Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報

ヒットの予測に関する予測不能科学論

ソーシャルメディアとバイラル(口コミ)マーケティングのどちらも、「ヒット」を生み出すことがその目的のすべてだ。そして共有やリンクや参加を促す形で、いかにして、リンクを張る傾向のある人々、つまり「リンケラティ」が共感を覚えてくれるようなコンテンツを作成するかが鍵となってくる。とはいえ、それは簡単な作業ではない。

メディアこそ違えど、その苦労を物語る例が、4月15日の日曜日にNew York Times誌が掲載した記事だ。問題の記事「ジャスティン・ティンバーレイクは累積的優位性(バンドワゴン効果)の所産なのか?」(無料ユーザー登録をすればだれでも閲覧可能)の一部を見てみよう。

……プロの編集者やスタジオ役員、タレントのマネージャは、多くがその経験を持ってしても、これから着手するさまざまなプロジェクトの中で、どれが大ヒットになるかを予測するのが非常に苦手だ。

企業の上層部ならば、「スター・ウォーズ」や「ハリー・ポッター」、あるいはビートルズなどの大ヒットを否定したり、見過ごしたり、馬鹿にすることなどできるはずもない。とりわけ、自分たちの最大の自信作が失敗に終わったとあればなおさらだ。言い換えると、かつて脚本家のWilliam Goldman氏が映画界について語ったように、「誰にも何もわからない」というのは、案外真実なのかもしれない。

しかし、なぜなのだろう? もちろん、単に専門家が自分たちの思っているほど目端が利くわけではない、という可能性はある。だが最近の調査では、どれほど情報が豊富でも、確実性の高いヒット予想は不可能だということを示唆する結果が出ている。この結果は、われわれのベストセラー・リストに対する理解ばかりでなく、ビジネスや政治にも関係している。

幸いなことにリンクベイトの世界では、少なくとも今のところ経験豊かなマーケティング屋ならば、マーケティングの成否についてすばらしい予測を示している。SEOmozでは、クライアントと内部プロジェクト間で、1か月に10個あまりのリンクベイトを実施し、その70%以上が成功した(New York Times誌のエサの撒き方と比べても驚異的な成功率だ)。ACSのNeilやCameron、Wolf-HowlのMichael Grayといった業界関係者は同様に、広く認知される蓋然性を経験している。

この記事は今も僕の心を捉えて離さない。というのも、記事ではまず、ある実験について語っている。

昨年Science誌に載ったわれわれの研究は、1万4000人以上の人が参加した実験だ。実験では、われわれのウェブサイトMusic Labに登録してもらい、これまで耳にしたこともないバンドの曲について、それを聴き、評価を付け、気に入ればダウンロードするよう参加者に求めた。

参加者の中には、バンドの名前と曲名を見ただけの人もいれば、他の参加者がその曲をどれほどダウンロードしたか確かめる人もいた。

われわれは、後者グループの人たち(われわれの用語で「社会的影響」下にあると呼ぶ)をさらに8つの並行な「世界」に分け、自分の属する「世界」の人たちによるダウンロード実績しかわからないようにした。どの世界のアーティストも、ダウンロード回数0回という完全に等しい条件で始め、ランキングには一切手を加えなかった。しかし、それぞれの世界を切り離したため、その後の結果は互いに独立したものとなった。

そして、この実験の結果は非常に興味深い。

この実験では、「社会的影響下」にない場合に比べ、「社会的影響下」にあるすべての世界で、最も人気の高い楽曲の人気がさらに高まり、最も人気のない曲はさらに人気が下がるという結果が出た。

しかしそれと同時に、累積的優位性理論が示すように、世界が異なれば人気を得た曲も異なるという現象が起こった。言い換えると、社会的影響で人の意思決定を左右しようとしても、常に人気が拡大した訳ではなく、結果はますます予測不可能になったということだ。

このロジックに従い、ウェブのバイラルマーケティングにおける人文科学的側面に当てはめるとするなら、Digg、Flickr、reddit、YouTube、MySpace、Netscapeなどなど、どこを通じてだろうが、あるコンテンツがどの程度人気を得るのか、最も大きな影響を与えるのは、そのネタをいち早く見た人たちだということになる。ただ残念ながら、Diggやredditのようなコミュニティでは、ある程度の嗜好が明らかになってきたとはいえ、少なくとも今のところ、その当たり外れは必ずしも予測できるものではない。

ニューヨークのヒップホップ界の大物レコード制作会社だろうと、あるいはDiggを使ってクライアントの検索順位を押し上げようとするSEO屋だろうと、マーケティングを手がける者がすべきことは明らかなようだ。それは、人工的な操作を加えろ、ということ。自分がすごく人気のあるものを手に入れて、誰もがそれを気に入っているとみんなに思わせることができれば、マーケティングの仕事はとんでもなくやり易くなる。

良質なコンテンツ理論の話はこれでおしまい。

ところで、New York Times誌の例の記事。これって、話自体はティンバーレイクと何の関係もないのに、記事のタイトルに「ジャスティン・ティンバーレイク」って入ってるのはおもしろいと思わない? これこそSEOなんだよね、NY Times流の(笑)。

追記:NORTHxEAST(NxE)の「わずか12日間で、いかにしてブログの読者数をゼロから2000人まで増やしたか?」という記事もすごく良い内容なので、紹介しておかなくちゃ。僕はこのNxEが、自分のサイドバーの常駐組になるんじゃないかと思ってるんだ。ここに載ってる他の記事もすごく良いんだよ。

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