弊社にいただくSEOのお問い合わせの中に、サイトリニューアル後に「検索エンジンからの流入が減ってしまった…」というような内容のものは少なくはありません。
多くのコストと時間をかけてサイトをリニューアルしたが、ユーザーからのアクセスが減ってしまってはサイトリニューアルプロジェクトは失敗に終わってしまいます。
当記事では、リニューアルプロジェクトを失敗に終わらせないために、サイトリニューアル後にSEO効果が下がってしまった場合の原因の調査方法と対処法についてご紹介します。

サイトリニューアルで流入が減ってしまう、よくある7つの原因

ここでは過去の実例や一般的によく聞く、サイトリニューアル後に検索エンジンからの流入が減ってしまったり、対策キーワードの順位が下がってしまったよくある原因を紹介します。

(1)ドメイン・URL変更のリダイレクト漏れ

大きく流入が減った場合に考えられる原因で一番多いのは、リダイレクトの設置漏れです。
リニューアルの際にドメインやページのURLを変更した場合は、旧ページには新ページへ永続的なURLの変更を伝える301ステータスのリダイレクトを設置して、旧ページに訪れたユーザーやクローラーを新ページに転送する必要があります。
この設定を行うことで、検索エンジンはページのURLが変更されたことを理解し、旧ページの検索エンジンからの評価は新ページに引き継がれます。
リダイレクト漏れが原因なのかを判断するには、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールで、リニューアル前の旧URLで流入があったが、リニューアル後の新URLで流入がなくなったページをリストアップし、旧URLにリダイレクトが設置されているかを確認します。

(2)ページを削除した

リニューアルの際にコンテンツを見直し複数のページを削除したが、実はそれらのページが流入を獲得していた、といったこともよくある原因です。
こちらもアクセス解析ツールで、リニューアル前後の期間を比較し、リニューアル後に流入がなくなったページのリストから、削除したページがどのくらい流入があったのかを確認します。
もしリニューアル前に獲得していたそれらの流入を取り戻したい場合は、以前のページを復活させる必要があります。
ちなみに、削除したページのSEO評価を引き継がせるため、他の関連のページにリダイレクトを設置したりしますが、この場合、はじめの数日はそれまでの流入を維持できますが、リダイレクト先のページの内容が検索クエリに対して評価を得られるものでなければ、以前のページのSEO評価は維持できず、次第に流入は減っていきます。

(3)ページタイトルを変更した

流入があった検索クエリがtitleタグなどのページタイトルに含まれていたが、リニューアル後にその検索クエリを含まないものに変更してしまった場合、その検索クエリの検索エンジンからの評価が下がったり、検索結果ページでのCTRが下がるなどの影響で獲得していた流入が減少する可能性があります。
こちらもリニューアル前に獲得していた流入を取り戻したい場合は、流入があった検索クエリを含むページタイトルに変更する必要があります。

(4)ページのコンテンツを大幅に変更した

流入があった検索クエリに関するコンテンツをリニューアル後のページでは削除してしまったり、情報量を減らしたりした場合も、その検索クエリの検索エンジンからの評価が下がってしまい、流入が減少する可能性があります。
この場合も流入があった検索クエリに関する情報が削除されていないかを確認します。
また不適切なSPA(シングルページアプリケーション)の導入などで、検索エンジンがページをレンダリングすることができない状態になってしまった場合は、ページ内のコンテンツを検索エンジンがクロールすることができなくなり、その検索クエリでの評価が下がり、流入も減少してしまいます。
この場合は、「モバイル フレンドリーテスト」などのツールを使い、Googleのクローラーがページのコンテンツをきちんとレンダリングできているかを確認します。

(5)ナビゲーションなどの内部リンクを変更

リニューアル前はサイトトップページから各ページに辿れるリンク導線が存在していたが、リニューアル後にナビゲーションやページ内のリンクを変更した影響で、サイト内部からのリンク導線が無くなってしまったり、リンク階層が深くなってしまったことで、検索エンジンのクローラーがページに辿れなくなってしまうと、検索エンジンからのページの評価が下がってしまい、流入が減少する可能性があります。
内部リンクが原因かを判断するには、リニューアル後に流入が減少してしまったページに、サイトトップから辿れるリンク導線がきちんと存在しているかと確認します。

(6)検索エンジンからのクロールを拒否している

ありがちなミスとして、リニューアル前のテスト環境でrobots.txtなどで設定していた検索エンジンのクローラーの巡回拒否の設定を、本番環境にもそのまま上げてしまったなど、検索エンジンのクローラーがリニューアル後のサイトをクロールできない状態の場合は、流入が減少してしまいます。
この場合は、Google Search Consoleのカバレッジのレポートでステータス「除外」の「robots.txt によりブロックされました」の推移がリニューアル後に増加していないかを確認します。

(7)検索エンジンへの登録を拒否している

こちらも同様に、リニューアル前のテスト環境で noindexタグで検索エンジンへの登録拒否の設定を行っていて、本番環境にもそのまま上げてしまったなど、検索エンジンに登録されていたページをリニューアル後に登録拒否した場合は、流入が減少してしまいます。
この場合も、Google Search Consoleのカバレッジのレポートでステータス「除外」の「noindex タグによって除外されました」の推移がリニューアル後に増加していないかを確認します。

リニューアル後にSEO効果が下がった時に行うこと

まずは流入が減ってしまった原因を把握しなくては対処の仕様がありません。
そのためには流入が減少している箇所を特定する必要があります。
ここでは、流入が減少した原因となっている箇所を探す方法を解説します。

調査はアクセス解析ツールを使い、以下のフローにあるように、流入の減少がサイト全体的なものなのか、特定のページ群やページ、検索クエリによるものなのかを絞り込んでいきます。

流入減少調査フロー

原因箇所を把握することができたら、前述のような原因が無いかを確認します。

▼流入減が「サイト全体」であった場合の可能性が高い原因

  • ドメイン・URL変更のリダイレクト漏れ
  • 検索エンジンからのクロールを拒否している
  • 検索エンジンへの登録を拒否している

▼流入減が「特定のページ群やテンプレート、ページ、検索クエリ」であった場合の可能性が高い原因

  • ページを削除した
  • titleタグの内容を変更した
  • ページのコンテンツを大幅に変更した
  • ナビゲーションなどの内部リンクを変更

リニューアルで減ってしまった流入の復活は可能か?

一番気になるのはサイトリニューアルでSEO効果が下がり、減ってしまった流入を戻すことができるのか?というところになりますが、こちらはその原因や対処の時期によっては戻すことができる可能性があります。
過去の経験則からですと、早期に対処するとその可能性は上がり、時間が経つにつれて復活への時間もかかる傾向にあります。
特に、リダイレクト漏れやページを削除した場合は、1ヶ月以上経ってしまうと以前のSEO評価(順位)は失い、ゼロからのスタートになってしまう可能性があります。

サイトリニューアルで流入やSEO効果が下がってしまった時のご相談

アユダンテでは、リニューアル時のSEOコンサルティングサービスなどで培ってきた経験と実績をもとに、リニューアル後に流入が落ちてしまったサイトのサポートも行っております。
ご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。



この記事を書いた人
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岩井 謙治
SEOコンサルタント
制作経験を生かした資料作成、テンプレート設計の美しさはSEOチーム随一。手堅く、きめ細かいコンサルティングにリピーターのお客様も多数。得意分野はポータルサイト、顧客ニーズを把握して確実に成果を狙っていく。