BtoBマーケターが注目する「LinkedIn広告」とは? 特長と種類、出稿方法を解説!
ビジネス特化型のSNS「LinkedIn(リンクトイン)」が、BtoB企業に適した広告媒体として、日本でも認知され始めているという。
「日本企業による広告出稿は増えていて、以前よりも会社の規模や業種の偏りがなくなってきました」と、LinkedIn の堀 母日花(ほり もにか)氏は語る。
この記事では「LinkedIn広告」に焦点を当て、次の3つを解説する:
- LinkedIn広告のメリット
- 広告の種類
- アカウント作成から配信まで
LinkedIn広告の3つメリット
LinkedIn広告の特長として、次の3つが挙げられる:
メリット1ビジネスパーソンにリーチできる
LinkedInは他のSNSと比べると、ビジネスに関心の高いユーザーが集まっている。とある調査によると、FacebookやTwitterを利用する理由が次の2つがメインだった:
- 楽しむため
- 友人と交流したい
それに対し、LinkedInを使う目的として多いのは次の3つだったという:
- キャリアを伸ばしたい
- 新しい機会を探す
- リーダーや専門家から学びたい
ビジネスに対して意欲的なマインドセットを持っているのが特徴だ。さらにビジネスにおける意思決定層が多く、購買力が高い傾向があるという。そうしたビジネスパーソンに向けて広告を届けられる。
メリット2プロフィールをもとに、業界や役職でターゲティングが可能
世界に9億3000万人いるユーザーのプロフィール情報をもとに、細かくセグメントを設定して効率よくターゲットに広告を届けられる。たとえば、次のようなカテゴリから配信先を絞れる:
- 勤務先
- 職務レベル
- 学歴
- 関心トピック&アイデンティティ
LinkedInは、ビジネス目的で活用されることが多いため、ユーザーが登録情報を正確に、かつ最新情報にアップデートしている点が一般的な特徴として挙げられます(堀氏)
企業名でターゲティングができるため、BtoB企業の戦略において有効とされる「アカウント・ベースド・マーケティング(ABM)」も大規模で実施できるという。またLinkedInならば、海外にもスムーズに広告配信ができる。世界に9億3000万人のユーザーがいるだけに、海外プロモーションにもうってつけだ。
メリット3認知からリード獲得までフルファネルに活用できる
LinkedIn広告では、広告配信の目的を次の7つに分けている:
- ブランド認知
- ウェブサイト訪問
- 動画視聴
- エンゲージメント
- ウェブサイトコンバージョン
- リード獲得
- 求人応募者
「認知」から「獲得」に至るまでのマーケティングフェーズに合わせて、広告の種類を複数用意している。各フェーズに応じて広告配信の目的を設定することが、効果の最大化につながっていく。
BtoCによくある『いまなら50%引き』といった情報よりも、LinkedInでは商品に込められた想いや、会社として取り組んでいるミッションなどを入れるのも効果的です。あくまでも、ユーザーにとって有益な情報であることがポイントです(堀氏)
種類はいくつ? LinkedIn広告の3つのカテゴリーを紹介
LinkedIn広告の種類を紹介する。大きくは、次の3つのカテゴリーに分かれている:
- スポンサードコンテンツ
- 会話型広告
- ダイナミック広告
それぞれを簡単に説明する。
種類1スポンサードコンテンツ
LinkedInのフィードに表示される広告で、次の5つの種類がある:
- シングル画像広告
- カルーセル広告
- 動画広告
- ドキュメント広告
- シングル求人広告
エンゲージメントを高めたいなら、「ドキュメント広告」の利用がおすすめです。ドキュメント広告を用いることで、ホワイトペーパーやeBookなどの文書を通したプロモーションができるようになります。ユーザーに役立つ情報を届け、かつダウンロードしてもらうことでエンゲージメントは自然と高くなります(堀氏)
種類2会話型広告
会話型広告は、メッセージ形式でユーザーに届けられる広告。メッセージには複数のボタンが表示されており、ユーザーがクリックしたボタンによって、また別のメッセージが表示されたり、発信元企業のウェブサイトへ移動したりと、さまざまな使い方ができるのが特徴。
メッセージの受信トレイの広告枠に表示され、ユーザーがクリックをすれば会話が始められる形式になっている。
種類3ダイナミック広告
パソコンでアクセスしたときに、デスクトップに配信される広告。タイムラインの右横あたりに表示され、次の4つの種類がある:
- テキスト広告
- 求人広告
- フォロワー広告
- スポットライト広告
ダイナミック広告は、フォロワーを獲得する目的で使われることが多い。PCの画面に表示され、ユーザーがクリックしたらカンパニーページに移動し、カンパニーページのフォローに繋げるなど、企業のコミュニティー構築に効果的なメニューだという。
アカウント作成から配信まで
最後に、LinkedIn広告の配信方法について紹介する。アカウント作成から広告配信までは、次の手順となる:
- 広告アカウントの作成
- 広告権限の付与
- 支払い情報の設定
- キャンペーンの設定
- 広告配信
また広告アカウントを作成する前に、個人アカウント、もしくは広告アカウントの作成が必須となる。
手順1広告アカウントの作成
- トップ画面の「その他」のタブから「広告掲載」をクリックする
- 「作成」をクリックする
- 広告アカウントの名前を入力する。これは作成後、変更はできない(企業名やキャンペーン名にするといいだろう)
- 支払い方法は原則としてクレジットカードとなり、支払い通貨は日本円を含め設定が可能。請求書での支払いも可能だが、詳細についてはLinkedIn担当者へ確認、もしくはヘルプセンターにて問い合わせる必要がある。
手順2広告管理権限の付与
広告配信をするには、会社ページから運用者の個人アカウントへ「スポンサードコンテンツ投稿者」の権限付与が必要となる。会社ページの管理者を確認し、権限付与をお願いしよう。管理者がわからない場合は、LinkedIn担当者に確認する。
会社ページの管理者は、以下の手順から広告権限を付与する:
- 会社ページにアクセス
- 右上の管理ツールから「ページ管理者」を選択
- 「ペイドメディア管理者追加」を選択し、運用担当者を追加する
手順3 支払いの設定
クレジットカード払いの場合、支払い設定後に「キャンペーンを開始」をクリックすることで、すぐに配信開始できる。
手順4キャンペーンの作成
広告配信には、広告管理画面で「キャンペーン」として設定することが必要となる。「キャンペーン」の設定項目は、次の6つとなる:
- キャンペーンの目的
- オーディエンス
- 広告フォーマット
- 配信(LinkedInのみ、もしくはLinkedInパートナーネットワークを含む)
- 予算、スケジュール
- 広告の作成(クリエイティブの入稿)
たとえば動画広告とシングル求人広告の2種類を出稿したい場合、「キャンペーン」の設定は、それぞれ行う。クリエイティブを入稿してから、承認まで最大48時間かかる。詳細は、ヘルプセンターを確認するといいだろう。
また、複数のキャンペーンをまとめたキャンペーングループに全体予算と実施期間を設定することもできる。
(例)
全体期間: 2月1日~3月31日
全体予算: 270万円
「企業のブランド構築を支えるさまざまなコミュニケーションに対応していけるよう、引き続きサポートしていく」と堀氏。BtoB企業、特に海外のオーディエンスにリーチしたい企業は、LinkedIn広告をひとつの選択肢として検討してみてはどうだろうか。
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