
  • リリースをアーカイブに蓄積させることで、突発的なニーズにも対応できる受け皿となる
  • リリースの発行日は発表日になる。メール配信とWebサイトでの掲載はタイミングを合わせる
この記事が役に立ったらシェア!
tweet3はてなブックマークに追加
みんなが読んでるWeb担メルマガで、あなたも最新情報をチェック
  • SEOやアクセス解析のなどノウハウをゲット
  • 事例やインタビューも見逃さない
  • 要チェックのセミナー情報も届く
  • 編集長コラムを一足先に読める
日本赤十字社 東日本大震災 義援金募集
みんなが読んでるWeb担メルマガで、あなたも最新情報をチェック
  • SEOやアクセス解析のなどノウハウをゲット
  • 事例やインタビューも見逃さない
  • 要チェックのセミナー情報も届く
  • 編集長コラムを一足先に読める

Web業界の転職情報

もっと見る
Sponsored by

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

AR
ARとは、「拡張現実感(Augumented Reality)」の略で、実際の景 ... →用語集へ

連載/特集コーナーから探す

インフォメーション

Web担のメルマガを購読しませんか?
Web担の記事がコンパクトに毎週届くメールマガジン「Web担ウィークリー」は、10万人が読んでいる人気メルマガ。忙しいあなたの情報収集力をアップさせる強い味方で、お得な情報もいち早く入手できます。

Web担に広告を掲載しませんか?
購読者数10万人のメールマガジン広告をはじめとする広告サービスで、御社の認知向上やセミナー集客を強力にお手伝いいたします。

サイトマップ
RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]