見てもらえる動画を作るために必要なこと。スマホの多様な動画視聴スタイルを理解しよう
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スマホ動画の特性を理解せよ
スマートフォンならではの視聴状況への理解が重要
Chapter 1 準備 動画と広告の常識を更新せよ
iPhoneやAndroidスマートフォンの普及で、動画の見られ方は実に多様になりました。動画広告施策を成功させるには、動画が視聴されるシチュエーションを十分に考慮することが必要です。
シチュエーションの多様さはテレビとの大きな違い
テレビを視聴するシチュエーションは、ほぼ「家庭内でリラックスして見る」で決まっていて、テレビCMはこのシチュエーションを想定して制作されます。一方で動画は、スマートフォンの登場によって多様なシチュエーションで視聴されるようになっています。
自宅でリラックスしながら、朝夕の通勤電車の中で、仕事の休憩時間に……など、状況によって、動画の見られ方が違ってくることを理解する必要があります〔図表2-1〕
シチュエーションが変われば伝わり方も変わる
パソコンでのインターネット利用が主流だった時代から、スマートフォンの時代に変わって、動画が見られるシチュエーションは一気に多様化しました。さらに、YouTubeやSNSなど、動画を扱うメディアが増えたことも多様化を加速しています。
動画視聴のシチュエーションに影響する代表的な要素としては、次のものが挙げられます。
- デバイス……スマートフォン、タブレット、パソコンなど
- メディア……YouTube、Instagram、Facebook、Twitterなど
- 場所や場面……通勤電車の中、食事の前後、自宅のベッドなど
例えば、自宅で時間に余裕があるときにスマートフォンを利用している人は、ゆったりと情報を見て、興味を持った動画を視聴することも多いでしょう。
一方で、電車の中でスマートフォンを利用する場合は、限られた時間の中で情報を収集したり、話題になっているニュースを探そうとしたりして、慌ただしく操作することが多くなります。気になる動画を見つけても、冒頭部がおもしろくなければ、途中でスキップしがちです。
また、電車の中など公共の場では、イヤフォンを利用している人を除けば、音声をオフにしている場合がほとんどです。音声オフでTwitterやInstagramなどのSNSを利用する人にとっては、動画を見ても字幕がないとわかりにくく、伝えたいことが十分に伝わらないでしょう。
動画が見られるシチュエーションはこのように多様で、同じ動画でも、見られ方、伝わり方が変わってきます。動画広告においても、多様なシチュエーションで視聴されることを想定して、しっかりと伝わる動画を制作することが大事です〔図表2-2〕。
ターゲットのリアルな利用スタイルを観察する
視聴されるシチュエーションを考えるには、広告のターゲットがデバイスやメディアをどのように利用しているかを知ることが欠かせません。世代やライフスタイルが動画広告の企画・運用者から離れたターゲットであるほど、想像が及ばなくなるおそれがあります。
親戚や社員の家族など、できるだけターゲットに近い人を探して、どのように動画を視聴しているか話を聞いたり、実際に操作するところを見せてもらったりするといいでしょう。
例えば、若者をターゲットとした動画広告を制作するときには、実際に10〜20代の人がスマートフォンを使う様子を観察してみてください。短いスパンでアプリを切り替え、画面をスクロールして、高速に情報を処理していることに驚く人も多いと思います。
ターゲットのリアルな利用スタイルを観察し、若者の情報やコンテンツへの接し方を知って初めて、「彼らが手を止めて見てくれる動画広告とはどのようなものか?」を具体的に考えられるようになります。(鈴木・高橋)
動画はさまざまなシチュエーションで見られており、同じ動画でも伝わり方が変わります。動画広告のターゲットがどのように動画を見るか、理解することが重要です。
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