日本最大のフリマアプリ「メルカリ」を運営するメルカリと、「よなよなエール」で知られるクラフトビール最大手のヤッホーブルーイング。
業界は異なるものの、成長を続ける2社に共通するのは、3つの“バリュー”を持ち、それを社員に浸透させることで強い組織を作っていること。
メルカリの小泉文明社長兼COOとヤッホーブルーイングの井手直行社長が、組織作りで重要視している“バリュー”経営について語り合った。
小泉氏と井手氏の対談「メルカリ×ヤッホーブルーイング ビアトーク~”バリュー”が誰にも真似できない会社をつくる~」は5月11日、東京・六本木ヒルズ内メルカリ本社で開催。登壇者と聴講者にはヤッホーブルーイングのクラフトビールが提供され、和やかな雰囲気の中でトークセッションは始まった。

リンクアンドモチベーション執行役員 麻野耕司氏(以下、麻野):メルカリさんもヤッホーブルーイングさんも、独自の企業文化を持っているということでメディアに取り上げられることも多いですね。両社とも、企業理念が社員に浸透していることが定量的にも証明されている企業。バリューをどのように経営に生かしているのか聞いていきたいと思います。
聴講者から事前に質問をいただいているので、それを順番に聞いていきます。最初の質問は、バリューをいつ、どんな方法で決めたのか。まずはヤッホーブルーイングの井手さんお願いします。

ヤッホーブルーイング代表取締役社長 井手直行氏(以下、井手):経営が苦しいときは、ミッションやバリューがないと、社員がばらばらになってしまう。こうした、どん底を経験したことがミッションやバリューを作ったきっかけです。
創業した1997年から売り上げは順調に伸びていたんですが、2000年代に入って地ビールブームが去ると、業績がガクンと落ちた。創業メンバーは皆、夢を持って会社を作り、仲も良かったのですが、業績が悪くなってくると会社の雰囲気も険悪になってくる。お互いに「営業が売ってこないから悪い」「醸造がもっと腕を上げないのが悪い」「そもそも日本で地ビールを根付かせようとしたのが悪い」とか、もう皆が好き勝手にいろいろなことを言って、辞めていく人も出てきた。
創業後しばらく、ミッションやバリューを作っていませんでしたが、私が社長になった2008年頃、社員が同じ方向にむかって仕事をするには経営理念が必要だと感じ、ミッションやバリューを順次作っていきました。
最初に上位概念のミッションを決めて、それを達成するためのビジョンを定め、ビジョンを支えるバリューを考えて――という順で作っていきました。

麻野:会社にとって大事なことはたくさんあると思いますが、3つのバリューはどのように絞ったのでしょうか。
井手:製品や会社に対するお客さまの声を整理し、うちの会社がファンから支持される理由を洗い出しました。また、クラフトビールの先進事例が多いアメリカで、高い人気を誇るクラフトビールの特徴も調べました。つまり、「弊社がお客さまから選ばれる理由」と「成功している他社の取り組み」を調べ、さらに「私自身が大事にしていること」を加味して3つに絞りました。
麻野:メルカリさんはいかがですか。
メルカリ取締役社長兼COO 小泉文明氏(以下、小泉):私は創業メンバーではなくて、少し遅れて入社したんですが、入社した当時のミッションは「インターネットで世界を変える」みたいな、ふわっとしたものでした。そしてバリューはありませんでした。これではいずれ方向性を見失って、会社がうまくいかなくなると直感的に思いました。なぜなら、私はミクシィの経営者だったときに失敗した経験があるからです。
SNSの「mixi」のような強いプロダクトがあると、経営陣が多少手を抜いていても、ある程度自然に会社のカルチャーが出来上がってしまうんですよ。プロダクトに求心力があるので、社員が勝手にまとまるんです。業績が良いときは、それですごく上手く会社が回る。
でも、業績が下がってくると急に求心力が低下して、それこそ皆が自分の「mixi像」を好き勝手に言い出して、まとまらなくなるわけです。
この失敗の経験があったので、メルカリに入社したとき、まっさきにミッションやバリューの策定に着手しました。「ミッション」は5年後、10年後の夢をみんなで語りながら考えるわけですけど、ミッションを達成するために僕らの会社はどう行動すれば良いのか、アイデアをひたすらポストイットに書いていった。そして、たくさんのアイデアをグルーピングして、最終的に3つに絞り込みました。
ぼくらが手がけているCtoCのマーケットプレイスは、ものすごく競争が激しい。多くの会社が参入して、しかも1位になった1社しか生き残れない、そういう市場です。つまりリスクを取らないと絶対に勝てないですから、「GoBold(大胆にやろう)」を一番大事にしています。

麻野:ミクシィの話が出ましたが、私もたくさんの企業を見てきて、事業が伸びているときは企業理念がなくても社員がまとまるものの、事業が伸びなくなったときに人や気持ちが離れていくことは多いと思います。でも、「事業」ではなく「理念」で結束している会社は、業績が悪化しても踏ん張れる印象はありますね。
小泉:ワンプロダクトの会社は、事業と会社の思いがオーバラップすることが多いですが、その場合、事業が伸びなくなると会社も崩れてしまう。だから弊社は意識的に会社とプロダクトを分けるようにしています。たとえばグーグルも、検索エンジンの「Google」と会社で働く「グーグラー」のイメージを分けていますよね。
麻野:2人の話を聞いていて、バリューがうまく機能している会社というのは、事業とバリューがしっかりリンクしている印象を受けました。自分たちのビジネスを踏まえて、それを成功させるにどのようなバリューが必要かを考えているんですね。
麻野:企業理念を作る会社は多いですが、バリューが社員に浸透していないケースもあると思います。バリューを浸透させるために大切なポイントとか、うまくいった施策があれば教えてください。
井手:ポイントは1つしかないと思っていて、それは「トップが諦めない」こと。それだけなんですよ。ことあるごとに社員の前でミッションやビジョンを口に出す。徹底できていなかったら、その場で指摘する。壁にも張り出していますし、研修もします。もう、あの手この手を使って徹底させる。
トップが徹底すれば経営理念が浸透しないはずないんですよ。浸透しないということは、僕が言うのもおこがましいですが、トップが本気じゃない。それだけだと思いますね。
麻野:トップのコミットメントが大事だと。非常にわかりやすい。メルカリさんはどうですか
小泉:全く同感ですね。僕らはバリューをとにかく「見える化」してます。たとえば、会議室の名前を「Bold」にしました。そうすると、社員は自然と口に出しますから。バリューを印刷したTシャツを作るとか。
麻野:社員が思わず口に出してしまう状態を作るということですね。
井手:小泉さんの話を聞いて思い出したのは、弊社の社員があるとき、「クラフトビールの革命的リーダーになる」とか「自ら考えて行動する」とか、企業理念が書かれた日めくりカレンダーを自発的に作ったことがありました。面白おかしく、ビジュアルも入れたりして。
社員が増えてきたことで、新しく入ってきた人たちに経営理念が浸透してないのではないかと、古参の社員が問題意識を持ったわけです。すごいなと思うのは、僕が何も言わなくても社員が自分で考えて行動してくれたことですね。

麻野:トップのコミットメントという話も出ましたが、次の質問は「事業に目が向きがちな経営陣にバリューにこだわってもらうには、どうすれば良いか」というものです。いかがですか?
小泉:先ほど麻野さんがおっしゃった通り、大事なことは「事業とバリューが紐付いていること」ですよ。事業で勝つためにバリューを作れば、かならずバリューを浸透させようとするはずですよね。
社長がバリューにコミットメントしない会社は、事業とバリューが離れていると思います。事業とバリューが離れていると、バリューは単なる社長の価値観になってしまうので、それでは浸透しません。
弊社は3つのバリューを、さらにブレークダウンして9つの価値を定め、それらを人事評価や採用などの判断基準に使うなど、バリューを事業と密接に結び付けています。
麻野:事業と行動指針が紐付いていれば、行動指針を浸透させることが業績につながるということですね。井手さんはいかがですか?
井手:小泉さんの意見に同感です。うちの会社は業績がどん底だったとき、社員が同じ方向を向いて働けばきっとすごい力を発揮すると信じて経営理念を作りました。そうしたら実際に結果が出ました。経営理念を徹底したことで、12年連続増収増益という業績に現れているんですよ。業績を伸ばし続けるには、経営陣の能力に頼るのではなく、経営理念が浸透したチームで勝っていくしかないと思っています。
麻野:短期的な勝利は、もしかすると事業とか個人から生まれるかもしれないけど、中長期的に勝ち続けるには理念とか組織が大事だということですね。それに付随して、バリューを起点とした経営の本質的な強さや価値を聞きたいです。すでに語っていただいた部分もありますが、バリューを浸透させておいてよかったと感じた具体的な場面があれば教えていただけますか?
小泉:僕らの会社は「Go Bold」が浸透したことで、リスクテイクする意識が強まりました。言葉の魔力みたいなものがあって、迷うんだったらやろう、どんどんリスクテイクしようという文化が醸成されるんですよ。そのことが良い結果を生んでいると思います。積極的にリスクテイクして、博打に勝ってきたから成長できているわけですから。最近はリスクテイクを乱発しすぎて、もう少し検討して欲しいと思うこともあるんですど(笑)。
井手:経営理念がなぜ大事かということですが、社員が経営理念に基いて業務上の判断を行うと、経営陣と社員の判断の差異が減ってくるんですよ。全員のベクトルが合ってくるので、それまで会議を5回やらないと決まらなかったことが、1回で決まるようになる。そうすると当然、生産性が高まって業績も良くなるわけです。
事業の方針に納得していない人は、仕事に「やらされてる感」を持ってしまい、本来の力を発揮してくれません。でも、僕たちの会社は、全員が事業方針に納得しているから、社員の力を足し算すると10人の力が20にも30にもなるんですよ。経営理念が徹底されていると、ただの人の集まりが「チーム」に変わると思っています。
麻野:次は人事に携わっている方からの質問です。「会社にとって必要なスキルを持っているものの、会社のバリューに合わない応募者がいた場合、採用しますか?」 というものですが、いかがでしょう?
小泉:採らないですよ、採るわけないじゃないですか、バリューが大事だってこれだけ言っておいて(笑)
経営理念はある意味、応募者に対する「踏み絵」だと思っています。会社の考え方に同意しますかを問う踏み絵。僕らはオウンドメディアの「メルカン」などを通じてバリューを発信しています。それは、バリューに合う人だけに応募してきて欲しいからです。
麻野:井手さんはいかがですか?
井手:ここで採りますって言ったら非難轟々でしょうけどね(笑)。うちも絶対採らないですよ。今年の新卒は12人が入社したんですが、応募者は1000人ぐらいいました。採用面接で僕らが見るのは「優秀であること」と「経営理念に合っているか」という2軸です。両方重要ですが、どちらをより重視するかといえば、「経営理念に合っているか」です。
麻野:それでは会場から質問を受けたいと思います。
会場の質問者1:3つのバリューに優先順位はありますか?
小泉:①Go Bold(大胆にやろう)②All for One(すべては成功のために)③Be Professional(プロフェッショナルであれ)の順番です。メルカリは「ウィナーテイクスオール」(勝者独占方式)の市場にいるので、とにかくリスクテイクが大事だということで「Go Bold」を最も重視しています。ちなみに、ミッションは変えることはありませんが、バリューは毎年見直します。事業のフェーズによって大事なことは変わりますから。
井手:うちは①革新的行動②顔が見える③個性的な味――という順番です。「革新的行動」っていうのは、社風やビールのコンセプト、味、デザイン、ネーミング、プロモーションなど、全てにおいて革新的であれということ。ビール業界に風穴を開けて、もっとビール業界を新しくして、消費者に新しい楽しみを我々が提供していこうという思いがあるので、「革新的行動」を最も大事にしています。

会場の質問者2:メルカリの小泉さんに質問です。バリューを決めるとき、どのぐらいの社員が参加したのでしょうか。
小泉:バリューは役員だけで決めました。会社の方向性はトップダウンで決めるべきことですから。バリューを決める場に社員を加えると、いろんな人の顔が見えてしまうので、バリューの言葉がマイルドでつまらないものになってしまうと思います。
ミッションが決まり、それを浸透させる段階で社員を巻き込んでいきます。ミッションやバリューを決めた翌月、社員合宿を行いました。バリューは決めるだけでは意味がなくて、浸透まで責任を持つことが大事ですからね。
会場の質問者3:井手さんに質問です。約2年半前にキリンビールと業務提携し、生産委託を開始しましたが、製造を外部に委託することでバリューに影響はありましたか?
井手:キリンさんと業務提携した目的は、売り上げの成長速度に製造設備が追いつかなかったからです。委託を決めるとき、弊社のお客あまの声や、海外の事例など、いろいろなことを分析し、大手と提携しても3つのバリューさえしっかり守っていればファンは離れないと判断しました。
社外で製品を造っていてもファンから強烈に支持されている例としてAppleがありますよね。Apple製品はすべて製造を委託していますけど、そんなことはファンには関係ないわけです。
会場の質問者3:キリンビールにネットマーケティングなどのノウハウを提供しているとのことですがバリューをどう扱っているのでしょうか。
井手:キリンさんにはレシピも全部開放しているし、ノウハウも全部教えています。全部オープンなんですよ。参考になることがあれば、どうぞやってくださいと。でも、できないんですよ。カルチャーが違いますから。うちはキリンさんだけでなく、同業他社に対しても全てオープンにしています。毎週のようにいろんな会社の方が見学に来るんですが、すべてオープンにしています。
小泉:全部オープンにするって大事なことだと思っていて、うちも「メルカン」で社内のことを全てさらけ出しています。オープンにした結果、社員が自分の仕事にプライドを持つようになりました。社外から「すごいですね」「こんなことやってるんですか」と言われると、もっと社会を驚かせたい、もっと新しい仕事を作り出して社会に気づいて欲しいという気持ちが湧いてきて、セルフモチベートされていく。アウトプットの質がよくなるんです。
井手さんがおっしゃってたように、オープンにしても真似できません。真似しても意味ないんですよ、会社の状況も事業も違いますから。
麻野:最後に2人から「真似できない、文化が違う」という言葉が出たのは、今日のテーマとしては非常に良かったと思います。
そろそろ終了時間が近づいてきましたので、最後に2人からメッセージをいただいて終えたいと思います。
小泉:会社のバリューを末端の社員まで浸透させれば、会社の競争力につながりますし、そういう会社が日本をどんどん元気に強くしていくのだと思います。皆さんの会社も何か強みを見つけていただければいいんじゃないかなと思います。僕からは以上です。
井手:最後に3つ言いたいことがあります。1つ目は、何かしら皆さんの参考になるようなものを提供できたなら嬉しいなということ。2つ目は、お話ししきれなかったことも含めて、うちの会社のことをまとめた書籍を出したので、よかったら買ってください。そして3つ目、これが今日の一番大事なことなんですが、みなさんのテーブルの上にビールあるじゃないですか、これローソンとかで売ってます(笑)。買ってください(笑)。
麻野:ということでセッションは以上です。ありがとうございました。
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オリジナル記事:メルカリとヤッホーブルーイングの社長が語る「強い組織を作る“バリュー”の重要性」
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リクルートライフスタイルは開設から4周年を迎えた仮想モールの「ポンパレモール」について、昨年夏から開始した試験広告を今期は定期サービスとするほか、中国をはじめとした越境ECへの展開も強化するなど新たな方針を打ち出している。モール運営責任者の山下隆太プロデューサーに前期の状況と今後の方向性について聞いた。(聞き手は通販新聞記者・山﨑晋)
――昨年8月に試験開始した出店者向けの広告の進捗は。
「出店者からの要望が想定以上にあり、トップページのバナーや会員向けメルマガなどで開始したもの。まずは一部出店者を対象としていたが、3月までの広告売り上げは当初の計画値の145%となった。出店者にとって大きな効果も得られたのでこの4月からも(正規サービスとして)継続する方針。売り上げを一緒につくることが大事なので、フォロー担当と話し合いながら他の店舗の要望も受けていく」
――出稿した出店者の具体的な成果は。
「配信先のセグメントなどが綿密に話し合いながら決められるので、例えば(リース契約で)自動車を取り扱う出店者がメルマガ広告を行った際に、女子向けの“お車女子”といった切り口などで会員をセグメントして配信した。当初は自動車をメルマガで売ることがイメージできなかったが、開始以前と比べて売り上げが大きく伸び、今では集客の1つの柱になったという。メルマガの制作については依頼があればこちらで受けるし、持ち込みにも対応している」
――昨年度は越境EC向けのサービスを相次いで導入した。
「『Tモール』『ジンドン』『イーベイ』など(中国の)主要モールにポンパレの旗艦店を“モールinモール”という形で立ち上げ、出店者が越境ECをできる環境を作った。(中国のモールは)審査が厳しいので企業が個別出店するのは難しい状況。パートナー企業と組んだ購入代行の仕組みでやっているので、翻訳や物流、決済など難しい手間はすべてこちらが負担する。出店者は商品を掲載するだけで、国内アカウントで(取り引きが)完結できる」
――利用状況はどうか。
「とにかくマーケットが桁違いなので、『独身の日』には前日比で50倍の売り上げを記録した。中国の消費者が日本製の正規商品を求めていることから、化粧品などの引きが非常に強いことが分かってきた。
ただ、数字は伸びているが、掲載点数がまだ少ないのでこれからだと思う。今のところ『Tモール』への出店者数としては10店舗にも満たないような段階。商品画像などポンパレで使っている素材がそのまま利用できないケースもあり、ここら辺の大変な作業をクリアして商品を増やしていくのが今後の課題」
――中国の消費者の傾向などについては。
「日本よりも進んだECユーザーで、購入前の価格比較などは徹底しているケースが多い。価格競争がある中で、出店者と一緒になってどれだけ価格面の調整を進められるか。半年間で売れることは分かったので、あとはどう売っていくか、どれだけ売り上げの割合を増やすかのフェーズに入っている」

――現在の出店者数や取扱商品数は。
「毎年1000店舗ずつ増えていたが16年度は前年比で500店舗増の3500店舗(3月末時点)となり、商品数は3400万点となった。これまでは店舗数、商品数を増加させることに注力していたが、今は規模の拡大だけでなく売り切れ商品を減らしたり、良い価格で提供することなどに注力している」
――直近で出店者向けに追加した機能は。
「3月に商品データアップロードに関して自動変換の機能を追加した。他のモールに多店舗展開している出店者が多いため、商品登録をはじめ画像のサイズや数、細かいファイル形式などについて他のモールで使っているデータを自動変換でそのまま取り込めるようにした。これまでかかっていた作業の手間を緩和することで販促や分析に関する業務に集中できるようにしている。ユーザビリティー面でも前年度の下期にABテストを繰り返しながら改善させた」
――そのほか、今期に取り組んでいくことは。
「1つがスマートフォン対応。アクセス数ではPCアクセスの伸び率に対して150%となっている。しかしコンバージョンレートで考えると、腰を据えて購入するPCに対しては隙間時間で利用している顧客が多いのでまだ余地がある。その点から12月~3月にかけて集中的にトップページの配置やスマホサイトの商品選択、購入などのメイン導線を変えた」
――具体的に変えたポイントについて。
「『ホットペッパー』や『じゃらん』の顧客がポイントの利用先としてポンパレモールに来た際、リクルートIDを持っているにも関わらずログイン画面で『新規登録』を選択してしまうことが多く、そこで分からなくなって離脱につながっていた。今はログイン画面にじゃらんなどのロゴを配置することで、(共通の)リクルートIDが使えることを明確にした。
購入確認画面でも『配送日』の入力欄は空白で顧客が入力する仕組みだったが、最短配送日を最初から表示するように変更した。それだけで離脱率の低下に大きくつながった」
――スマホサイト設計でこれから重視していくことは。
「スマホサイトの作り方はPCに載せている情報をベースにどこを削っていくかという進め方だったが、今後はスマホはスマホだけで一から別々に考えていく方針に改めている。アクセス数ではすでにスマホがPCを抜いた。売り上げについても今年度中にはスマホが逆転するだろう」
ポンタポイントユーザー集客へ
――再配達問題など通販物流に関して社会の関心が高まっている。
「再配達が増えると配送コストが増え、結局は利用者の負担につながってしまう。モールとして取り組むべき課題だと位置付けており、例えばコンビニやロッカーなどで受け取れる仕組みを今夏頃に何かしらのサービスとして提案する」
――今後の目標は。
「昨年度の仮想モール市場はポイント還元の消費戦が激化していた。今年度はそこに携帯キャリアも参画して4月以降もさらに進んでいくだろう。その中で我々としては(昨年2月にリクルートポイントと完全統合した)『ポンタポイント』をいかに使いやすくするかだと思う。
ポンパレモールが振り出しているポイントの100倍以上の『ポンタポイント』が世の中に振り出されている。それだけ多くの利用者がいるのであればまだまだ白地がある。今後はそこを何%まで取り込んでいくかという部分を追求したい」
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オリジナル記事:リクルートのECモール「ポンパレモール」が取り組む2017年の戦略まとめ | 通販新聞ダイジェスト
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子供服大手の西松屋の2017年2月期におけるEC売上高は、前期比145.9%増の約26億円だった。
「インターネット販売の拡大による新たな顧客層の獲得」を成長戦略の1つに掲げ、物流センターを新設して配送日数を短縮するなどサービス向上に取り組んでいる。
贈答用のニーズを取り込むため「西松屋チェーンギフトカード」の取り扱いも開始している。
2016年12月にEC専用の配送センター「ネット東日本センター」を茨城県常総市内に開設。午前中の注文は当日発送、正午以降の注文は翌日発送が可能になった。複数の商品を一括配送する体制も整えた。
従来のEC物流はリアル店舗向けの物流センターを使っていたため、オペレーションがECに最適化されていなかったため、注文から商品発送までに3~5営業日かかることもあった。
また、複数の商品を同時注文した場合、商品が保管されている物流センターが異ると商品を同梱できないことも課題だった。

西松屋のネット通販は、都市部など出店しにくいエリアの顧客獲得を進める目的などで展開。KDDIコマースフォワードが運営する「Wowma!(ワウマ)」店を公式通販としてネット通販を展開し、楽天市場などにも出店している。
ネット消費の伸張を見据え、今後もEC事業の強化を図る。海外販売も視野に入れており、2021年2月期にEC売上高100億円をめざす。
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オリジナル記事:ベビー用品の西松屋はEC売上45%増の26億円、通販専用デポの稼働でサービス強化
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ヤマト運輸は5月19日、宅急便の基本運賃と一部サービスの規格を10月1日に改定すると発表した。基本運賃を荷物1個あたり140~180円値上げする。
荷物の受け取り場所を宅急便センターに指定した場合、運賃を1個あたり50円値引きする新たな割引制度も導入する。
料金改定やサービスの変更は4月28日に公表した「2017年度 デリバリー事業の構造改革」に基づく措置。
宅急便料金の基本運賃(税抜き価格)の改定幅は以下の通り。
新たな割引制度として、10月1日以降、店頭端末で発行したデジタル送り状を利用した場合、荷物1個につき50円を割り引く(デジタル割)。
また、クロネコメンバーズ会員が発送時に直営店に荷物を持ち込んだ場合、現行の持ち込み割引と合わせて1個あたり合計150円を割り引く(現行の割引額は1個100円)。
荷物の届け先を自宅ではなくヤマト運輸の直営店(宅急便センター)に指定した場合、通常の宅急便運賃より荷物1個あたり50円値引きする。

一部サービスの規格も改定する。「スキー宅配便(オールインワン型)」は現行の140サイズから160サイズに改定。「ゴルフ宅急便」は現行の120サイズから140サイズに改定する。
スーツケースの取り扱いは実サイズを査定し、現行の上限サイズを120サイズから160サイズに改定する。
ヤマト運輸は近年、配送単価が下落していることや、外注費がかさんだことから利益率が低下。宅急便取扱数量の急増に伴い労働需給が逼迫しており、今期は増員による人件費の上昇も予想される。
収益悪化に歯止めをかけ、持続的な成長を図るため、大手通販に対する運賃の値上げや荷物取扱量の適正化などに取り組む。2018年3月期は宅急便1個あたりの配送単価を前期比5.9%増の592円に引き上げる計画だ。

オープン型宅配ロッカーを前倒しで導入するなど、再配達削減に向けた取り組みも進めている。
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オリジナル記事:ヤマト運輸の運賃値上げは10/1実施、1個50円値引きのデジタル割など割引制度も用意
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5月17〜19日に米マウンテンビューで開催された Google I/O 2017 の「From AMP to PWA: Progressive Web AMPs」というセッションで、日本の楽天レシピの成功事例が紹介された。AMP と PWA を組み合わせたことによって、楽天レシピは大きな成果を手にしている。
- 滞在時間50%↑、PV3.1倍、直帰率75%↓――AMP+PWAで楽天レシピが大成功! #IO17JP -
Posted on: 海外SEO情報ブログ - SuzukiKenichi.COM by Kenichi Suzuki

「ショップジャパン」のブランドでテレビ通販やネット通販を手がけるオークローンマーケティングは5月、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)によるマーケティング施策の効果を可視化するツールを導入した。
SNSユーザーの行動データや心理データなどをクラウド上に蓄積、マーケティング施策がユーザーに与えた影響度を定量的・定性的に可視化する。
導入したツールは、ソーシャルメディアマーケティング支援を行うアライドアーキテクツが開発した「ブランドタッチマネージャー」。
SNS公式ページに対するリアクションやSNS広告に対する反応、アンケートの回答結果など、SNSで収集した多様なユーザーデータを蓄積。それらのデータをWeb上の行動データと掛け合わせることで、ユーザーを「Fan(愛好家)」「Prospect(潜在顧客)」「Customer(顧客)」「Loyal(忠誠心の高い顧客)」の4段階に分類し、統合管理する。
そして、SNSを活用したマーケティング施策によるユーザーの態度変容を測定することで、マーケティング施策の「消費者への影響度」を可視化する。
WebキャンペーンやSNS広告のほか、テレビCMや店舗と連動したサンプリングプロモーションの効果を測定することも可能だ。
オークローンマーケティングのデジタルマーケティング部・野崎勝弘副部長は、「ブランドタッチマネージャー」を導入した狙いについて次のようにコメントしている。
これまでマス広告を中心としたダイレクトマーケティングに注力してきましたが、今後、SNSを中心としたデジタル施策のさらなる拡大を見据える中で、通販事業に対してSNSが与える影響を明確化しきれずにいるという課題を感じていました。
今回、「ブランドタッチマネージャー」の導入によってSNSに関連するお客様の「状態」を可視化することで、これまで計測することのできなかった"SNSのビジネス価値"を見出すことができると考えています。
今後は「ブランドタッチポイント」を軸にSNSと他のマーケティング施策との連携を強化し、お客様により価値のある接点の提供および顧客獲得基盤の拡大を行っていく予定です。
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オリジナル記事:SNSマーケティングの効果を可視化する測定ツール、テレビ通販のオークローンが導入
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ヤマト運輸が宅配運賃の値上げや総量コントロールなどを明らかにした「2017年度 デリバリー事業の構造改革」。改革初年度の成果をヤマト運輸はどのように見積もっているのか?
ヤマト運輸が5月に発表した今期(2018年3月期)の見通しによると、宅急便1個あたりの配送単価を前期比5.9%増の592円に引き上げる計画。大口顧客に対する値上げや、荷物取扱量の適正化などにより単価を上げて収益改善を図る。
宅急便の取扱個数は同4.4%減の17億8500個に減る見通し。ネット通販の拡大に伴い取扱個数の増加が続いていたが、配送人員の不足や長時間労働を解消するため戦略的に配送個数を減らす。
前期(2017年3月期)は大口通販事業者の成長やフリマECの普及などに伴い宅急便取扱個数は前期比7.9%増だった。ただ、物量の増加に反して宅急便単価は同3.3%下落。

取扱個数の急増に伴う労働需給逼迫により、宅急便配達の委託が増え、外部業者への「委託費」は同11.2%増の2418億円に膨らんでいた。今期の「委託費」を2370億円(前期比2.0%減)にとどめる計画。取扱荷物の抑制により外部への委託を減らす。
また、「新たな労働力を確保」するとしており、採用を加速する。社員給付は2017年3月期の5136億円から、今期は5300億円に増える見通し。
単価下落や委託費増加といった収益悪化を食い止め、持続的な成長と収益力強化を図るため、「2017年度 デリバリー事業の構造改革」を4月28日に公表。ヤマト運輸は宅配便運賃の値上げや取扱荷物の総量コントロール、社員の労働環境の改善などに着手した。
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オリジナル記事:ヤマト運輸、運賃値上げと総量抑制で宅急便単価5.9%UPの592円を計画
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