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「レピュテーション2.0」——Wikipediaとメディアが生む「デマの悪循環」に要注意

イメージ画像:Wikipedia

ロンドンに雨の降る9月2日火曜日の朝早く、前日に書いておくべきだった記事を、腰を落ち着けて書き始めた。

昨日の9月第1月曜は米国では労働者の日だったから、SEOmozのブログに何かを書くのは、頼りになるグローバル・アソシエートたる僕らがやるべき仕事だったね。英国のDistilled社で働く僕らにとっては、残念ながら昨日も平日だったんだから。長い週末を過ごした米国人たちが仕事に戻るまでの眠りについている間、しっかり留守を守らねばと思っていたんだけど、ランドは決して眠ったりしないことがわかったよ。

朝から雨に降られながらバスを待つなんてかなり悲惨な一日の始まりだと思ったけど、もっと悪い始まり方をしたらどうする? たとえば、朝起きてみたら、インターネットに自分や自分の会社について悪いことが書かれていたとしたら?

何年も前なら、新聞に書いてあることや、人々が話題にしていることを心配するだけでよかった(実生活の中で人づてに伝わる話は、広がる範囲もたかが知れていたよね)。ところが今では、偉大なワールドワイドウェブの力のおかげで、君の名前や会社名で検索をかけると、人々の不満がいつも検索結果に顔を出すなんてことが起こりうる。Disstilled社では、国際的なSEOとオンラインにおける評判管理に多くの時間を割いている。2週間前に開催した専門家向けのセミナーで、ダンカンと僕はこの2つについて話をした。

今回は、企業や個人の評判に対する特に致命的な攻撃について書くことにしよう。これは最近見られるようになった現象で、対処するのが非常に難しいものだ。この件については、さっき言った専門家向けセミナーでも話題として取り上げ、そこでは「ウィキの悪循環」(wiki-circularity)と呼んだ。必ずしもWikipediaに限った話じゃないんだけれど、Wikipediaの例で説明すると話が早いからね。その筋書きは次のような感じだ。

君は厄介事に巻き込まれることもなく、振る舞いも正しくて、自分の名前がWikipediaの登録語になっているものの、そこには何も不都合な記述はない(こういう場合、評判の査定は「ニュートラル」となるのが普通だ)とする。

  • 何者かが(悪意を持って、あるいは勘違いで)、君や君の会社に関するWikipediaのページに、事実に反する(または中傷する)記事を書く。
  • 大手メディアが(インターネットで「この事実を確認」して)この話題を取り上げる。
  • 事実に反する話が大手新聞のサイトに掲載される(もちろんWikipediaには触れない。自分たちで調べた情報のように見せたいからだ)。

以上が「レピュテーション(評判)2.0」のシナリオだ。その結末は予想もしない形でやってくる。

  • Wikipediaの記事で、その大手メディアの記事が参照先として紹介される。
  • 君の名前を検索すると、検索結果ページには否定的な情報が表示されるようになる(ニュース記事が上位にランクされない場合でさえ、例のWikipediaのページはしっかり出てくる)。従来のケースと異なり、このレピュテーション2.0の場合、君に落ち度などまったくない。

こうなると、Wikipediaの編集者を説得して記事を削除させることはほぼ不可能だ。彼らは「リアル」メディアを神聖視する傾向があるからね。その「リアル」メディアがWikipediaから情報を入手するような時代では、音を立てて壊れてしまう幻想なんだが。

何か対策は打てるのか

残念ながら、すでに説明したように、この悪循環が完成してしまうと、打てる手段はそれほど多くない(この場合、役に立ちそうなアドバイスがあるとしたら、新聞社のサイトに訂正記事を改めて掲載させるのではなく、問題のページを削除させろ、というものだ)。

そう考えてみると、早い段階で何らかの対策を講じられるように、自分や自分の会社の評判をオンラインで監視しておけという意見ももっともなものに思えてくる。情報が得られなければ、なすすべはないからね。大部分の個人や企業にとって、自身について書かれたことすべてに毎日目を通すのに大した時間はかからないだろうし、言及されることの多いブランドでも、それだけの精力を注ぐ価値は絶対にある。

もちろん、Distilled社にはオンライン評判監視ツールがあるけど、Marketing Pilgrimのアンディー・ビール氏が作成した「Trackur」のような評判監視ツールがあることも強調しておきたい。あるいは、もし手間暇かけてでも無料でやりたいんなら、ビール氏のアドバイスに従ってすべて自分で監視できる。

きちんと監視していれば、すべてが制御不能に陥る前に、法的手段に訴えることなく、早い段階でこういった事実無根の噂を葬れる場合が多い。

状況が悪化し、悪循環が出来上がってしまった場合は、よく似たトラブルが現実の世界でも起きているから、それを見ると、こういった悪循環を断ち切るまでにどれほど調査と働きかけが必要かがわかる。俳優のサシャ・バロン・コーエン氏に関する(比較的無害な)例だ。

※Web担編注 リンク先の記事で取り上げられているのは「コーエン氏が俳優として有名になる前に、投資銀行のゴールドマン・サックスで働いていた」というデマがWikipediaに掲載されたというもの。Independent紙やGuardian紙といった「リアル」メディアがそのWikipediaの記述を元にしてコーエン氏の略歴を掲載し、さらにWikipediaがその2誌を外部リンクとして参照するなどの混乱が起きた。

現実の世界

この手の問題をひとくくりに空想の産物と片付けるのはたやすい。でも、まったくでたらめな話が記事になるという状況が現実世界で起きたことを、僕たちは確認している(専門家セミナーに出席した人々には、名前を伏せて実例が示された)。

知名度の高い人々は、この問題への認識を徐々に強めている。共和党の副大統領候補サラ・ペイリン氏が指名発表の前日にWikipediaの掃除を済ませていた、という記事はおもしろかった。この例は、「レピュテーション1.5」と呼ぼう。Web 2.0の重要性は理解しているが、そのソーシャルネットワーク的な性質や、こういった行為が話題となる可能性については理解していないからだ。非常に目立つやり方で編集したらしく、大手メディアが掲載したニュース記事を出典とする質の高い変更だったが、主要ニュースに似たような内容を大量に並べてしまえば、危険信号がともるのも当然だ。

ランドはいつも読者のみんなに、コメント欄で政治的な議論をするのを避けるようアドバイスしている。だから今回も、コメントする際は、政治や政策でなく、オンラインの戦略について書くようにしてもらいたい。

有名人の評判管理に関する最新ニュース

また別の話になるけど、今朝、ラッパーのソウルジャ・ボーイの個人情報が盗み出されたという記事を読んだ。僕は彼の対応が気に入ったよ。中傷に対するラッパー式の対処法を知りたい人は、(犯人をののしる禁止用語が伏せ字で出てくるけど)この記事をチェックしてみてよ。

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