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コロナ後のEコマース回復に向けたヒント(後編):再入荷の通知とリタゲ、価格調整、そしてD2C

売上で打撃を受けた人にとっても、「並外れた」水準の需要がある人にとっても、需要の回復に適切に対応し、顧客から愛されるブランドを維持する上で役立つアイデアをいくつか紹介する
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は人々の生活を変えたが、その大きな例がEコマースショッピングだ。

顧客の期待を最適な方法で管理して、対象のオーディエンスに販売するあらゆる機会を最大限に高めるには?

消費者がかつてないほどオンラインショッピングの世界に依存するようになっている現在、その波をとらえるには?

こうした疑問に答え、需要の回復に適切に対応し、顧客から愛されるブランドを維持するためのこの記事は、前後編の2回に分けてお届けしている。後編となる今回も、コロナ後のEコマース回復に備えるためのヒントを見ていこう。

まず前編を読んでおく

「入荷時にメールで通知する」オプションを追加する

人気ラインの在庫確保に苦労している場合、こうした問題を抱えている小売業者は自社だけではない可能性が高い。競合他社より早く在庫を用意できる保証はないかもしれない。

しかし、再入荷したことを潜在顧客にいち早く知らせることができるのは間違いない。

入荷メールをパーソナライズして取引の魅力を高める

商品が再入荷したことを潜在顧客に知らせるのはいいが、これを機にこのメールをさらにパーソナライズして、顧客を驚かせたり喜ばせたりしてはどうだろう?

再入荷した商品をパーソナライズしてクロスセル(関連商品を販売)すれば、次のような効果を期待できる:

  • 買い手に朗報を届けられる
  • ショップを訪れるさらなる理由を提供できる
  • 買い物かごのに入れてくれる商品が増える可能性も期待できる

素晴らしい方法になり得て、間違いなくウィンウィンだ。

商品が再入荷したら、リマーケティングをする

人々がオンラインで過ごす時間は増えている。これは事実だ。そのため、近い将来においてオーディエンスが時間を費やす可能性が最も高い場所で彼らにリーチするのは理にかなっている。

商品の人気(および在庫切れの間にその商品に向かうトラフィックの量)に応じて、再入荷した商品に関心を示した訪問者に基づき、リターゲティングリストを作成できる。

これは、あるタイプのユーザーにリーチするには素晴らしい方法だ。具体的には、「メールに対する反応が特にいいわけではないが、お気に入りのソーシャルプラットフォームで過ごす時間が増えている」というタイプのユーザーに、たとえばソーシャルメディアでリーチするのだ。

スケーラブルではないかもしれないし、少なくとも僕はスケーラブルにする方法を見つけられていない。しかし、

  • 売れ筋の商品ライン
  • 利益率が高い商品ライン

などでこれを行えば、「エンゲージメントしてくれた訪問者」や「途中まで行動しかけていた訪問者」をサイトに呼び戻す効果的な方法であることが判明するかもしれない。

必要に応じて値上げすることを恐れない

商売の基本原則を忘れないでおこう。それは、需要が多ければ(そして供給が少なければ)価格は上がるということだ。

値上げすることに企業は罪悪感を抱くべきではないが、当然ながら、正当化できる値上げとあからさまな搾取は異なる。たとえば、次の図を見てみてほしい。

このハインツのソーセージ入りスパゲティ(400g)4缶は、英国のスーパーマーケットなら約4ポンドで売っているだろう(現在の為替レートで約560円)。しかし、ある大手ECサイトでは、これが25ポンドに値上がりしていた。

これは搾取なのだろうか、正当な値上げなのだろうか。次のようなシナリオについて少し考えてみてほしい。

君はECサイトのオーナーだ。

君と君のスタッフは、深刻な健康リスクをもたらす可能性のある環境で働いているかもしれない。加えて、従業員の安全を確保するために考慮すべき追加費用もある。たとえば次のようなものだ:

  • 個人用防護具
  • 消毒剤
  • マスク
  • 体調不良のスタッフのための疾病手当

これらすべての要因が売上1件あたりの経費を押し上げ、利益を侵食する。

同様に、現時点では何の保証もない。こうした過去最高水準の売上も、突然終わってしまう可能性が常にある。その原因は、需要の変化や在庫の減少にあるかもしれないし、あるいは、社内でCOVID-19の感染者が出たために注文に対応できなくなるような状況にあるかもしれない。

たいていは制御不能なこれらの要因からビジネスを保護する取り組みを強化するために、相応の値上げをすることは悪いことではない。僕が思うに、それはビジネス感覚が優れているにすぎない。

こうした事態に直面した場合は、ビジネスをできる限り強固なものにしなければならない。相応の値上げをすることは、ビジネスの保護を強化する助けになる。

オーディエンスとつながる創造的な方法を見出す

こんなことわざがある

人生がレモンを与えるなら、それでレモネードを作る

(「逆境にあってもベストを尽くす」の意)

これは使い古された決まり文句だが、まさにその通りで、今日でも力強い言葉であり続けている。

創造性を発揮し、雑音を跳ねのけ、オーディエンスとエンゲージする方法を見出すことは、世の中から取り残されないために不可欠だ。顧客の資金が他の場所へ向かっているような場合には、特にそれが言える。

以下に挙げるのは、アパレル業界のクライアント向けに僕が取り組んできたアイデアの例だ(アパレル業界は、パンデミックによって特に厳しい影響を受けている業界の1つだ)。

人々がファッションに使う金額は減少しており、高級品は特に消費が減っている。そこで、オーディエンスが自らバーチャルで理想のワードローブを組めるようにしたらどうだろうか?

たとえば、

  • 夜の外出用に購入を検討したい服
  • 夏休みにスーツケースに入れて持っていきたい服

といった具合に。

かなりシンプルなアイデアだが、強力なアイデアと言えるかもしれない。これが顧客と企業の両方に及ぼし得る影響を考えてみよう。

顧客のなかには、「満足感が得られる」ことのいくつかを諦めている人もいるだろうし、非常に多くの人が外出できない状況を悲しんでいる人もいるだろう。僕たちの多くは新しい服を買うことを、バーやクラブに行くとか、節目を祝うとか、休暇に出かけるとか、あるいは単にオフィス勤務に戻るとか、そういう機会と結びつけて考えている。

忠実なファンや顧客が、あらかじめ決めておいたワードローブ(オフィス用、外出用、夏休み用)に基づいて価格を気にせず理想の服を選べるようにすれば、必然的に肯定的な感情や思い出を呼び起こすだろう。自分のコレクションを共有できるようにしてソーシャルの要素を注入すると、特にそうなる可能性が高い。

しかし、このようなアイデアからは、それ以外の成果も得られる。

  • 貴重なユーザーデータを収集する

    ロックダウン(都市封鎖)の方針が解除され始めたら人々が買うような服について、貴重な洞察を得ることになる。これによって需要に対する理解が深まる可能性もあり、サプライチェーンの再活性化を成功に導ける。

    加えて、訪問者が揃える商品を把握することで、新たなファッショントレンドを指南したり、パーソナライゼーションによって「あなたへのオススメ」を提示したりするのに役立つ。

  • 退屈を紛らわせる手助けをする

    ある意味、この種のアクティビティはアパレルにゲーミフィケーションの要素を加えるものだ。非常に多くの人が外出自粛を余儀なくされ、かなり怠惰で退屈な日々を過ごしている現在、ロックダウンの現実を切り抜けたり客観視し忘れたりする助けになる。

  • 状況が好転したら売上を歓迎する機会を生み出す

    「日常」が戻る変わり目に立ったら、インセンティブを提供すれば(たとえば、理想のコレクションの15%割引など)、アパレルやファッションのオンライン消費の再活性化を促し、これを支援する実に強力な方法になるかもしれない。これは回復を祝う素晴らしい方法でもある。

  • ブランドアフィニティ(ブランドへの愛着)を構築する

    すでに述べたことだが、非常に重要なので、もう一度言おう。世の中から取り残されず、マーケティングの取り組みを継続することは、社会がニューノーマル(新常態)に向かうときも良い状態を保つために欠かせない。

    オーディエンスにブランドに共鳴してもらい、離れていてもブランドによる前向きな行動を覚えていてもらえれば、パンデミック後も顧客とのこうした関係を維持して深化させる能力に大きな影響を及ぼすだろう。

最終的見解: D2CのEコマースに参入する大手ブランドの台頭

驚くべきことに、著名な大手企業やブランドが大きな動きを見せている。独自にD2C(消費者への直接販売)によるEコマースの道具立てを用意して、表面上はスーパーマーケットに真っ向から勝負しているように見える。

僕のお気に入りの例をいくつか挙げると、菓子メーカーのフリトレー(Frito-Lay)が作成したsnacks.comがある。フリトレーは、北米全域に同ブランドのスナック菓子を出荷している。

※Web担編注:この記事の編集時点で、日本からsnacks.comには正しくアクセスできなかった。

サイトでは「好きなスナック菓子を自由に組み合わせたパックを簡単に作って注文」という機能を実装しているようだ。

それから、ハインツの人気商品を英国の家庭に配送するHeinz to Homeがある。

こうしたD2Cによる新たなEコマースブランドが長期的にどうなるかは興味深いところだが、確かなことは、パンデミックにより、これまでには見られなかった方法でEコマースが加速し、進化しているということだ。

最後に、COVID-19で大きな打撃を受けた人へ、公私共に速やかな回復を祈っている。

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