インタビュー

急成長の「くらしのマーケット」を支えるマーケティング施策を大解剖

エアコンクリーニング、引越しなどの出張・訪問サービスに特化したオンラインマーケットプレイス「くらしのマーケット」のマーケティング活動を、みんなのマーケット株式会社COOの中尾俊氏に話を聞いた。
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エアコンクリーニング、引越しなどの出張・訪問サービスに特化したオンラインマーケットプレイス「くらしのマーケット」。サービスの種類は200カテゴリ以上、累計出店数は5万店を超える。

くらしのマーケット(Webサイトのキャプチャ

同社では、どんなマーケティング施策を行っているのか、みんなのマーケット株式会社 執行役員COO 兼 マーケティング本部長の中尾俊氏にお話をうかがった。

ユーザーの認知獲得のためにテレビCM、YouTube広告は定期的に投下

「くらしのマーケット」はサービスを開始して10年ほどたつが、市場調査の結果、課題として浮かび上がってきたのが認知度だった。

売上構成要素をブレイクダウンしていった時に、ハウスクリーニングや引越しなどを専門とする企業に負けているところが認知度だったんですよね。であれば、認知を引き上あげようと。ユーザー向けに認知を得るためのブランディング施策を実施すれば、出店獲得にもつながるだろうという狙いもありました(中尾氏)

ブランディング施策の一つが、圧倒的なリーチ力のあるテレビCMの活用だ。最近では「ゴリエ」を起用したテレビCMが放送されているのを見たことがある人もいるだろう。

「ゴリエ」を起用したテレビCM

「ゴリエ」の起用については、CM制作に関わるメンバーの発案で決めました。CM放送開始と共に「ゴリエ」起用のニュースがYahoo!トップに上がり、SNSでも「懐かしい」と一気に話題となりました。Twitterでトレンド入りするほどの大きな反響でした。CMの効果も良好です(中尾氏)

「くらしのマーケット」は、幅広いユーザーを対象としたサービスのため、広く効率的にリーチできるテレビCMとの相性が良いそうだ。2018年に中京エリアでテスト出稿し、その後もスポット的にテストを繰り返し、2019年11月から継続的にテレビCMを出稿している。現在は全国でCMが放送されている。

CM出稿については、カテゴリ認知率の向上、新規ユーザー獲得、リピート促進、出店獲得、採用強化などさまざまな意味を持っています。各指標の動きに一喜一憂するのではなく、マーケティング戦略を描いた上で腰を据えて取り組むべきものだと思います。

テレビは、デジタルと同じように、PDCAによる改善幅がかなりあります。効果測定、企画、キャスティング、バイイングなど可能な限り内製化することで知見を蓄積し、当社主体でCMを運用することにこだわっています(中尾氏)

みんなのマーケット株式会社 執行役員COO 兼 マーケティング本部長 中尾俊氏

カスタマーサポートは、ユーザーが自己解決できる仕組みを強化

「くらしのマーケット」のカスタマーサポート(以下、CS)は現在4名。CSが何十名もいるような企業もある中、効率性を追求した体制となっている。

「他がやっているのでうちでも」という考えにはならないようにしています。会社として大事にしていることは、「複雑化、均質化にあらがう」という考え方です。「他社は満足度向上のためにCSを厚くしているみたいですね、じゃあうちは少ない人数でそれを実現する方法を考えようか」と当社の場合はこうなるところに、おもしろさがあります。他社と違うことが強みになると思っています(中尾氏)

複雑化させない = 少人数で対応できるようにするために、サポートの窓口はチャットに一本化している。メール、電話など窓口を増やすと、対応人数が必要になり、各チャネルの情報統合にコストもかかる。

「チャットだけで大丈夫なのか」と不安に思うかも知れませんが、問い合わせチャネルを増やすことよりも、問い合わせをせずに使える状態を目指すというのが本質。チャネルの一本化は、プロダクトを洗練させていくこと、自己解決のためのヘルプコンテンツを充実させていくこととセットです(中尾氏)

ヘルプコンテンツについては、専用ツールを導入しており、ユーザーが入力した単語に対して、質問のサジェストが表示されるようになっている。膨大なヘルプコンテンツの中からでも、調べやすい工夫がなされている。

「キャンセル」と入れたみたヘルプページ。キャンセルに関連する質問内容が表示される(Webサイトのキャプチャ

ヘルプページのKPIの一つがノーヒット率だ。質問を入力した時に「該当するヘルプコンテンツなし」という状態を0(ゼロ)にすることを目指しており、該当コンテンツがない場合は、即時ヘルプコンテンツを追加するようにしている。

また、ヘルプ閲覧後のユーザー行動も分析している。複数回ヘルプページ上で検索を行っている場合は、問題解決が不十分であると判定。ヘルプページ内での回遊導線を改善するなど、ユーザーが早く問題を解決するためにユーザー行動データを活用している。ヘルプページの管理を徹底することで、ユーザーに問い合わせをさせるという不便を解消しているのだ。

サポート対応工数を減らした分、そのリソースは別の取り組みに活かしています。口コミやSNS上の投稿を確認し、くらしのマーケットで残念な体験をされた方がいれば、こちらから積極的にコンタクトし、アクティブサポートを行っています(中尾氏)

今後も出店獲得に最注力

マーケティング本部では、ユーザー獲得だけではなく、出店獲得も行っている。新規出店獲得をマーケティング本部が担当し、出店後はコンサルティング本部が、売上サポートを行っていく体制だ。

マーケティング施策の中で、最も重要な施策が出店獲得です。テレマーケティングを中心に、MA、チャットボットなどを活用し、オフライン、オンラインの統合マーケティングを実施しています。現在4名体制ですが、毎月1,000店以上の新規出店登録があり、累計登録数は5万店を突破しています(中尾氏)

約200あるカテゴリは現在も拡大中だ。最近では「水道のつまり修理」「玄関の鍵開け」など24時間以内に作業を行う緊急トラブルに関するサービス、「車内清掃」「ドライブレコーダーの取り付け」「電気自動車充電コンセント設置」などの自動車関連サービスが、新たにカテゴリに加わっている。これらの新規カテゴリに合わせて、出店獲得を実施しているという。

新規カテゴリももちろんですが、既存カテゴリも新規出店者がいないと健全な競争が起きづらくなってしまいます。ユーザーが高品質なサービスを利用するためにも、どのカテゴリでも出店獲得は最重要です。カテゴリ単位で出店者LTVを計測し、ユニットエコノミクスの管理をしています(中尾氏)

「くらしのマーケット」の収益は、出店者が売上をあげた時の手数料のみ。出店者はともに良いサービスを作るパートナー(=対等である)というスタンスを徹底している。

出店者は、「くらしのマーケット」のサービス向上を図るための欠かせないパートナーです。そのため出店していただく時に、へりくだったような「お願い営業」はしていません。出店件数も追いかけながら、出店者へのスタンスを徹底するというのは正直難しいと思います。しかし、セールスチームでは難易度が高い営業活動を実践しています(中尾氏)

業務範囲は広いが、その一つひとつを徹底的にこだわり、さまざまな施策を実施している。またそれを実現させるために採用活動にも積極的に取り組んでいるそう。今後の展開にも注目だ。

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