リリース添削で改善個所をまとめてチェック/リリースの書き方基礎講座#14[実践添削編1]
この連載では、主に企業の広報担当者に向けて、初めてでもわかるリリースの書き方から、ネット時代に即したリリースの書き方など、明日から役立つ基礎情報をお届けします。
今回は、編集部あてにご応募いただいた添削希望のリリースを取り上げ、実際にリリース原稿の添削を試みます。連載の途中で募集を開始したため、これまで解説してきたことのすべてが反映されている訳ではありません。そのため指摘する点には、すでに連載内で説明したことの繰り返しもありますが、より質の高いリリース作成のための復習としてご覧ください。
本記事内では、リリース添削企画にご賛同いただいた株式会社インディビジョンさまが発表したサービス「COPO」に関するリリース原稿に対して、社名やサービス名の実名公開の許諾を得てサンプルとして使用させていただいています。記事内での添削・修正はあくまでもリリース原稿としての体裁や表現方法に関するものであり、サービスの内容に言及するものではありません。また、発表されたリリースは2009年1月16日のものであり、現在のサービス内容とは一部異なります。
まず、編集部あてに届いたリリースをざっと読んでみてください。添削をしていく上でわかりやすいようにパーツごとに区切っています。実際のリリース(サイト掲載版)。
報道関係者各位
プレスリリース
2009年1月16日
株式会社インディビジョン
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求職者向けに特化した企業情報検索サイト『COPO』をオープン
~6万社を超える企業の給与・福利厚生・財務情報等を一括検索~
http://co-po.jp/
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株式会社インディビジョン(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:板倉 広高)は、求職者向けに特化した企業情報検索サイト「COPO」の運営を2009年1月19日に開始いたします。厚生労働省が発表した11月の有効求人倍率は、2008年10月から0.04ポイント悪化して0.76倍となり、12ヶ月連続で1倍を割り込みました。インディビジョンでは、現在運営する転職・派遣・アルバイトサイトのほか、「COPO」のオープンを通じて、雇用情勢の厳しさが増す中での求職活動を積極的に支援していきます。
「COPO」では、上場企業が開示している有価証券報告書や東洋経済新報社等から提供を受けた企業データを基に、上場・未上場合わせて6万社を超える企業の情報が一括検索できます。各企業の給与・福利厚生・財務情報等を様々な観点から詳細に検索できるほか、求職者が最も気になる各企業の口コミ情報や求人情報を掲載することで、求職者にとってより利便性の高い情報を提供いたします。
【「COPO」のURL】
・http://co-po.jp/
【「COPO」の主なコンテンツ】
・給与情報
└ 各企業の平均年収や有給取得状況を閲覧できます。
・福利厚生情報
└ 各企業の福利厚生制度概要が閲覧できます。
・財務情報
└ 各企業の財務情報・収支状況をグラフによって閲覧できます。
・口コミ情報
└ 一般ユーザーの方から寄せられた各企業の「社内レポート」「面接レポート」
「給与レポート」の閲覧と投稿を行うことができます。
・求人情報
└ インディビジョンが運営する求人サイトの求人情報が閲覧できます。
株式会社インディビジョンでは、今後も「COPO」の更なる利便性向上のために、現在運営している転職・派遣・アルバイトサイトとの連携を強化していくとともに、「COPO」におけるコンテンツアライアンス・モバイル対応・広告媒体化等を積極的に進めていく方針です。
【当該会社の概要】
名 称 :株式会社インディビジョン
代 表 者:代表取締役社長 板倉 広高
所 在 地:神奈川県横浜市西区みなとみらい二丁目3番5号クイーンズタワーC15階
設 立:2005年11月30日
資 本 金:40百万円
主な事業:インターネットを活用した情報サイトの開発および運営
URL :http://www.indivision.co.jp/
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社インディビジョン COPO事務局
担 当 :奥山 / 降籏
TEL :045-640-5790
FAX :045-640-5791
E-mail :pr-iv@indivision.jp
いかがでしょうか。リリースとしての体裁がある程度整っていて、このリリースよって記者が記事を書くことができないという訳ではありません。リリースをベースに記事を書くことに慣れているプロの記者なら、疑問点を問い合わせることでそれなりにニュース記事に仕上げられるでしょう。とはいえ、リリースの完成度の高さでいうと、まだまだ改良点は少なくありません。
では、より質の高いリリースにするためにどこをどう直せばいいのかを考えてみましょう。これから指摘することは、そこまでしなくてもとか、ともすれば手厳しく感じられるかもしれませんが、完全なリリースに近付けてメディアに取り上げてもらう機会を増やすとともに、消費者に訴えたいことを明確に伝えるための添削と理解していただければ幸いです。
「ヘッダー」「見出し」「リード」の基本となる逆三角の文体(連載の4回目参照)と本文やその他補足等のパーツに分け、要点をまとめて解説していきます。
1.ヘッダー
プレスリリースをニュースリリースに
報道関係者各位
プレスリリース
2009年1月16日
株式会社インディビジョン
報道関係者向けのリリースとして、「報道関係者各位」というあて先や「プレスリリース」としてこの文書がリリースであることを示し、日付と会社名もしっかりと書かれています。リリースのヘッダーのパターンは基本的に問題ないでしょう。欲を言うなら、会社のロゴマークを張り付けるとより見栄えが良くなります。今回はメールで報道関係者にリリースを送ることを想定しているようですが、サイトに掲載する場合など、消費者にも見てもらうのなら「報道関係者各位」を外し、「プレスリリース」を「ニュースリリース」に改めた方がいいでしょう(連載の1回目参照)。
ニュースリリース
2009年1月16日
株式会社インディビジョン
2.見出し
サブ見出しを加えてより特徴をアピール
求職者向けに特化した企業情報検索サイト『COPO』をオープン
~6万社を超える企業の給与・福利厚生・財務情報等を一括検索~
http://co-po.jp/
1行目で「求職者向けに特化した企業情報検索サイト『COPO』をオープン」と、新しい事実=ニュースを明確にして、2行目のサブ見出しで「~6万社を超える企業の給与・福利厚生・財務情報等を一括検索~」と、その内容を示しています。1行目、2行目とも、見出しとしての基本を踏まえていて、何が訴えたい事実でその特徴はどういうことかがしっかりと理解でき、とてもわかりやすい見出しといえるでしょう。
細かい点を言えば、「6万社」の「6」は本文の数字に合わせて半角の「6」がいいでしょう。また、せっかくですからURLが入っている場所に、もう1行サブ見出しとして特徴や内容を入れてみます。
たとえば1行目にURLを入れて「求職者向けに特化した企業情報検索サイト『COPO』(http://co-po.jp/)オープン」とし、2行目はそのまま「6万社を超える企業の給与・福利厚生・財務情報等を一括検索」。3行目にリードから一部拝借して「雇用情勢が厳しさ増す中、求職活動を積極的に支援」と、このサービスの意義を書くとニュースに社会性が付加されてニュース価値がアップします。見出しは次のようにするといいでしょう。
求職者向けに特化した企業情報検索サイト「COPO」(http://co-po.jp/)オープン
~6万社を超える企業の給与・福利厚生・財務情報等を一括検索~
雇用情勢が厳しさ増す中、求職活動を積極的に支援
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