共通ページフッターからのリンクがスパムになるとき/サイト内リンク戦略2012年版(前編)
この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、SEOmozの見解を反映しているとは限らない。
2012年以降のサイト内リンク戦略はどう考えるのが正しいのか? 現時点および近い将来において「最適化し過ぎ」対策アルゴリズムやフィルタの影響で問題となりそうなサイトワイドリンクについて、僕の考えを正確に示しておこう。
7月27日の金曜日、僕は「もっとスマートなサイト内リンクの張り方」というテーマでWhiteboard Fridayを担当した。見逃した人は(実際、いくつかグラフなどを見せているから、ただ聞くだけではなくて見る必要もある)、そちらも見ておくことをお勧めする。
また、そこで寄せられたコメントに見られるいくつか誤解を、この記事で解くようにもしたい。
フッタリンクは(本来)いけないものではない
何度か目にした質問は、そもそもサイト全体に共通なフッタを使うべきなのかどうかについてだ。
僕の答えは「フッタリンクは絶対使うべし!」だ。フッタリンクは、ユーザー体験をすばらしいものにしてくれる可能性を秘めている。特にモバイル機器を使ったネットサーフィンが増えている現状においては、わざわざスクロールしてページトップまで戻らなくても、次に訪れそうなサイト内のページにユーザーを誘導する優れたナビゲーションをサイトの下部に設置する必要性はますます高まっている。
SEOmozで使っているようなフッタリンクはよくできている。ウェブサイト内の最も重要かつ有益なページに誘導してくれるからだ。SEOmozのフッタは次のようになっている。
Zapposでも同じようなことをしているが、面白いことに、トップページでは各カテゴリページとは違うフッタを使っている(トップページのフッタとここに掲載したカテゴリページのフッタを見て違いを調べてほしい)。アンカーテキストを詰め込んだり、関連性の薄いページへのリンクを全ページに置いたりはしていない。メインのフッタは、確かに巨大だけれど、ユーザーにとって有益なリンクが含まれている。
Zapposが検索結果ページに登場する回数は右肩上がりに増えている。以下に、SearchMetricsのツールを使って調べた結果を紹介しよう。
問題は規模
このようなフッタが問題となる場合もある。利用範囲をウェブサイト全体に拡大した場合(サイトワイドリンク)や、マイクロサイトに用いた場合だ。これは、大規模サイト、特に旅行、ホテル、観光業界でよく見かけるやり方だ。
一般的なウェブページが次のような感じだとしよう。
構造はこんな感じだろう。これは極めて一般的な構造といえる。
それに対して、こちらは大手ホテルチェーンが運営するウェブサイトのトップページの例だ。
上記のホテルサイトのように、サイトのすべてのセクションからフッターリンクを張ると、すべてのページが、最適化されたアンカーテキストでリンクを張っているトップページのようなものになってしまう。しかもこうしたリンクは、関連性がないものが多く、ユーザーに何の価値ももたらさない。
次の図はリンク構造がグチャグチャになってしまった例だ。
マイクロサイトやフランチャイズサイトにも危険が潜んでいる
最近たまたま目にしたあるサイトには、サードパーティのフランチャイズサイトも多数あった。各フランチャイズサイトは、テンプレートに沿って作られていて(それ自体は必ずしも問題ではない)、フランチャイズが置かれている地域ごとに独自のコンテンツを提供している。僕が思うに、こうしたサイトはそれぞれ、ユーザーに価値をもたらしている。
ここで、そういったサイトのレイアウト例を示してみよう。(僕が思う)問題箇所を赤枠で強調してある。
こういったサイトの規模をさらに大きくすると、サイト間のリンク構成(そして、マイクロサイトの例の中にあるリンクは、すべてサイトワイドリンクだ)は、次のような形になってくる。
こうした関連性のないサイトワイドのリンクは、ユーザーにとって価値をもたらさないだけでなく、検索エンジンに対して各ページの関連性を伝えられなくしてしまう場合がある。
では、どのようにすれば「良いリンクの張り方」になるのだろうか。その答は「分類」にある。具体的な解説は、後編となる次回をお待ちいただきたい。
コメント
こんなんで前後編に
こんなんで前後編に分かれるのか。
今後のことを心配するならhtml5のタグを使えばいいんじゃない?
header, footer, nav, aside とか。
要はトピックの関連性をどう認識してもらうかなのです
編集部です。いつもWeb担をご覧いただき、ありがとうございます。
前後編に分かれているのは、契約やその他のいろんな要因の影響です。ホントは1記事でどーんと出したいところなのですが、やむを得ず……。
header、footer、nav、asideなどの要素と、今回の記事で扱っている内容は、かなり方向性が違うのです。詳しくは、来週公開される後編をご覧ください。焦らす形での記事公開になり、申し訳ありません。
あ、わざわざ落書き
あ、わざわざ落書きみたいなものに返信をいただき有り難うございます。m(_ _)m
Web担にしては珍しく程度の低い記事と思ってしまったのですが、
浅知恵とは方向が違うとのことで、なるほど「関連性」ですか、これは役に立ちそうです。
後編に期待しています!
はーい。来週の記事
はーい。来週の記事をお待ちくださいませ。
分割して焦らす形、誠に申し訳ありませんです。