プレスリリース・ニュースリリースの書き方&活用基礎講座

リリースの書き方の作法と見落としがちな基本項目/リリースの書き方基礎講座#3

この連載では、主に企業の広報担当者に向けて、初めて書く人でもわかるリリースの書き方から、ネット時代に即したリリースの書き方など、明日から役立つ基礎情報をお届けします。今回は実際のリリースの書き方についてみていきます。公式な文章ですので、基本的な作法や考え方を押さえておくことは必須だといえるでしょう。原稿作成の参考になるよう、注意点をまとめてみました。

前回は、ニュースリリースになる素材は企業にとっての新たな事柄で、リリースにはニュース性や社会性が求められると説明しました。そして、カタログやチラシとは異なり、作法やフォーマットに基づいて客観的な文章で作る必要があるとも紹介しました。では、作法やフォーマットとは実際にはどんなものなのでしょうか。今回はニュースリリースの書き方の基本について解説していきます。

リリースのウソは企業をダメにする

くどいようですが、ニュースリリースは広く企業活動を伝える公式文書です。常にこのことを念頭に置いてリリース作成に取り組まなければなりません。公式文書ですから、リリースの文章や内容次第で企業イメージが大きく向上することもあれば、反対に企業価値がダウンする場合もあります。かといって妙に力が入り過ぎても良くないのですが、リリースを作る際にはそれなりの緊張感が求められるでしょう。何よりも”ウソ”は絶対に書いてはいけません。誇張もダメです。

ウソが良くないというのはリリースに限らず社会生活を営む上での常識です。言われるまでもないと感じることでしょうが、リリースを作成する場合はついつい、ウソウソだと受け止められてしまうような文章を書いてしまいがちなのです。たとえば、自社の新製品の発売をリリースに書こうとする場合、同様の製品を他で聞いたことがないと「日本初」と書きたくなります。日本初であればニュース性が高くなり、注目される(マスコミに取り上げられる)可能性があるからです。しかし、本当にその製品は日本初なのでしょうか。書き手が知らないだけで、実はすでに同様の製品がひっそりと売られているかもしれません。

ネット全盛の現代社会では、企業のウソは必ず暴かれます。リリースにウソを書く企業のレッテルを張られると、企業イメージは大きくダウンして消費者や取引先は離れていきます。ごく当たり前のことですが、細心の注意が求められるのです。

リリース作成9つのポイント

ここからは、ニュースリリースの具体的な書き方を見ていくことにします。下記のポイントはどれもごく基本的な項目ですが、意外と守られていないことも多いのではないでしょうか。

  1. 結論を前に持ってきて、重要なことから順に書く
  2. 幅広く読まれることを意識してわかりやすい言葉で簡潔に書く
  3. 専門用語を使う場合は、必ずその用語の説明を加える
  4. 文章は「ですます調」で書く
  5. 過剰な丁寧語は使わない
  6. 5W1Hを過不足なく満たす
  7. 伝えるべきニュースは何なのかを的確に判断する
  8. 宣伝臭のする文言を排除して客観的な表記を心掛ける
  9. 用字用語、送り仮名、外来語など表記の統一を図る

それでは、それぞれ詳しくみていくことにしましょう。

1.結論を前に持ってきて、重要なことから順に書く

図
図1 「逆三角形」文体の構造図

結論を前に持ってくるという作法は、結論を最後に書く一般の文章とは逆です。初めに結論を書いて、その後に説明的なことがらを重要度の高い順番で書き進んでいくのがニュースリリースです。この文体は、新聞記事などで「逆三角形」スタイルと呼ばれています(図1)。新聞に限らず、ニュース放送の原稿やプロによるニュースサイトのニュース記事も同様です。なぜ新聞記事は、結論が先の逆三角形なのでしょうか。答えは簡単です。最後まで読まなくても、読者が記事の内容を理解できるようにしているのです。余談ですが、新聞の場合はレイアウトの都合で書かれた記事を短くしなければならないケースが少なくありません。そのため記事のどこで後ろの部分を切り捨てても、結論や重要度が高い内容がわかるという仕組みになっているのです。

これでわかったかもしれませんが、リリースは、新聞や放送のニュース記事と同じように、最後まで読まれないことを前提に作らなければならないのです。マスコミの記者はもちろんですが、サイトでリリースを読む消費者も多忙ですし、何が言いたいのか最後まで読まないとわからないような文書はイライラします。途中で読むのが面倒になる人も多いでしょう。どこで読むのを止めても、重要な内容が伝わる。リリースはそうあるべきです。

逆三角形の構成とは具体的に、「見出し」「リード」「本文」を指します。まず見出しでリリースの結論を短い文章で言い切り、リードでは簡潔な文章でリリースのおおまかな内容を説明します。そして本文では、リードで書いた内容を詳細に述べて、それに関する最重要の補足、重要な補足、補足とつないでいきます。見出し、リードはそれなりにできていても、本文になると開発の背景から書き始めたり、いきなり会社概要を書いたりしているケースも多く見られますがそれは間違っています。とにかく大事なことから順番に書く、これがリリース作成の基本中の基本です。

2.幅広く読まれることを意識してわかりやすい言葉で簡潔に書く

わかりやすい言葉で書くということは理解していても、会社の公式文書だからと肩に力が入り過ぎると、ついつい硬い表現になってしまうものです。しかし、普段使っている口語体の丁寧な文章で書くのが理想です。

3.専門用語を使う場合は、必ずその用語の説明を加える

本来、リリース内では専門用語は使わない方がいいのですが、中でもIT関連の企業となると専門用語を完全に排除することは不可能でしょう。その場合は、注釈をつけて用語の説明を入れなければなりません。リリースの読み手を業界の中だけに限るというのはあり得ないことです。マスコミ側にしても、すべての記者がその業界に詳しいわけではないですし、一般の消費者ならなおさらです。

4.文章は「ですます調」で書く

かつて「○○社は~した」という文面のリリースもありましたが、今では柔らかくて丁寧なイメージのある「ですます調」が主流です。「である調」だと威張った印象を受けますが、「ですます調」なら読み手が違和感を覚えることなく、不快感も抱きません。

社内文書や取引先への説明資料などでは硬い表現を使うこともありますが、リリース文では自然な丁寧さが求められます。硬いイメージのある中央省庁の報道発表資料も、今ではとても柔らかな表現になっています。

5.過剰な丁寧語は使わない

慇懃無礼
表面上は丁寧で礼儀正しいようにみえるが、実は尊大で無礼なこと

丁寧なのに何が悪いのかという意見もあるかもしれませんし、実際にリリースで多くの丁寧語が使われているケースも見受けられます。しかし「慇懃無礼(いんぎんぶれい)」の言葉もあるように丁寧過ぎる表現は親しみやすさがないばかりか、何か後ろめたさも感じられます。人に面倒な頼みごとをする時、やたら丁寧な言葉使いになり嫌味に思えることはないでしょうか。「~しております」「~でございます」よりは「~しています」「~です」の方が、自然に感じられるはずです。

6.5W1Hを過不足なく満たす

文字通り、リリースの文面内にWho(誰が)、When(いつ)、Where(どこで)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)の各要素が適切に埋め込まれているか確認する必要があります。漏れがあると、読者やマスコミの記者に数々の疑問を抱かせることになり、読み捨てられてしまうでしょう。

7.伝えるべきニュースは何なのかを的確に判断する

たとえば自社のWebサイトをリニューアルしたことをリリースにするとします。書き手は、サイトをリニューアルしたことそのものがニュースだと思うでしょう。しかし、よほど知名度の高いサイトを除き、サイトのリニューアル自体は、マスコミにとっても利用者にとっても実はどうでもいいことなのです。リニューアルした結果、何がどうなったのかがニュースです。リニューアルしたことで、これまでできなかったオンラインショッピングが可能なったというのなら、オンラインショッピングを開始したことがニュースになります。この感覚を理解するためには、ユーザーの視点が求められます。リニューアルの結果、何がどうなったのか、なぜそうなったのかが一番知りたいわけです。

8.宣伝臭のする文言を排除して客観的な表記を心掛ける

宣伝臭のする文言を排して客観的な表記を心掛ける点は、企業の公式文書であることを考えれば当然のことです。前回も書きましたが、リリースはチラシやカタログではありません。

9.用字用語、送り仮名、外来語など表記の統一を図る

用字用語など表記の統一は、意外に見落としがちなポイントです。IT関連企業の例でいうと「サーバー」と「サーバ」の違いや「ユーザー」と「ユーザ」の違いはよく議論される問題です。これらの表記は、社内で決めてそれをしっかり守ればよいのです。同じリリースの中で「サーバー」と「サーバ」が混在することだけは避けなければなりません。まず社内で用字用語を統一する必要があります。

社内で統一といっても、製品やサービスで使われていない言葉をどうやって統一するのか、という問題が残ります。その際は、市販の用字用語集を基本にすることをお勧めします。朝日新聞社、毎日新聞社、共同通信社、時事通信社が自社の記者用に制作した用字用語集をそれぞれの名称で書店で販売していますが、どの会社のものも基本的には同じような内容です。書店でパラパラと見て、使いやすそうなものを選べばよいと思います。個人的には、長年慣れ親しんだ毎日新聞社の『毎日新聞用語集』が最もフィットするのですが、どれか1つを選んでくれと頼まれたら、共同通信社の『記者ハンドブック』を挙げます。

共同通信社の『記者ハンドブック』には、記事の書き方として「逆三角形」の文体の説明や使わない方がいい文語、古臭い表現が解説されているうえ、使用してはいけない差別語・不快用語も掲載されています。社内の製品などと直接関係がない表記に関しては、用字用語集の取り決めに従ってしまった方がバラつきをなくすことができます。

◇◇◇

書き方の基本的な考え方はこのくらいにして、次回はリリースを書く時のより具体的なノウハウを紹介します。

第三章のポイント
  • ニュースリリースにはウソや誇張は絶対に書かない
  • どこで読むのをやめても内容が明確に伝わるように、結論は先出しにして重要なことから書き出す
  • 誰が読んでもわかりやすい文体を心がける。用字用語など表記を統一してバラつきをなくす
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