リファラー(参照元、参照ソース)とは、どのページに書かれていたリンクをクリックして現在のページにたどり着いたのかを示す。SEOに限らず、アクセス解析をする際には重要な要素で、急激にアクセス数が増えた場合などに、どこのサイトで紹介された効果が大きかったのかなどを調べられる。
ブラウザでウェブサイトを見て回っているときに、ページ上のリンクをクリックすると、ブラウザはアクセス先のサーバーにページの情報をリクエストするときに、リファラーを自動的に送る仕組みになっており、アクセス解析ではその情報を利用している。
ただし、ブックマーク(お気に入り)からアクセスしたり、URLを直接ブラウザに入力したり、メールのリンクをクリックした場合にはリファラーは空になる。セキュリティソフトによっては、リファラーを送出しないように処理するものもある。
アクセス解析ツールでリファラー(参照ソース)のデータを利用して自分たちのサイトへの訪問者を解析してみると、ごく少数ではあるが、こちらからリンクを張った先のサイトの管理者が同様にアクセス解析のリファラーを見る画面から訪れてくる訪問者がいることがわかる。
多くの場合は、最初の訪問のあと、訪問してくれたブロガーからの投稿やリンクバックが続く。わたしが知るかぎり特にコレといった呼称はないこの現象は、リソースを得られれば、かなり強力な戦略として使えるものだ。リンク構築という視点からみて、関心を呼び起こしてリンクを数多く張ってもらうための戦略として、この現象を利用することは実際に可能だ。以下にいくつか、そのポイントを挙げよう。
- 自分のアクセスログに注意を払っていそうな個人、またはグループが運営するサイトを見つけること。そうした個人やグループは、ブログへの投稿や他サイトでの議論で、アクセス履歴に言及する傾向があることによって特定できることが多い。
- 多くのビジターを送り出せるリンクを自分のブログ/サイトに作ること。1日に20人から30人のビジターであっても、注意深いウェブマスターの注意を惹くことはしばしばある。他サイトへの投稿のなかに、フォローアップを誘導する内容を必ず入れること。できれば、コメントにではなく、サイト自体に誘導するのが望ましい。
- 他サイトのオーナーたちが(アクセスログの解析から)フォローアップして訪問してくれるのを待つ。(これには1週間ほどかかることがある)。自分のサイトが興味深い内容である場合、うまくいけば、訪問者の関心や投稿やリンクが得られるかもしれない。
この方法は、ブロガーの自然な好奇心に基づく。つまり、どんな人が自分のことを書いてくれていて、自分の私的な話題に反応してくれているかを知りたい、という好奇心だ。たとえそれほど多くのトラフィックを送り出せていなくても、自分のサイトをTechnoratiに登録さえしておけば、そこのリンク検索でヒットして、訪問してもらえることがしばしばある。
この方法は、他サイトを言及するときはいつでもリンク・アウトする(場合によっては、参照先まで含めるようにする)ことの良い例になる。
これに関して、わたしからのアドバイスの1つは、「わざとらしく」見えないようにすることだ。自分が本当に興味のある話題やブロガーを選ぼう。より良い結果を求めるなら、リンク先サイトは20~30程度選び、そのうちの5~10が関心を示してくれることに期待しよう。そして、直観力を使って、議論がはずみそうな良い話題を見つけよう。
この手法でリンクを張ってもらえない場合でも、あなたのニッチで(あるいはその外部でもいいが)、よりたくさんのサイトやブロガーの関心を惹ければ、それは1つの強力な武器となる。
言うまでもなく、たくさんのトラフィックを送り出せれば送り出せるほど、そのサイトの注意をひく可能性も高くなる。なかには、リンクを通じて自動的にトラフィックを送ることにより、リファラーのログに履歴を残すだけで満足する人たちもいるようだが、大部分の人たちは、ある種のサイトが備えるパブリックな「最新のリファラーのリスト」にリストされることを望んでいる。(この件については、Trenchantが2003年に書いている)。
このテクニックを積極的に実行している人はいるのか? そして成功例はあるのか? そういう疑問が生まれるだろうが、わたしたちに関してはうまくいっている。わたしは、良いアイデアや提案、話題とともに「SEOmoz」へのリンクを張ってくれた人には、リンクを張り返すようにしている。こうしたことが適切に行なわれれば、スパムやマーケティングのようにはまったく見えない、シンプルで良好なサイト間のダイアログを作ることができるのだ。
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