Google Analytics for Firebase&アプリ + ウェブ プロパティ (現: GA4) 徹底解説セミナー開催レポート - Google アナリティクス 4 プロパティ

スマホ&アプリ全盛の今、Google Analytics for Firebase(Firebase向けGoogle アナリティクス)やアプリ + ウェブ プロパティ(App+Web プロパティ)ではどんな計測・解析ができるのか? 従来のGoogle アナリティクスとはどんな違いがあるのか? Firebaseの全体像から、アプリとウェブのクロスプラットフォーム分析、その活用事例まで解説しました。
※この記事は読者によって投稿されたユーザー投稿のため、編集部の見解や意向と異なる場合があります。また、編集部はこの内容について正確性を保証できません。
【お知らせ】「Google アナリティクス 4 プロパティ(GA4)」リリース!

2020年10月14日(米国時間)、Google アナリティクスの「アプリ + ウェブ プロパティ」は、ベータ版から新名称の正式版「Google アナリティクス 4 プロパティ(GA4)」にアップデートされました。詳細はこちらでご確認ください。

→「Google アナリティクス 4 プロパティ(GA4)」リリース! GAの進化と「GA4」を導入するメリット3つ

2019年11月27日 (水)、「徹底解説!! Google Analytics for Firebase&アプリ + ウェブ プロパティ」セミナーを開催しました。

2019年10月31日、「Google アナリティクス(無償版)」のモバイルアプリ計測機能「Google アナリティクス開発者サービス SDK」のデータ計測が停止されました。これに備えて1年程前から、「Firebase SDK」による「Google Analytics for Firebase(Firebase向けGoogle アナリティクス)」への移行が推奨されてきました。また、2019年8月には新たなプロパティタイプ「アプリ + ウェブ プロパティ(App+Web プロパティ)」が発表され、アプリとウェブにまたがるクロスプラットフォーム分析が可能になりました。

はたしてGoogle Analytics for Firebase(Firebase向けGoogle アナリティクス)やアプリ + ウェブ プロパティ(App+Web プロパティ)ではどのような計測・解析ができるのでしょうか? 従来のGoogle アナリティクスとはどのような違いがあるのでしょうか? 今回のセミナーでは、これからアプリ分析を始めようとする事業者様にもご理解いただけるように、時代的な背景やFirebaseの全体像から順を追って解説しました。

第1部「Googleの提供するアプリ向けプラットフォーム『Firebase』とは?」

<講師>株式会社イー・エージェンシー
データ事業本部 クライアントサクセスマネジメント部 課長
久多良 圭太

●Googleのアプリ計測ツール最前線
●Firebaseとは? ~アプリ向けプラットフォームFirebaseの全体像と特徴
●Google Analytics for Firebase(Firebase向けGoogle アナリティクス)とGoogle アナリティクスの違いは? ~機能概要とレポートの紹介

「Google アナリティクスがいつ頃からスタートしたかご存知でしょうか?」 2005年11月のリリースから14年、この間にユーザーのデバイスはPCからモバイル端末へ、モバイル端末もガラケーからスマホへと移り、サービスとの接点もウェブからアプリへと変化してきました。スマホの1日の平均利用時間は約3時間、アプリからの利用が全体の84%という調査結果も報告されています(※1)。事業成長のためにアプリは不可欠になっており、さらにはIoT時代もすぐそこまで来ています。

(※1)出典・参考:スマホ利用は約8割が「アプリ」から/「ほぼ毎日利用するアプリ」は8個【ニールセン デジタル調査】:MarkeZine(マーケジン)

FirebaseはGoogleが提供するアプリ開発のプラットフォームです。利用者はバックエンドのインフラ構築に手間取ることなくアプリを開発・運用し、ビジネスの収益を高めることに集中することができます。Firebaseを構成するのは主に3分野、すなわち、開発(インフラ)、品質改善(監視・レポート)、ビジネスの成長(ユーザーの行動レポート、ユーザーへのアプローチ)のためのプロダクト群です。このうちビジネスの成長分野の根幹となるのがGoogle Analytics for Firebase(Firebase向けGoogle アナリティクス)です。

Google Analytics for Firebaseは、従来のGoogle アナリティクスと同じく、ユーザーの行動分析やダッシュボードによるレポートのためのツールです。ただし、あくまでFirebaseをベースにしたアプリ計測のためのツールであり、Google アナリティクスとはデータベースの構造も画面のUIもまったく異なる別個のプロダクトです。そのため、それぞれの特徴と違いをしっかり理解した上で利用していく必要があります。

基本的な特徴・違いは、アプリの計測・収集データが、Google アナリティクスではスクリーンビューベースであるのに対して、Google Analytics for Firebaseではイベントベースであることです。主な指標はイベント(ユーザーのアクション)とユーザープロパティ(ユーザーの属性)で定義して計測します。

このイベントとユーザープロパティは柔軟に定義でき、多種多様な指標に基づいたレポートが作成可能です。また、ユーザープロパティはオーディエンス機能でフィルタ条件として利用してユーザーリストを作成でき、A/BテストやCloud Messaging(プッシュ通知)、Dynamic Linksなどと連携してユーザーにアプローチすることも可能です。

その他、押さえておきたい違いや注意点、さらには、現時点でGoogle アナリティクスにあってGoogle Analytics for Firebaseにない機能等についても解説しました。なお、このGoogle Analytics for Firebaseを元にして、さらにアプリとウェブとのクロスプラットフォーム分析を可能にしたものが、アプリ + ウェブ プロパティ(App+Webプロパティ)(第3部)ということになります。

参加者アンケート結果(回答率64%時点)

・これまで自分で調べつつ実装していたのですが、自分の理解が間違っていたかどうかの答え合わせができた感じです。
・簡潔にまとめられている資料が見やすかった。
・GAとの違いなどをなんとなくイメージすることができた。

第2部「進化するFirebase 2019とその活用方法」

<講師>株式会社イー・エージェンシー
データ事業本部 クライアントサクセスマネジメント部
高橋 和成

●Google Analytics for Firebase(Firebase向けGoogle アナリティクス)におけるオーディエンスの進化と活用方法
●その他のアップデートとアナリティクスデータの活用方法

Firebaseはアプリ開発のプラットフォームながら、分析機能であるGoogle Analytics for Firebase(Firebase向けGoogle アナリティクス)単体でも着々と進化しています。このうちオーディエンスの機能拡張を5大進化(スコープ、シーケンス、時間制限、ユーザー最適化、サマリー)ととらえて解説し、Cloud Messaging(プッシュ通知)やダイナミックリンクと組み合わせた活用事例について紹介しました。

・カゴ落ちしたユーザーをオーディエンスとして設定し、プッシュ通知を作成・送信して購入を促す。
・さらに、カゴ落ちしたユーザーのうち、キャンペーンサイトから来たユーザーのみをダイナミックリンクで絞り込んでオーディエンスとして設定し、プッシュ通知を送信する。

プッシュ通知は画像付きにも対応可能になっています。その他、2019年の機能拡張をまとめて一覧し、フィルタ機能の強化と活用事例について解説しました。

・ユーザーがどのくらいアプリを起動しているか、性別・OS別に条件を掛け合わせて把握する。

こうして着実に進化してきたGoogle Analytics for Firebaseを元にして、さらに詳細な分析やアプリとウェブとのクロスプラットフォーム分析を可能にするのがアプリ + ウェブ プロパティ(App+Webプロパティ)(第3部)です。

参加者アンケート結果(回答率64%時点)

・アップデートの具体例をまとめていただいていて参考になりました。

第3部「2019年新たに登場したアプリ + ウェブ プロパティのご紹介」

<講師>株式会社イー・エージェンシー
データ事業本部 クライアントサクセスマネジメント部
石井 暢秋

●アプリ + ウェブプロパティ(App+Webプロパティ)とは何か?
●アプリ + ウェブプロパティの特徴的な機能とレポートのご紹介

アプリ + ウェブ プロパティ(App+Webプロパティ)は、Google Analytics for Firebase(Firebase向けGoogle アナリティクス)を元にして、アプリとウェブの間で共通の指標とディメンションの組み合わせを使用することにより、さらに詳細な分析やアプリとウェブとのクロスプラットフォーム分析を可能にしたものです。

Google アナリティクスのプロパティタイプの一つですが、アプリ・ウェブともにGoogle アナリティクスではなくGoogle Analytics for Firebaseのデータベースの構造に従って計測・レポートされています。画面のUIも異なっているため、Google アナリティクスを使い慣れたユーザーほど使いにくく感じるかもしれません。その違いについて、データ構造、計測方法、レポートメニューという3つの観点から解説しました。

さらに、実際にアプリとウェブを横断して分析できる4つのデータを紹介しました。

・アプリとウェブを合算したユニークなユーザー数
・アプリとウェブの両方を利用しているユーザー数
・アプリとサイト全体を通してユーザーがどんな経路で巡っているか
・アプリコンバージョンに対してのウェブ施策の貢献度

従来はアプリとウェブの横断的な分析はBigQueryによるデータ統合が一般的ですが、社内リソースや外注コストがネックになって実現するのが難しいこともあるでしょう。アプリ + ウェブ プロパティを利用すれば、基本的な分析なら手軽に実現可能になります。今後さらに機能が強化されていくと考えられます。

参加者アンケート結果(回答率64%時点)

・現在、App+Webプロパティを使用し始めたところなので、色々と勉強になりました。
・実際の管理画面を見ながらの説明で分かりやすかった。

アプリ + ウェブ プロパティは次世代のプラットフォーム 2020年の機能強化・拡張に期待

前年の2018年を振り返ると、例年に比べてGoogle アナリティクスのアップデートは控えめな印象でした。イー・エージェンシーがパートナーを務めるa2i(アナリティクスアソシエーション)のセミナーで、代表の大内氏が「ひょっとすると大きな進化の夜明け前なのかもしれません」と述べていたことも思い出されます(※2)。今回のGoogle Analytics for Firebase(Firebase向けGoogle アナリティクス)をベースとしたアプリ + ウェブ プロパティ(App+Web プロパティ)の登場は、まさにその大きな進化の第一歩目と言えるのかもしれません。

(※2)出典・参考:【活動報告】特別セミナー「Google アナリティクスアドバンスド Google アナリティクスとAI」 – 活動報告 | アナリティクス アソシエーション

第1部でもお話ししたとおり、消費者の行動はPCからスマホへ、ウェブからアプリへと移っています。IoT時代もすぐそこまで来ています。アプリ + ウェブ プロパティは、こうした時代の変化にあわせて登場した次世代のプラットフォームと言えるのではないでしょうか? 従来のGoogle アナリティクスのすべてが今すぐ置き換わるというわけではありませんが、今後さらに機能が強化・拡張され、アプリとウェブのクロスプラットフォーム分析はより手軽なものになっていくことでしょう。イー・エージェンシーとしても今後の進化に期待しながら、2020年のアップデートを注視していきたいと考えています。

 

▼今回のセミナーの開催インフォメーション
11/27(水)開催、無料セミナー「徹底解説!! Google Analytics for Firebase & App+Web プロパティ」

▼Google Analytics for Firebase関連記事
2019年度 Google Analytics for Firebase 活用法(Audiencesレポート編)

▼Google Analytics for Firebase関連記事(2016年時点)
アプリケーション向けログ解析ツール「Firebase Analytics」の紹介とFirebaseの基本的機能の紹介

▼Google Analytics for FirebaseをはじめとするGoogle アナリティクス導入・運用支援サービス
国内トップクラスの導入実績でお客様のデータ活用を支援 Google アナリティクス向け サービスDESK

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