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[続]ステップ・バイ・ステップで始める! 企業のInstagramマーケティング

ブランドとフォロワーの架け橋!インフルエンサーを活用してみよう【後編】

後編の今回は、インフルエンサーマーケティングのメリットや注意点、具体的な進め方などについて解説。
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好評を博した前シリーズから引き続き本連載では、「企業のSNS担当者なら絶対押さえておきたい基礎知識」から「Instagramだからこそできる効果的な活用方法」「Instagramの最新トレンド」まで、これを読めば“明日にでもInstagramアカウント運用をスタートできる”よう、最前線のノウハウをわかりやすく解説します。

前回は、インフルエンサーマーケティング(インフルエンサー活用)前編として、「インフルエンサー」「インフルエンサーマーケティング」の定義、およびインフルエンサーの探し方・選び方について解説しました。今回は後編として、インフルエンサーマーケティングのメリットや注意点、具体的な進め方などについて解説します。

インフルエンサーマーケティングのメリット

インフルエンサーマーケティングにはいろいろなメリットが存在しますが、以下の3つが大きいと考えられます。

(1)「広告」以上の信頼感を(とくにSNSのヘビーユーザーから)得られる

「広告」と「インフルエンサーからの紹介」を比較したイメージ調査によると、SNSの利用頻度が高いユーザーほど、「インフルエンサーからの紹介」のほうが「広告」よりも「信頼できる」「購入の参考になる」「買ってみたい・使ってみたいと思う」と考えている傾向が高いことがわかっています。

特に10代~20代女性については、SNSの利用頻度にかかわらず「広告」よりも「インフルエンサーからの紹介」を「信頼できる」「購入の参考になる」「買ってみたい・使ってみたいと思う」割合が多い点も注目すべきポイントでしょう。

SNS利用頻度別 イメージ比較(WOMマーケティング協議会の調査結果より)
出典
インフルエンサーマーケティングに関する実態調査|WOMマーケティング協議会
https://www.womj.jp/download?file_id=161724

(2)ターゲット層にリーチしやすい

前編でご紹介したように、有名人以外のインフルエンサーにはたいてい「得意分野(ジャンル)」があります。そのインフルエンサーのフォロワーの多くは、その分野(ジャンル)に興味・関心を持っているユーザーである、と考えてよいでしょう。
つまり、みなさんのブランド・商品・サービスと親和性が高い分野(ジャンル)に特化したインフルエンサーのフォロワーは、みなさんのブランド・商品・サービスにも関心を持ってくれる可能性が高い、と考えられます。
そうしたインフルエンサーを選定できれば、結果的にターゲットユーザー層に効率よくリーチし、みなさんのブランド・商品・サービスを訴求できる可能性が高まるでしょう。

(3)共感されやすい

インフルエンサーマーケティングでは、SNSで発信する内容は基本的にインフルエンサーに託されます。インフルエンサー自身のことばでつづられる・語られる「リアルな声」「本音」が込められた投稿は、広告色の強さを嫌うフォロワーたちにも共感されやすいでしょう。
さらにインフルエンサーとフォロワーとの間に良好な関係が構築されていればいるほど、インフルエンサーによる投稿はより信頼され、より共感されやすくなります。その結果、インフルエンサーによる商品紹介投稿を見て実際に商品を購入してくれたユーザーのSNS投稿や、インフルエンサーが使ったブランド関連ハッシュタグを使った一般ユーザーのSNS投稿が増え、ひいてはみなさんのブランド・商品・サービスに関する情報がInstagram内に拡散する可能性が高まるでしょう。

インフルエンサーマーケティングの得意分野・不得意分野

ここまでにあげたメリットや、他の施策にはない優位性から、注目を集めている「インフルエンサーマーケティング」ですが、万能というわけではありません。他のSNS施策と同様、インフルエンサーマーケティングにも得意分野・不得意分野が存在します。

インフルエンサーマーケティングが効果的と考えられる目的(KGI)

まず、インフルエンサーマーケティングの得意分野として、「インフルエンサーマーケティングが効果的と考えられる目的(KGI)」を、企業を対象とした調査結果から読み解いてみましょう。

「インフルエンサーマーケティングの実施目的」については、「購買促進」「リード獲得」といった売上に直結する目的よりも、「認知拡大」「興味喚起」「購買意向の向上」といった目的でインフルエンサーマーケティングを行っている企業が多いようです。同様の調査は他にも複数行われていますが、上述の3つの目的に加えて、「ブランディング」「商品理解」もよく上位にあがっています。

インフルエンサーマーケティングの実施目的(デジタルインファクトの調査結果より)
出典
広告主のインフルエンサーマーケティング利用実態調査|デジタルインファクト
https://digitalinfact.com/release200306/

インフルエンサーマーケティングが効果的と考えられる商材(ジャンル)

また、電通マクロミルインサイトの調査によれば、「インフルエンサーマーケティングが効果的と考えられる商材(ジャンル)」と「それ以外の商材(ジャンル)」が存在するようです。

同調査によると、下図グラフの右上にあるほど、「商品の購入にあたりインフルエンサーの投稿が参考にされたり、インフルエンサーによる商品紹介がきっかけとなったりする傾向が強い」商材(ジャンル)だと考えられます。具体的には、メイクアップ、スキンケア、ボディーケア商品や、スマホアプリ。他にもアパレルやレストラン、グルメなどがあげられます。

インフルエンサーの推奨が効果を持つ商品ジャンル(電通報の調査結果より)
出典
インフルエンサーマーケティング2.0 No.1|電通報
https://dentsu-ho.com/articles/6244

一方で、自動車や家電、情報デバイスといった「高額である」「商品のスペック(仕様・性能)が購買決定要因となる」商材(ジャンル)の場合は、インフルエンサーマーケティング以外のマーケティング施策が重要といえるでしょう。インフルエンサーマーケティングと他の施策を組み合わせて実施したり、はじめからインフルエンサーマーケティング以外の施策をメインに実施したりすることも検討するのがよいと思います。

インフルエンサーマーケティングの進め方

こうした課題を考えたうえで、具体的にインフルエンサーマーケティングを行うとなったとします。その進め方ですが、全体の流れは以下の7つのステップになります。前編で紹介した「インフルエンサー選定」はそのステップの1つ(第4段階)にすぎません。

  1. 目的(KGI)を決める
  2. ターゲット(ペルソナ)を決める
  3. 目標(KPI)を決める
  4. インフルエンサー(インスタグラマー)を選定する
  5. 具体的なインフルエンサーマーケティング施策内容を企画する
  6. 施策を実施する
  7. 効果を測定する

これを踏まえて、生活者のマーケティングフェーズごとの、InstagramにおけるKGI/インフルエンサーマーケティング施策/KPIとしては、たとえば以下のようなものが考えられます。

InstagramにおけるKGI/インフルエンサーマーケティング施策/KPIの例

まず、訴求したいブランド、商品、サービスの位置するマーケティングフェーズやターゲット(ペルソナ)に合わせて適切なKGI(目的)・ターゲット(ペルソナ)を決めましょう。

次に、自社の商品・サービスのPR施策を託すにふさわしいインフルエンサーを選定しつつ、目的達成に効果的と考えられるインフルエンサーマーケティング施策を企画しましょう。

インフルエンサーとの契約なども済ませ、準備が整ったら、実際にインフルエンサーマーケティング施策を実施します。

そして、大切なのが効果測定です。KGIや施策内容によってみるべき値(目標・KPI)は異なります。必ず施策実施前に適切なKPIを決めておき、インフルエンサーマーケティング施策の成果を測るようにしましょう。

インフルエンサーマーケティングの注意点

最後に、インフルエンサーマーケティングを実施する上で、気を付けるべき点を解説します。

インフルエンサー自身が抱える炎上リスク

起用したインフルエンサーの「過去の言動」や「ネガティブなニュースや話題、疑惑」などが原因で炎上が発生し、みなさんの会社が二次被害を受けてしまうことがあります。対策として、インフルエンサー選定時には以下のリスクを考慮し、必ず事前にチェックしましょう。

インフルエンサーの過去の言動
  • 公序良俗に反する発信がないか(例:犯罪の告白、他者への誹謗中傷など)
  • 炎上リスクの高い発信がないか(例:政治的発言・差別的発言など)
  • 競合他社の商品・サービスの愛用者であることを匂わせる発信がないか
    ※競合他社の愛用者であることが露呈すると、インフルエンサーによる投稿は「本心からではない」「きわめて広告的なもの」としてフォロワーに捉えられ、インフルエンサーマーケティングが逆効果になったり、炎上したりするリスクがあります。
インフルエンサーに関するネガティブなニュース、話題、疑惑
  • 過去の「SNSでの炎上」の有無に加え、将来的に炎上しそうな「薬物」「差別」「不倫」「未成年飲酒」「暴力」「ハラスメント」などのニュース、話題、疑惑(噂)がインターネット上に存在していないか

本人のSNSやブログ、匿名掲示板やWebニュースなどを、何年も前までさかのぼって確認し、炎上の火種になりそうな言動・発信・疑惑がないかを事前に確認しておくのがお勧めです。インフルエンサーが抱える炎上リスク調査は、外部に委託することも可能です。

参考
「タレント・インフルエンサーデジタルリスク調査」サービスの提供開始
https://www.comnico.jp/news/newservice_20201214

ステルスマーケティング(ステマ)を行ってしまうリスク

「ステルスマーケティング」とは、本当は広告・宣伝であることを隠して、広告・宣伝に類する投稿を行う行為を指します。インフルエンサーに投稿してもらう際に、その投稿がPRであることを明記しなかったり、広告主が存在することを書かなかったりすると、ステルスマーケティングに該当してしまいます。

ステルスマーケティングの問題点としては、以下があげられます。

生活者を騙す行為である
  • インフルエンサーからの発信を「(広告ではない)本人による通常のクチコミ」と誤認させることで、商品・サービスに対する正しい判断をできなくさせてしまうことが考えられます。
炎上リスクがある
  • ステルスマーケティングを行ったことが発覚すると、インフルエンサーや広告主企業に対して苦情が殺到したり、炎上したりするリスクがあります。不買運動が起こるケースもよく見られます。
業界全体の信頼低下につながる
  • ステルスマーケティングを行ったインフルエンサー、広告主企業に対する生活者からの信頼低下は当然ですが、広告主企業の業界全体に対する信頼や、インフルエンサー全体に対する信頼、広告業界に対する信頼の低下にまで影響が及ぶことがあります。

ステマは絶対にNG! 予防のための注意点

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海外ではステルスマーケティングを違法行為として明確に禁止している国もありますが、日本ではステルスマーケティングを明確に禁止する法律は今のところ存在していません。とはいえ、景品表示法の「優良誤認表示」「有利誤認表示」や、健康増進法や医療法に違反していると評価されることもあり、“きわめて黒に近いグレーな施策”だといえます。
百歩譲って違法ではないとしても、倫理的にきわめて問題があるため、ステルスマーケティングは絶対に行わないよう十分に注意しましょう。

ステルスマーケティングの予防策を、以下にあげておきます。

インフルエンサーからの投稿には「関係性」を明記する

以下2つの要素を投稿に必ず含めるよう、インフルエンサーに依頼しましょう。さらにリスクチェックとして、実際に投稿する前に、必ず広告主も目を通して確認しましょう。

(1)主体の明示: マーケティング主体の名称(企業名・ブランド名など)
 「○○とのタイアップ企画です」
 「○○から新商品をいただきました」
 といった説明など。
(2)便益の明示: 金銭・物品・サービスなどの提供があること
 「#物品提供」「#モニター」「#プレゼント企画」(物品・サービスの提供あり)
 「#プロモーション」「#協賛」「#PR」(金銭報酬などの提供もあり)
 といったタグの使用など。

なお国内では、ステマを含むクチコミ(word of mouth)に関わるマーケティング手法について、市場の健全化を目指す「WOMマーケティング協議会」が2009年に設立されています。

インフルエンサーからの投稿には「ブランドコンテンツのタイアップ投稿タグ」を付加する

Instagramは、インフルエンサー(クリエイター)が広告主から報酬を受け取って商品・サービスに関する投稿を行う際に、その投稿に「ブランドコンテンツのタイアップ投稿タグ」を付けることを完全義務化する準備を進めているようです(「ブランドコンテンツのタイアップ投稿タグ」は、順次リリースされています)。前で解説した「関係性」とあわせて、ぜひ明記するようにしましょう。

ブランドコンテンツのタイアップ投稿タグの例
出典
Instagramのブランドコンテンツツール|Instagram
https://business.instagram.com/a/brandedcontentexpansion?locale=ja_JP
参考
ブランドコンテンツポリシーについて | Instagramヘルプセンター
https://www.facebook.com/help/instagram/616901995832907?helpref=related
ブランドコンテンツの投稿でビジネスパートナーをタグ付けする | Facebook Businessヘルプセンター
https://www.facebook.com/business/help/2359901354225584

法律違反をしてしまうリスク(インフルエンサーマーケティングに関係する法律)

他にもインフルエンサーマーケティングにおいて気を付けるべき法律はいろいろ存在しますが、今回は「景品表示法」と「薬機法」において、注意すべきポイントを解説します。

景品表示法

景品表示法は、商品やサービスの品質、内容、価格を偽って表示を行うことを厳しく規制することなどにより、消費者がより良い商品やサービスを自主的かつ合理的に選べる環境を守る法律です。
前述しましたが、ステルスマーケティングを行うと、景品表示法の「優良誤認表示」「有利誤認表示」にあたると評価されて違法となる場合があります。

薬機法

薬機法は、医薬品、医療機器などの品質・有効性・安全性を確保する目的のため、製造・表示・販売・流通・広告などについて細かく定めた法律です。医薬部外品、化粧品、健康食品の規制にも活用されているため、これらの商材でインフルエンサーマーケティング実施の際には内容確認が必須です。

なお、改正薬機法にもとづき、2021年8月1日より、薬機法に課徴金制度が導入されました。「名称、製造方法、効能、効果または性能に関する虚偽・誇大な広告」に対して課徴金が課せられます。対象は「何人も(なんびとも)」。つまり、広告にかかわっていれば、広告主だけでなく、インフルエンサーや広告代理店などにも規制がかかるという点に注意が必要です。

参考
医薬品等の広告規制について |厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/koukokukisei/
課徴金制度の導入について|厚生労働省 医薬・生活衛生局(PDFファイル)
https://www.mhlw.go.jp/content/000609186.pdf
◇◇◇

次回は、2020年に追加された機能の1つ「まとめ機能」について解説します。

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