適切なSEO事業者を選ぶ10の方法と信じちゃいけない都市伝説(前編)
少し前に、とある記事を読んで以来、「SEO事業者の選び方」というトピックを当然取り上げるべきだと強く感じ、実は、2か月ほど時間をかけて断続的に書いてきたんだ(もちろんそのせいで、流れをすっきりさせるために、ほぼ全面的に書き直さなければならなかったりもしたけど)。
あまり細かい話をしたり個別のケースにこだわったりするよりも、みんなが自分にはどんなタイプのSEO事業者が必要かを見極める手順と、その選び方について掘り下げるだけの方が役に立つと思う。それじゃ早速、僕からのアドバイスを書いていこう。
- まずは目標設定から
チームで相談して、SEO事業者の協力を得ることで何を達成したいのか、目標を明確にしておこう。
自分たちのやり方がベストプラクティスに沿っているかどうかをチェックしてもらうだけでいい場合もあるし、サイトの積極的なプロモーション方法について、正しい知識を得られるようマーケターやコンテンツ制作者を鍛えてもらう場合もある。
自分が最終的に達成したい目標のリストをきちんと作っておけば、最終的な成果もより正確に評価できるだろう。
これまで、僕たちが一緒に仕事をしてきたクライアントの中には、自分たちが何をしたいのか実はよくわかっていない企業が何社かあった。それでも構わないんだけど、そうなると、僕らの仕事が若干組み立てにくくなるし、企業側にSEO事業者を格別と言えるほど信頼してもらわなきゃいけなくなる。こういう場合、僕は計画立案にも関与し、目標を設定して、それをクライアント側の責任者に確認してもらうといったことを実際にやってきた。まあ、この方法でもうまくいくけれど、これだと、クライアントが本当に望んでいる内容ではなく、クライアントが望んでいると僕が思っている内容になってることもあるんじゃないかと、ときどき心配になるんだ。
それはさておき、クライアント自身よりもSEO事業者の方が、クライアントに必要なものを理解しているという場合もある。そこで、双方のベストな部分を引き出すために、どのように目標を設定すべきか、SEO事業者の考えを聞き、自分たちの作ったリストとすり合わせるといいだろう。
- 友人知人に相談する
自分に適したSEO事業者を見つけるうえで最も力になってくれるのは、君をよく知る人たちだ。友人、知り合いの会社経営者、SEOブロガーなど、信頼できる知人に話をしてみよう。
僕個人の意見を知りたいと真剣に思っているんだったら、まずはSEOmozの推奨SEO事業者リスト(英語圏)から検討してみるのもいいだろう。ただしその場合も、ここには挙がっていなくて、君のところにもっと合う会社が多数あるはずなので、そのことは忘れずに。
さて、自分の友人知人に相談するとき、相手には自分のプロジェクトと目標について少しは打ち明けてから相談すること。間違っても「いいSEO屋を知らない?」なんていう尋ね方は禁物だ。相手に与える情報が多ければ多いほど、良いアドバイスが貰えるんだから。
少なくとも、地元の業者にこだわるのか、企業がいいのかフリーランスでもいいのか、ぐらいは相談するときに情報として相手に伝えておきたい。
- SEOに詳しい信頼できる人からアドバイスを得る
ジェシカ・ボウマン氏が5月28日付のSearch Engine Landの記事で、外部の業者に頼る前にSEOについて少なくとも基本的な部分は知っておくべきだとする意見を述べていた。もし君の会社がSEO事業者を探しているのなら、ボウマン氏のアドバイスが役に立つと思う。
その1つの方法として僕が強くお薦めするのは、SEO関連の掲示板やブログ、サイトなどに顔を出し、そうしたサイトの中から信頼できる人物を見つけてお近づきになるという方法だ。お薦めのSEO会社やコンサルタントについてアドバイスをお願いしてみれば、そういう人たちとも簡単に関係を築けるものだ。僕も週に何度かそういう相談に乗ってるよ(実を言えば、相談の大部分はスコットが回答してるんだけどね。ありがとう、スコット!)。
SEOに携わっている人間というのは、概して、すぐれた会社や優秀な人物には驚くほど親切に仕事を紹介したりするんだ。友人や知人の意見から、良さそうなSEO事業者の名前がいくつか挙がっているのなら、各事業者について専門家に尋ねてみれば、どこが優秀でどこがハズレか、貴重な意見が聞けるだろう。
- (クライアントのリストではなく)過去の成功実績のリストを見せてもらう
初めてSEO事業者に連絡を取るときには、自分が求めているものと、自分が誰なのかをきちんと伝えよう。それで、そのプロジェクトを引き受けてくれるかどうか、相手の返事を待ってから話を続けるんだ(力になってもらえない相手にエネルギーを浪費する必要はないけど、必ずほかの業者を紹介してくれるよう頼んでみること)。
話が前に進めば、次は相手に対する信頼を築く段階がくる。そのために一番良い方法が「成功実績のリスト」を見せてくれるようにお願いすることなんだ。
ここで「クライアントのリスト」と言っていないことに注意。「クライアントのリスト」では間違った印象を与えるおそれがあるからだ。SEOmozにも、とても成功を収めたとは思えず、潜在顧客の判断材料になんかしてもらいたくないような「クライアント」が山ほどいる(成功しなかった主な理由は、相手側が僕らの提供するSEOアドバイスを忠実に守らなかったから)。クライアントのリストを見せてもらって、そのサイトに行ってみたらSEOのやり方が杜撰だったという場合でも、それがSEO会社のせいなのか、それともクライアントが単に助言に従おうとしなかった(あるいは従えなかった/従わなかった)せいなのかを知るのはとても難しい。こんなことはよくある話なので、僕としては是非、業者の専門性がよく表れている実績を見せてもらうことをお薦めする。SEOmozなら、僕らのアドバイスですばらしいサイトを作り上げたクライアントとして、YelpとかIncBizNet、あるいはNPR.org(National Public Radio)などの名前を挙げるだろうな。
ちなみに、クライアントのリストを貰うのが無駄だと言っているのではない。クライアントのリストからは多くのことがわかるからだ。そのSEO会社/コンサルタントが通常取り扱っているクライアントの規模や所在地、業種とかね。電話やメールだけでは通常、そこまでのことは見えてこない。
- 電話で話す、あるいは(可能なら)実際に会って話をする
メールは、初めて連絡を取る場合には優れたコミュニケーション手段だが、自分が一緒に仕事をする相手を実感できるのは、電話か直接会って話すほうだろう。営業担当者だけではなく、仕事を進める過程で関係しそうな相手とも必ず話をすること(相手が規模の大きな会社ならばなおさらだ)。知識が豊富でカリスマ的なSEOリーダーと契約したのに、実際の運用管理は未熟な若手チームに丸投げ、なんてことになったら最悪だ。
電話やミーティングでは、必ず友好的な関係を築くこと。もし、個人的な印象として虫が好かなかったら、その感触を無視してはいけない。優秀なSEOと組むのはすばらしい。けれども、気持ちよく一緒に仕事ができないのであれば、プロジェクトが成功する見込みは低い。誰だって、自分が好きになれる相手、相性のいい相手と仕事をした方がうまくいくと思うよ。せっかく良い信頼関係を築いた相手を失望させたくないという心理的圧力が生じ、その圧力が、潜在意識レベルでも意識レベルでも、共同作業のあらゆる部分に伝わるからだ。
- いくつかの問題点について、契約前にメールで質問をぶつける
契約締結前にはいかなる作業にも関与しない、というSEOコンサルタントが一部にいることは知っている。しかし少なくとも、ある問題にどのようなアプローチの仕方があるか、それが重要な問題か否か、それを解決するためどんな戦略を推奨するかといったことは、きちんと(たとえ大ざっぱなレベルでも)話をしてもらうべきだ。
SEOmozでは、ほとんどのクライアントに対して、僕はそういう話をしている。複製コンテンツの問題を洗い出したり、インデックス化が妥当なレベルで行われていない理由を見つけたりということは、契約するずっと以前にやってるんだ。そういうことで、SEOの知識に対する信用が高まるのだし、そのSEOはどんなふうに問題を解決してくれるか、お互いの仕事関係やアドバイスはどんなふうに進んでいきそうか、何となくわかってくる。
- 紹介状?
こんなことを言うと非難されるかもしれないけれど、僕は紹介状があまり役に立つとは思わない。紹介状に悪いことを書く人はいないし、友人をインターネット企業か何かのCEOに仕立て上げることなんか、誰にだってできるんだから。紹介状以外に、そのSEOが優秀で一緒に仕事をする価値があるかどうかわかる資料が入手できなければ、ほかを当たったほうがいい。救いようもなく出来の悪い人物でもないかぎり、紹介状には必ずすばらしいことが書かれている。
この記事はかなりの分量があるため、前後編に分けてお送りする。次回は、適切なSEO事業者の選び方の続きと、補足事項をいくつかお届けする。→「適切なSEO事業者を選ぶ10の方法と信じちゃいけない都市伝説(後編)」を読む
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