インタビュー

エンゲージメント率3倍! レブロンが取り組む「#PR」不要のナノインフルエンサー施策とは

化粧品メーカーのレブロンが実施したナノインフルエンサー施策でエンゲージメント率が従来比3倍に。

インフルエンサーマーケティング施策を実施したものの、良質なUGCコンテンツが生まれないということはないだろうか。#PRと表記し、インフルエンサーに広告費を支払って作ってもらうコンテンツは、投稿内容が画一的になってしまったり、広告的な投稿に偏ってしまったり、という課題がある。

レブロンでは、「インフルエンサーをまずファンに」という思いで、C Channelが提供するインフルエンサープラットフォーム「Lemon Square」を通じて、商品サンプルを無償で配布し、気に入ったらInstagramに投稿してもらうというインフルエンサーマーケティングを実施したところ、従来のインフルエンサーマーケティングに比べて、エンゲージメント率が約3倍の成果を上げたという。

レブロン株式会社 マーケティング部 服部 彩音 氏とLemon Squareの営業を担当するC Channel株式会社 取締役 武藤 崇雄 氏に成功のポイントを聞いた。

リップカラーの人気色でインフルエンサーマーケティングを実施

2021年3月発売の「レブロン カラーステイ サテン インク」は、落ちにくく、マスクにも色移りしにくいことが特長のリップカラー。このシリーズは10代、20代のトレンドに敏感な層を中心に、幅広い世代に支持されている。

インフルエンサーマーケティングを実施したのは、このシリーズから2021年9月に新色として発売された「いちじくブラウン」と呼ばれるカラーだ。服部氏によれば、いちじくブラウンは店頭に入荷するとすぐに売り切れてしまうほど、特に人気のカラー。人気商品だからこそ、まずはインフルエンサーにその良さを知ってもらい、試してもらってインフルエンサー自身にファンになってもらいたいと考えたという。

なおレブロンでは、すでにインフルエンサーマーケティング施策を定期的に実施。しかし、繰り返すうちに投稿内容が単一化してきて、マンネリ感があったという。

これまでのインフルエンサーマーケティングでは、投稿がきれいにまとまり過ぎる傾向がありました。リーチはできていますが、それがフォロワーにどれくらい響いているのか、購入意欲につながっているのかが見えませんでした。Lemon Squareは、レブロンの商品に興味を持ってキャンペーンに応募してくれたインフルエンサーが使用して投稿をしてくれるので、商品について自分の言葉で熱量高く語ってもらえるのではないかという期待がありました(服部氏)

同社では運用型広告、オウンドメディア、クチコミサイトのサンプリングなど、複数のデジタルマーケティング施策を実施するなか、重視している施策の一つがインフルエンサーマーケティングだ。認知拡大は運用型広告をベースにしているが、広告の接触だけでは購入までの「もうひと押し」に足りないのではという懸念があり、インフルエンサーマーケティングを取り入れているという。フォロワーにとっての身近な憧れの人や、SNS上で仲のよい人からのおすすめが購入のひと押しにつながるという期待があった。

レブロン株式会社 マーケティング部 服部 彩音 氏

投稿はインフルエンサーにおまかせ! 本音の投稿を引き出す秘訣

ここで、インフルエンサーマーケティング施策をどのように実施したのか、簡単に振り返ってもらった。

まず、インフルエンサープラットフォームのLemon Square上にキャンペーンページを作成し、商品に興味があるインフルエンサーを募集。今回の募集期間は2週間ほどで、約240人から応募があった。その後Lemon Squareが、応募者の中からレブロンとの親和性、過去の投稿数、エンゲージメント率、投稿内容などを評価して、インフルエンサー20人を選出。

選出後、Lemon Squareから当選者に無償で商品を発送し、インフルエンサー自身に商品を試してもらい、自由に投稿してもらった。投稿の事前チェックは一切ない。また、投稿も強制ではないので、投稿するかどうかは当選者次第。今回は当選者20人中18人が投稿した。施策決定からInstagramの投稿が開始されるまでに、おおよそ1か月半程度だったという。

キャンペーン実施の大まかな流れ

Lemon Squareは、誰でも登録ができますが、応募者の抽選にあたってはフォロワー数だけでなく、過去の投稿内容やエンゲージメント率をみて、本音の投稿をしているかどうかをチェックしています。なお、成長してインフルエンサーとして輝きたい、活躍したいという意識の高い人は、こちらからリクルーティングをして登録してもらうこともあります(武藤氏)

募集ページでは、「商品紹介」「参加したらやること/避けること」「ハッシュタグ」の3項目のみ掲載している。投稿内容を個別に指示をすることはない。なお、Lemon Squareはキャンペーンによって、Instagram、TikTokのいずれかまたは両方を投稿プラットフォームとして選定できる。今回は、Instagramで実施した。

投稿内容については、募集ページであれこれオーダーしないようにしました。『商品写真、リップをつけた写真、スウォッチ(腕の内側などにリップを塗った色見本)などを入れて、皆さまの視点で商品の魅力を発信してほしい』というくらいで、あとはどう表現するかはインフルエンサーにおまかせとしました(服部氏)

インフルエンサー(@fuchico3)氏の投稿内容。腕にリップの色を試しぬりしている(スウォッチ)

インフルエンサーの投稿を見て、服部氏は驚いたという。インフルエンサーの表現が多岐にわたり、どれも熱量の高い投稿だったからだ。特に投稿のキャプションで、使用感や色味などについて、自分の言葉で詳しく投稿する人が多かったという。特徴的なのは、フォロワーからのコメントが多かったこと。そしてそのコメントに対して、一つ一つ丁寧にコメントを返している人が多かった。

投稿事例

エンゲージメント率は3倍! ナノインフルエンサーならではの丁寧なコミュニケーション

今回のキャンペーンでは、フォロワー数が万単位の「マイクロインフルエンサー」に加えて、フォロワー数が1万人以下の「ナノインフルエンサー」と呼ばれるインフルエンサーも含む、20人に参加してもらった。ナノインフルエンサーだからこそ、フォロワー一人ひとりと密なコミュニケーションをしている人が多く、コメントを通じたフォロワーとのやり取りが多く行われたのだと武藤氏は指摘する。

本施策について、服部氏は「期待以上だった」という。自分の言葉で商品について語られているため、表現にそれぞれのインフルエンサーらしさがあり、フォロワーに響きやすかったと感じている。それは指標にも現れていた。

C Channel株式会社 取締役 武藤 崇雄 氏

施策実施前は、これまでのインフルエンサーマーケティングと同じくらいの効果があればいいなと思っていました。ところが実際には、今までの施策と比べてリーチ単価は下がり、エンゲージメント率は約3倍となりました。投稿への「いいね!」やコメントが多く、フォロワーの反応が高かったためです。始める前は、フォロワー数がマイクロインフルエンサーほど多くはないナノインフルエンサーの場合、どのくらいリーチができるか少し不安でしたが、より関心の高い人に効率的にリーチできたと思います。社内でも、本音の投稿が高く評価されていました(服部氏)

服部氏は、今回の施策の成果に満足しており、2022年1月の新色カラーについても同じくナノインフルエンサーを中心にキャンペーンを実施する予定だという。投稿の規定を細かく決めすぎないほうがよい投稿が生まれやすいことについて、武藤氏も同意する。

投稿規定を細かく入れすぎると、本音ではなく広告のメッセージのようになってしまいます。そうするとフォロワーは『依頼されている案件なんだな』と冷めてしまうことがあります。フォロワーの多くはシビアに投稿を見ているので、広告と思うとスルーします。ナノインフルエンサーをフォローしている人が知りたいのは、実際に使った感触がどうなのかというリアルな体験です(武藤氏)

なお、インフルエンサーの投稿はC CHANNELのInstagramアカウントでピックアップして紹介することがある。これが投稿を作成するナノインフルエンサーのモチベーションになっているという。フォロワーを増やして成長したいナノインフルエンサーだからこそ、C CHANNELに取り上げられるように、自分の言葉で本音を書こう、フォロワーに役立つ情報を提供しようという気持ちで投稿を作成できるのだという。

効果測定にさらに力を入れていきたい

今後は、どういった取り組みをしていく予定だろうか。

インフルエンサー施策は単発に終わらせず、中長期的な施策として続けたいです。その施策を通して、インフルエンサーにはレブロンのファンになってもらえるよう、関係構築に努めていきたいです。そのために、今後はオウンドメディアではブランド価値を高める情報発信を行いつつ、同時に、インフルエンサーから第三者視点でブランドの魅力を語ってもらうなど、いろいろな手法を組み合わせて情報発信を行っていくことが重要だと考えています(服部氏)

メーカーの担当者からは、消費者は広告を信用しておらず、広告が不要な情報になっているという悩みをよくお聞きします。購買プロセス、意思決定プロセスのなかで、リアルな体験を自らの言葉で発信するインフルエンサーの影響力は増しており、企業の商品販売に寄与できると考えています。ただし、現在ではその投稿がどれくらい売上に寄与したのか効果検証が難しいという課題があります。

今後は、CRMのようにインフルエンサーのリレーションマネジメントができないかと構想中です。インフルエンサーと関係を構築し、インフルエンサーをファンにしていくことがIFRM時代(Influencer Relationship Management)のマーケティング手法であり、インフルエンサーの投稿が何を生んでいるのが可視化できると、より価値を感じてもらえるのかなと考えています(武藤氏)

よりリアルなクチコミを増やしたいという方は、ナノインフルエンサーを活用したマーケティングを検討してみてほしい。

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