ローカルSEO業界レポート2020:最新ランキング要因は? コロナ後にも伸びるローカルビジネスは?
Mozでは、「ローカルSEOの現状:業界レポート2020年版」を公開した。
このレポートはローカルSEOに関する最新の調査データだ。1453人を対象に調査したもので、同僚やクライアントと共有するべき次のような知見が得られる:
- 企業のインフラ
- ローカル検索順位決定要因
- ツールやソフトウェアの利用状況
- 市場のギャップ
- 投資対効果(ROI)の高い戦略と戦術
このレポートではっきりと述べているように、マーケティングという仕事は、1か所のビジネス拠点で実施する場合でも、何人もの人の手を経る場合がある。
- オーナー
- スタッフ
- 社内のSEO担当者
- SEO会社
- クリエイティブディレクター
- ウェブマスター
- プロジェクトマネージャー
- コンサルタント
わずか1社のローカル企業のプロモーションに、こういった多くの人が関わっている場合もあるだろう。彼らの実体験を知ることで、専門家に限らず、関係するあらゆる人を巻き込む取り組みとして、ローカルSEOの全体像を把握できる。
レポート全文はMozのサイトから無料で入手いただくとして(英語のみ)、この記事では、次のようなことを解説する:
- COVID-19とローカルビジネスマーケティング
- 2020年版の調査レポートで注目すべき3つのポイント:
- ローカル検索順位決定要因における「距離」の変動
- ローカルSEOとオフラインマーケティング
- コロナ時代の顧客フルフィルメント戦略と今後
COVID-19とローカルビジネスマーケティング
本調査のデータは、次のそれぞれの期間におけるローカルSEO業界を描き出している:
- 公衆衛生上の緊急事態が起こる前
- 公衆衛生上の緊急事態の最中
そのため、現在までのマーケティングにおける優先事項の状況と、変化に備えた準備の度合いの両方を鋭い視点で捉えている。
ローカルSEOで唯一変わらないのは、変化し続けるということだけだ。その状態は依然として続いており、この業界は、文字通り一晩で事態が急変し得る環境が普通のことになっている。この難しい状況が、困難に立ち向かう企業を強くする。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が最終的に消費者行動をどう変えるかはまだ誰にもわからない。しかし短期的に見て、この業界レポートから浮かび上がった良い兆候が1つある。それは「ローカルビジネスがパンデミック以前にオーガニック検索資産を強力に受け入れていた」ということだ。
少し前までは、ローカルパックの台頭やゼロクリックサーチといったグーグルのSERP機能によって「死亡状態」にあるウェブサイトについての話を聞いたことがあるかもしれない。幸い、このレポートでは多くのマーケターが賢明にもそのような見方を無視している。優れたマーケターは、そうしたことに拘泥するのではなく、コミュニティとつながるうえでローカルビジネスのウェブサイトが果たす重要な役割を強化し続けていることを示している。
ローカルビジネスのスタイルを大きく分けると、次のような形がある:
- 消費者に店舗まで来てもらうスタイル
- カーブサイドピックアップ(事前にネットで注文し、店舗の駐車場や路上で品物を受け取る方式)やデリバリーのスタイル
すでに後者の形で消費者とつながっている場合、賢明にもウェブサイトを維持しているローカルビジネスは、さらなる動きに向けて強力なプラットフォームを有している。おそらくは、次のようなことを進めようとしているだろう:
- ローカルEコマースを実装する
- フォームの送信で注文を取る
- 会員制の動画相談を受け付ける
この業界レポートのデータを利用することで、将来の戦略を視野に、これまで蓄積してきたマーケティング関連知識について独自の分析ができるようになる。
2020年版の調査レポートで注目すべき3つのポイント
ここでは、新たな話として特に目を引いた3つの要素を紹介する。
「検索ユーザーからの距離」は、ローカル検索順位決定要因の3位に低下
最新版のレポートでは、グーグルのローカルパックに表示される順位に及ぼす支配的な影響として、次のような調査結果がでている。
昨年(2019年版)のレポートでは、検索ユーザーとビジネスの距離の影響が大きいとしていた。2017年以降のすべてのローカル検索順位決定要因調査でも同様だ。
しかし最新版では、この要因は3位になっている。驚くべき新たな展開だ。レポートをダウンロードしてさらに分析することで、グーグルがカーブサイドピックアップやローカルデリバリーなどの新たな要因に基づいて近さをどのように調整する可能性があるかという観点から、数字を確認してほしい。
オフラインマーケティングに関わっている回答者は、前年比19%増加
調査対象グループのうち、実世界(オフライン)の顧客サービスや消費者に対するポリシーなどのトピックについて、少なくとも時々はクライアントの相談に乗っている人は94%だった(75%から増加した)。
この数字は専門家として喜ばしい。なぜなら、消費者とブランドの間にリアルタイムで起きることを心から気にかけているローカル検索マーケターを、私はここMozブログで何年も前から支持してきたからだ。
実店舗におけるマーケティングの歴史に関するオンラインセミナーや電子書籍の提供を検討する積極的なエージェンシーがいてもいいと思う。そうすることで、業界として学びの度合いを深め、将来のオフラインマーケティング戦略について情報に基づく意思決定ができる。
コロナ時代の顧客フルフィルメント戦略は今後も継続
回答者の51%は、自宅への配送やカーブサイドピックアップ、ビデオ会議といった、コロナ時代にあわせて開始した顧客サービスを今後も恒久的に提供する意向だ。
革新的なマーケティングエージェンシーは今こそ、長期的な視野でクライアントにとってできる限り最善のソリューションを研究する必要がある。
配送用の車両は社内で揃えるべきか、サードパーティにアウトソースするべきか(たとえばInstacartやDoorDashなど)?
ユーザー体験だけでなく、SEOにとっても最良のEコマースプラットフォームはどれだろうか?
多くのブランドは、緊急事態に対応する新たなサービスを速やかにまとめたが、時間の経過とともに、消費者からのフィードバックやマーケティング分析によって、最善の取引手法やプラットフォームを賢く選ぶための方向性が見えてくる。これらの技術はすべてパンデミック以前からあるものだが、今後1年の間に、はるかに十分なテストが行われることになるだろう。
以下のリンクから、「ローカルSEOの現状:業界レポート2020年版」を無料でダウンロードする招待状を入手できる。
ローカルビジネスを所有しているかどうかや、ローカルブランドのマーケティングに従事しているかどうかに関係なく、今後1年間にどう取り組み、何を提供し、戦略をどのように改善するべきかに影響を及ぼすトピックについて、タイムリーな30件以上の設問と1453人の回答結果が用意されている。
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