【セマンティックSEO】B2B業界・クリエイティブ業界・DIY業界などに効く長文コンテンツ戦術(中編)
この記事は、検索結果に上位表示されるのに役立つセマンティックSEO施策について前中後編の3回に分けてお届けしている。中編となる今回は、「B2Bサービス業界やクリエイティブ業界」「ホームセンターやDIY分野」におけるセマンティックSEOのアプローチを見ていこう。
B2Bサービス業界やクリエイティブ業界
B2Bサービス業界やクリエイティブ業界では、かなり長文のテキストで構成されたページが多く、セマンティックアプローチによる最適化が理想的だ。
B2Bサービス業界やクリエイティブ業界のセマンティックSEOで考えるべきことには以下のようなものがある:
コンテンツが鍵
コンテンツをうまく構造化する
同義語や類義語を忘れずに使う
細部まで気を配る
1. コンテンツが鍵
次のようなサイトの多くでは、鍵となる主要なページが少ない:
- B2Bサービスサイト
- クリエイティブ業界のサイト
Eコマースサイトでは何百・何千ものサブカテゴリや製品ページがあるが、上記のようなサイトでは状況が異なり、サービスという観点から見ると選択肢が限られている場合もある。そこで、この場合は情報コンテンツがサイトの成功に極めて重要な役割を果たす。
たとえば、あるEコマースサイトの例では、情報コンテンツやFAQを追加したところ情報検索クエリが75%増加した。だがそれでも、キーワードランキング全体の12%を占めるに過ぎない。
一方、私が担当したあるサービスサイトでは、Knowクエリ(情報探索の検索)がキーワードランキング全体の76%を占めている。これらの情報ページは、その企業が専門にしているテーマについてより詳細なコンテキストを提供することで、意味的なつながりを持たせるのに役立つ。こうしたサポートページがなければ、トピックに関する知識や専門性の深さを示すことはできないだろう。
情報ページは、ターゲットオーディエンスをファネルの入り口に誘うのにも役立つ。おそらくこれらの情報を探しているオーディエンスは業界に入ってきたばかりで、答えを探しているのかもしれない。君のブランドが検索結果に表示されて、役立つリソースを提供すれば、こうしたユーザーの学習に関与することになる。今後、これらのユーザーが問題に直面して専門家を探すことになったときには、君のことを思い出してもらえる可能性が高くなり、ビジネスを獲得できるチャンスが高まる。
2. コンテンツをうまく構造化する
先ほど述べたように、サービスサイトやクリエイティブ業界のサイトは、テキストが多くなりがちだ。そのため、コンテンツ構造をうまくつくることも不可欠だ。コンテンツの構造化は検索エンジンにもユーザーにも役立つ。たとえば次のようなことだ:
はっきりわかる見出しや小見出しを使って記事やページをきっちりパート分けする
同じテーマでまとめる
箇条書きや太字にして、特定の部分を目立たせる
テキスト内で近接性を持たせ、フレーズやエンティティの間の関連性の強さを示す
たとえば、Boom Onlineのウェブサイトでは、テキストが多いサービスページを読みやすくするために、書式をはっきり変えてコンテンツを構造化している。
コンテンツを構造化すると、関連情報を素早く効率的に見つけられるようになる。これは、検索エンジンとユーザーの双方に有益だ。
3. 同義語や類義語を忘れずに使う
サービスサイトを見ていると、あることを表す言い方を1つに統一してしまっていることがよくある。一貫性を持たせようとしているからか、社内でそのような呼び方をしているからだろう。しかし、セマンティック検索に最適化する場合は、1つのことを表すのにさまざまな呼び方を検討して、それを適切に使用するほうがはるかに効果的だ。
デジタルマーケティングの用語を例に見てみよう。たとえば「PPC」という単語は、次のようにさまざまな呼び方がある:
- ペイパークリック
- スポンサードサーチ
- キーワードオークション
- ペイドサーチ
- 検索連動型広告
用語を厳格に統一してこれらの選択肢のいずれか1つだけを使い続けていると、ページの意味にコンテキストを追加するチャンスを逃し、結果としてトラフィックを増やすチャンスを失ってしまう可能性がある。
もう1つ例を示そう。会社紹介のコンテンツ群のなかで、「meet the team(チーム紹介)」ページがある。このページに同義語や類義語を含めて作ったところ、次のようなキーワードでの検索でも検索結果に表示されトラフィック獲得につながった:
- team bios(チーム略歴)
- our team page(チームページ)
- team profiles examples(チームプロフィール)
紹介した例のように、ページに関するこれらのさまざまな同義語や類義語を調査し、適切な方法で利用しよう。注意点は、手当たり次第に追加するのではなく、意味のあるものを追加することだ。ページ内でさまざまな言葉を使うと、はるかに読みやすくなったと感じるだろうし、検索でもパフォーマンスの向上を実感できるだろう。
4. 細部まで気を配る
統計データを論点の裏付けとしたり、価格や事実に言及したりする場合は、これらの情報を定期的に確認しよう。最新の統計データが表示されるようにページを更新し、価格の変更を調査して見直そう。なぜなら、検索エンジンは古い情報や誤情報を嫌い、表示されている意味やコンテキストを理解しているため、それらを識別できるからだ。
ホームセンターやDIY分野におけるセマンティックコンテンツの作成
ホームセンターで扱う商品やDIYの業界では、高額な商品やサービスを販売する場合もあり、取引を成立させるために少々説得が必要になるかもしれない。一般消費者であれば、作業するのに必要なDIYの知識がないこともあり、購入する前に追加情報を検索する可能性が高い。
そこでセマンティックコンテンツの出番だ。有益で構造化されたセマンティックコンテンツを作れば、ユーザーにとって役立つだけでなく、検索トラフィックを増やし、特定のトピックにおいてオーソリティになる可能性も高まるため、こうした販売障壁にも対応できる。
ホームセンターやDIYの業界でセマンティックコンテンツを作るには、以下のようなものが必要だ:
ページ内FAQ
詳細なガイド
1. ページ内FAQ
購入前に消費者から寄せられそうな質問に答えるFAQをカテゴリのページや商材のページに追加してしまうことも、有効な手段の1つだ。これはユーザー体験に有益なだけでなく、セマンティックSEOの観点からも効果的だ。
FAQの回答はカテゴリページの充実につながり、関連するエンティティや完全なフレーズを追加することで、フレーズベースのインデックス作成にもつながる。
回答作成のポイントは、短く簡潔にして、スキーママークアップを活用し、必要に応じてさらに詳細な記事にリンクすることだ。
次に示す画像は英国のドアメーカーClimadoor社の「Bifold Doors(2つ折りドア)」という製品カテゴリページ内に入っているFAQだ(実際にアクセスしてみるとわかるが、ページ自体は通常のカテゴリページで、商品一覧の下に全体の説明テキストがあり、その下にFAQがある)。
このようにFAQをページ内に実装したところ、情報型の検索意図キーワードランキングで2022年1月には2500件だったのが、2022年10月には3600件と44%増加した。
2. 詳細なガイド
ホームセンターやDIYショップのクライアントが多いと、この分野では詳細なハウツーや情報ガイドを作成する余地がたくさんあることがわかる。詳細なハウツーや情報ガイドは、潜在顧客にとって役立つ情報を豊富に提供し、検索結果の上位にも表示されやすい。
ハウツーなどの情報ガイドは、関連するオーガニックトラフィックを豊富にもたらし、強調スニペットを獲得できるほか、トピック領域での専門性を発揮できる。また、ターゲット顧客をセールスファネルに誘導して、購入フェーズに近づけるのに役立つ。
次の図は英国のドア販売会社Express Doors Directのドアに関する情報ページだ。
この種のコンテンツを作成する場合は、極めて詳細で内容の濃い、役に立つものにしよう。そのためには、しっかりと時間をかけて作るべきだ。独自の画像や動画コンテンツ、専門家の意見などを追加するのもオススメだ。トピックに命を吹き込み、ユーザーにとって興味深く、役に立つ読み物にするには何が必要かを考えてみてほしい。競合他社が同じことをしている場合は、他社が見落としているメディアや、独自の洞察を含めることで、自社のコンテンツがユーザーや検索エンジンにとって最善になるように差別化しよう。
そして前編のEコマースのセクションで説明したハブアンドスポーク戦略も忘れずに。主要なカテゴリページをハブの中心に位置づけ、それをサポートする導線とコンテンツを作成することで、極めて強力になる。
前中後編の3回に分けてお届けしているこの記事も、次回が最後となる。後編では、「テクノロジー分野」と「セマンティックSEOの一般的なヒント」についてまとめる。
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