Microsoft 広告とは? 特徴・強みを徹底解説!

2022年5月31日に、Microsoft 広告が日本市場でリリースされ、間もなく3周年を迎えようとしています。多くの方に Microsoft 広告をご利用いただいておりますが、一方でまだ出稿したことがない、どう活用すべきかわからないというマーケターや広告・宣伝担当の方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、新たなリード獲得経路を模索している方に向けて、Microsoft 広告の特長や導入の意義を、内部データやユースケースを交えながらご説明します。
Microsoft 広告とは? 特長など
Microsoft 広告は、Windows OSの圧倒的なシェアを背景に、PCユーザーを中心とした特定の層に効果的にリーチできるのが最大の強みです。
- 膨大なファースト パーティ データを活用し、精度の高いターゲティングが可能
- GPT-4の大規模言語モデル (LLM) を搭載した生成 AI「Copilot」を活用し、高い広告パフォーマンスを実現
- Bing 検索・MSN・パートナーサイトなどのマルチチャネル展開により、幅広いユーザーに訴求可能
ユーザー数の増加や属性の傾向
Microsoft 広告のインプレッション数は、Bing や MSN の利用者増に伴い、2022年5月31日の日本市場リリース以降、増加傾向にあります。

デバイス別の特徴
- PCユーザーが多い:Windows OSの普及率の高さが影響
- モバイルユーザー獲得を強化中:Bing 検索の利用者拡大を目的に、Microsoft Rewards などのプログラムを展開中
ユーザーの傾向(Microsoft 内部データ・外部データより)
Microsoft 広告では、「検索キャンペーン」と「オーディエンス キャンペーン」の両方で、Windows PC ユーザーが多いのが特徴です。
- オンライン購入の可能性が高い
- 平均的なインターネットユーザーの2倍の消費傾向
- 広告へのエンゲージメントが高い

- BtoB商材と相性が良い: 職場で Windows PC を使うビジネスユーザー・決裁者層が多い
- 高額商材の広告ROIが高い: 30代~50代の高所得者層が多い
- エンゲージメント率が高い: Bing 検索 や MSN を利用し、Web広告に対する抵抗感が少ない
また、Microsoft の広告配信面はブランドの安全性や透明性を重視しており、質の高い広告体験を提供できるのも強みです。
広告主の増加とバーティカルの傾向
Microsoft 広告を利用する企業は年々増加しています。2024年10月21日~2025年1月12日のインプレッション数(業界別)全体の75%を占めるのは、以下の業界です。
- 小売
- BtoBサービス
- 人材・教育
- 不動産
また、春休み・ゴールデンウィーク・夏休みに向けて、旅行業界の広告主も増加中です。

Microsoft 広告の豊富な広告タイプ
Microsoft 広告の主なプロダクトは、大きく分けて「検索キャンペーン」と「オーディエンス キャンペーン」の2つがあります。
- 検索キャンペーン: レスポンシブ検索広告、動的検索広告、マルチメディア広告 など
- オーディエンス キャンペーン: ネイティブ広告、ディスプレイ広告、ビデオ広告 など
また、2023年2月1日以降、拡張テキスト広告の新規作成や編集はできなくなりました。さらに、以下のような広告も利用できます。
ショッピング広告
ECサイトの商品を視覚的にアピールできる広告。

動的リマーケティング
過去にサイトを訪れたユーザーに、興味を持った商品やサービスを再度表示する広告。
アプリ インストール広告
近日、日本市場にもリリース予定の新しい広告。

バーティカル広告
業界ごとに特化したバーティカル広告も提供しています。日本国内では、「自動車広告」「クレジット カード広告」「宿泊キャンペーン(ホテル・旅行業向け)」「クルーズ広告、不動産広告」などの広告を実施可能です。
バーティカル広告は、検索キャンペーンをベースにしながらデータ フィード(商品情報などのデータ)を活用し、Microsoft の AI が自動で最適な広告を作成します。これにより、「クリック数の増加」「クリック率の向上」「平均クリック単価の低下」が期待できます。

Performance Max キャンペーン
Performance Max キャンペーンは、検索キャンペーンをベースにした配信で、AIによる最適化が効率的に機能するため、非指名キーワード(一般的な検索キーワード)を使った通常の検索キャンペーンと同等のパフォーマンスを発揮することもあります。
実施可能なプラットフォームが限られているため、Microsoft 広告の強みの一つです。さらに、ネイティブ広告(サイト内の自然な形で表示される広告)をブロード配信した広告主の中には、想定以上の高い成果を上げているケースもあります。
マルチメディア広告(検索キャンペーン内で利用可能)
検索結果ページの右側(ライト レール)などに、画像+テキストの組み合わせで表示される広告のマルチメディア広告は、視認性が高く、認知拡大にも活用可能です。多くの広告主から好評を得ています。
ロゴ表示オプション(検索広告のクリック率UP)
- テキスト広告にロゴを表示できる機能
- クリック率が最大10%向上する効果
- クリック単価の低下や広告掲載順位の上昇が期待できる
独自の広告フォーマットと広告表示オプションにより、広告の視認性とパフォーマンスを最適化できる点が、他の広告プラットフォームとの違いです。

LinkedIn プロフィールを利用した入札単価調整やターゲティング
LinkedIn のプロフィール情報を使って、以下のようなターゲティングや入札単価の調整が可能です。
- 会社名・業界・職種を基準にターゲットを設定
- 入札単価を調整し、特定のターゲット層に広告を最適化
- オーディエンス広告では、特定の業界や職種にターゲットを絞り込んで配信
さらに、将来的には Performance Max キャンペーンのオーディエンス シグナルとして、LinkedIn のプロフィールデータを活用する計画も進行中です。
Copilot による広告運用の効率化
また、Microsoft 広告の管理画面には、GPT-4の大規模言語モデル (LLM) を搭載した AI アシスタント「Copilot」が導入されています。Copilot を使うと、管理画面の操作方法や広告の仕様を対話型チャットで確認できるほか、広告文や画像クリエイティブの作成をサポートしてくれます。将来的には、パフォーマンスの分析やアカウントの診断機能も追加される予定です。
ファネルで効果的な広告の種類
Microsoft 広告を導入するか迷っているマーケターや広告・宣伝担当が特に気にするのは、「マーケティングファネルのどの段階で効果が出るのか?」 という点ではないでしょうか。
Microsoft 広告は、マーケティングファネルのすべての段階(フルファネル)に対応しているため、どのフェーズの商材にも適用できます。

認知拡大(アッパーファネル)・検討促進(ミドルファネル)
オーディエンス広告である「ネイティブ広告」「ディスプレイ広告」「ビデオ広告」などを活用し、「購買意向の強いユーザー」や「類似オーディエンス」で効果的にターゲティングできます。
検討促進(ミドルファネル)・購買促進(ローワーファネル)
「検索広告」を活用し、「リマーケティング」や「動的リマーケティング」、「予測ターゲティング」で効率的にターゲティングが可能です。
購買促進(ローワーファネル)
「ショッピング広告」「動的リマーケティング」「バーティカル広告(宿泊・自動車広告など)」などを活用できます。
全フェーズに対応するマルチチャネル広告
Performance Max キャンペーンを活用すれば、すべてのフェーズで最適な広告配信ができます。
リードタイムが長い商材、高額商材、人材系案件でのリード獲得
Microsoft 広告は、PCユーザーやビジネスユーザーが多いという特性があります。そのため、以下のような「じっくり情報収集が必要な商材」や「高単価な商材」とは特に相性が合います。
- リードタイムが長い BtoB商材(例:法人向けソフトウェア、コンサルティングサービス)
- 高額商材(例:不動産、車、投資関連サービス)
- 人材関連サービス(例:転職支援、履歴書作成サービス)
特に不動産分野では、スマートフォンで完結しやすい「賃貸案件」よりも、PCやタブレットを使って詳細な資料を集める「売買案件」の方が効果が出やすい傾向があります。また、履歴書や職務経歴書の作成はPCで行われることが多いため、人材系の商材とも相性が合います。
さらに、Microsoft 広告のユーザー層には高所得者層や企業の決裁権を持つ層が多いため、一般的にコンバージョン単価が高くなりやすい商材にも向いていると言えます。
提供ソリューションと相性の良い商材
Microsoft 広告の中でも、特にローワーファネル(購入直前の段階)で効果が高いのが以下の広告手法です。
- ショッピング広告(Performance Max キャンペーンを含む)+動的リマーケティング → ECサイトの売上向上に最適
- 自動車広告や宿泊キャンペーンなどのバーティカル広告 → 旅行・自動車業界におすすめ
これらの広告手法は、データ フィード(商品やサービス情報をまとめたデータ)を活用し、ユーザーごとに最適な広告を自動生成するため、コンバージョンにつながりやすいのが特徴です。データ フィードの準備やキャンペーン設定はやや複雑ですが、Microsoft の AI を活用することで、高い訴求力を持つ広告を自動的に配信できます。
まとめ
Microsoft 広告は、独自のユーザー属性と展開ソリューションを有しており、他プラットフォームとは異なる強みを持っています。導入企業が増加している現状を踏まえ、導入を検討中のマーケターやWeb担当者には早期導入を強く推奨します。特に、ユーザー属性と親和性の高い商材においては、フルファネルでの活用が効果的です。
これは、Microsoft が掲げる「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」というミッションを体現するものでもあります。
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