【レポート】Web担当者Forumミーティング 2019 Autumn

若者の“Webサイト離れ”が進む――知っておきたいSEO最新動向と対策ポイント5つ

5G通信が登場。今何をすべきで、何を考える必要があるのだろうか? Webサイトがどうなっていくのかを考察するとともに、SEOの最新動向を解説
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IT業界の動きは目まぐるしい。2010年代だけをみてもスマホ、ソーシャル、VR、AI、5G、量子コンピュータなど、注目トレンドが次々と生まれている。その一方、ECをはじめとしたインターネットビジネスの中心は1990年代から「Webサイト」が担い続けてきた。だが、「それもいずれ変わっていくだろう」とハートコアの神野純孝氏は話す。

CMSベンダーであり、SEOにも明るい神野氏が「Web担当者Forum ミーティング 2019 秋」に登壇。今後Webサイトはどうなるのか、最新のSEO事情について語った。

トークセッション参加者
ハートコア株式会社 代表取締役社長/CEOの神野純孝氏

将来的に、Webサイトは廃れるのか?

Webサイトは、インターネットビジネスの起点となる要素だけに、IT業界のトレンドの影響を大きく受ける。直近では「5G」「AI」「量子コンピュータ」などに注目が集まっているが、これらの実用化・普及が進めば、ECサイトの在り方も当然変わるというわけだ。

サンフランシスコ在住の神野氏は現地のベンチャー起業家と面会する機会が多く、5G時代やAI実用化を見越したプロトタイプ製品を日々目の当たりにしている。その変化をいちはやくフォローアップすべく、情報収集には力を入れているという。

その神野氏が投げかけるのは「Webサイトは果たしてどうなるのか? 廃れるのではないか?」という疑問だ。たとえば、今後もしVR/AR技術などが大きく発展して、専用のゴーグルなどを身に付け、視界に入った商品をダイレクトに注文するといったことが可能になったら、どうだろうか。そこに“Webサイト”は必ずしも介在しない。

5GやAIの登場によって、Webサイトは“過去の存在”となっていくのだろうか?

若者のWebサイト離れ

そこまでの将来ではなく、今2019年の段階においても、ソーシャルメディアの台頭がWebサイトの在り方にインパクトを与えている。神野氏曰く「先日、19歳の子に『ブラウザー開いて』と言ったら、通じなかった。『ブラウザーってなんですか?』と聞き返され、本当にビックリした」。ここが話のオチではない。

その若者は、iPhoneユーザーなのか「Safari」は認識しているものの、そのSafariをほとんど使っていない。調べ物をする場合は、InstagramやTwitterのハッシュタグ機能を用いる。

どうやら若者の間では、こうした使い方が一般的に広がっている。我々のように「まずブラウザを開いてGoogleでキーワード検索する」という流れは彼らにはない。普段使っているSNSアプリの中で行動が完結している(神野氏)

あらゆる場面で、ブラウザーでの検索からソーシャル(アプリ)へとシフト

つまり、そういった使い方をしている若年世代にブラウザー(Webサイト)向けの情報発信をしても、リーチできない。やがてその世代が成長し、就職し、いずれ企業で中核的な役割を担っていくが、その時、果たしてWebサイトは使われるのだろうか?

知人と連絡先を交換する際、電話番号やメールアドレスより、まずはLINEなどのSNSアカウントを優先するようになってすでに久しい。この「Webサイトは廃れる」論には、一定の説得力があるのかもしれない。

ヘッドレスCMSへの移行

こうした状況への先回りともいうべきか、CMSも「ヘッドレスCMS」への移行が少しずつ進んでいるという。

ヘッドレスCMSとは、基本となるコンテンツデータはサーバーに用意しておき、出力先をWebサイト以外のソーシャル、キオスク端末、デジタルサイネージなどあらゆるアプリやデバイスにも広げようというシステムである。神野氏によれば、一部大企業などを中心に、CMSのヘッドレス対応が製品選定条件となるケースが増えつつあるという。

神野氏は、このように大きなトレンドに対する動きを語った。

SEOの最新動向と対策ポイント

とはいえ、企業のWeb担当者は今日・明日の集客を疎かにはできない。講演中盤からは、SEOの最新動向解説に時間が割かれた。

① モバイルファーストへの対応

Googleは検索結果の順位付け方法を常に改善し続けているが、最近の動向で最もインパクトがあるとされるのが、2018年に導入された「モバイルファーストインデックス(MFI)」である。PC(デスクトップ)向けに表示されるURLではなく、モバイル向けのURLをコンテンツ評価の対象とするというものだ。この背景には、Google検索におけるモバイル端末からの利用割合増加があるとされる。

Googleが「モバイル ファースト インデックス」を導入

② ページ表示速度・AMP対応

同様に、「ページの表示速度」がモバイル検索順位の大きな要因になることも表明されている。「モバイル検索では、表示が非常に遅いページには、ペナルティが課される」と神野氏は説明する。ただページ表示速度は、SEOに限らず、ECサイト運用でも極めて重要な指標とされる。米国の調査会社によれば、Amazonはページの読込時間が0.1秒長くなるだけで売上は1%減り、年間の損失額は13億ドルに達するという(下図)。

表示速度が遅いと、SEO面ではもちろん、ECサイトでは売上にも悪影響が出るという

神野氏が公開した米SEMrush社の調査(※)によると、モバイルサイトの70%はページ表示速度が7秒以上といわれるが、ユーザーの53%は3秒以上読み込みに時間がかかると離脱するという。さらに、これは男女平均にすぎず、女性が許容する読込時間は同調査では“1秒”とされており、女性利用を増やす上ではさらなる努力が必要だとした。

読込速度の高速化には、JavaScriptの最適化などの手段があるが、代表的かつ効果的なのが「AMP(Accelerated Mobile Pages)」対応である。同調査によると、この規格への対応により、表示速度は85%改善するとされ、Google上でもアイコンの有無で対応状況が区別される。

(※)「2019 Mobile SEO & AI Trends: How to Stay Ahead of the Competition」

講演中、神野氏はAMP対応ページの表示速度が高速である点をデモ。また、AMP対応していれば検索1位よりも上の位置に表示される可能性もあるため、検索トラフィック増加にも好影響を与えると力説した。

AMP対応で期待される効果

③ コンテンツ文書の適切な長さ

この他にも、SEOにはさまざまな要素がある。たとえば、1ページ当たりの文字数がその1つだ。

Googleで検索1位を取ろうとした場合、昔は1ページをとにかく長くして、文字数を多くするほうが有利な時代もあった。1ページに8000文字くらい詰め込むほうが良いといわれていた時代もある。それこそ、ありとあらゆる情報を1ページに詰め込んでいた。しかし今は、検索意図を適切に捉えた良質なコンテンツであれば500~700文字くらいの標準的なコンテンツ量のページでも十分1位がとれるようになった(神野氏)

1ページ当たりの長さも、SEOに影響する

④ RankBrain対策

またGoogleでは、ユーザーの検索ニーズを適切に理解して、そのニーズに応える情報を表示するための新しい機械学習ベースの仕組み「RankBrain(ランクブレイン)」を2015年頃から導入している。

RankBrainは年々進化しているが、Googleとしても相当自信を持っているようだ。RankBrainの導入によって、検索上位サイトの直帰率や滞在時間に明らかに好影響が出ている。これはRankBrainによって、より検索ニーズに応えるページが上位に表示されるようになったことの表れではないだろうか。今後もこの方向性は変わらないだろう(神野氏)

RankBrainとは

とはいえ、RankBrainに対して、サイト運営側ができることは、ほとんどない。神野氏は現実的にできることとして、「スニペット」の改善を挙げる。

HTMLソース内でページ内容や検索ニーズへの答えを適切に設定することで、サイト運営者側が意図したページ説明文を掲出させられる。より踏み込んだ使い方としては、なんらかの商品が検索にヒットした際、在庫の有無、レビュー、サイト内におけるランキングなど、より鮮度の高い記述も出せる、専用のデータをHTMLに埋め込んで「リッチスニペット」の活用も検討するのがいいだろう、と提案した。

検索トラフィックを増やすにはリッチスニペットが重要

⑤ 音声検索

さらに「音声検索」も重要だ。2020年までにはすべてのインターネット検索のうち、50%以上が音声検索になるとの指摘もある。神野氏は、ここでもスニペットによる指定が大切だとした。

◇◇◇

なお、AMP対応やリッチスニペット対応は効果があるとわかっていながら、すべての事業者には広がっていない事実からわかるように、導入のハードルは高い。「AMP対応の基本的な考え方は、1つのページを通常用・AMP用にそれぞれ作ること。どの会社も100~1000単位でページがある中で、これを後からAMP対応にするのは本当に大変。『やりたくない』と思って当然だ」と神野氏はいう。

ハートコアの「HeartCore CMS」は、AMP対応ページの自動作成機能を備える。また、本来なら複雑な構造化作業が必要なリッチスニペットについても、コンテンツに応じて自動抽出することが可能だ。「(AMP対応・リッチスニペット対応の)先には、ヘッドレスCMSも当然見えてくる。5G時代にいち早く備えるためにも、今のうちからCMS導入を考えてほしい」───神野氏はそうアピールし、講演を締めくくった。

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