ラグビーワールドカップはTwitter運用も大成功! 企業や自治体が参考にするべきことは?
ラグビーワールドカップのTwitterアカウント、なぜ圧倒的に支持されたのか
この秋、日本で開催されたラグビーワールドカップは大成功。「にわかファン」というワードも話題になりましたが、私もその中のひとり。これまでまったくラグビーに興味のなかった方でも、ラグビーの魅力を十分に知ることができる、すばらしい大会でした。
ラグビーワールドカップを大いに盛り上げてくれたのが、公式Twitterアカウント「@rugbyworldcupjp」です。試合をテレビで見ながら同時に、公式Twitterアカウントから発信される画像や動画を楽しんだ方も、多いのではないでしょうか。
私自身もいちユーザーとしてラグビーワールドカップの公式アカウントを追っかけていました。ここで改めて、企業さんや自治体さんのSNS運用をサポートする目線で、このアカウント運用がなぜ多くのユーザーの支持を得られたのかを分析してみます。特に大きな企業や自治体のSNS運用担当者さん・SNS運用の方針を決める経営者さんや管理職のみなさんは、参考にしてください。
(1)動画・画像の利用の自由さ
テレビで街の風景を撮影する際、出演者ではない一般の方は、顔にぼかしが入ることがほとんどです。これは「勝手に公共の電波に自身の顔を載せたくない」という、一般の方のプライバシー(肖像権)を守るためです。一方、ラグビーのようなスポーツの中継は「公共の場」であり「だれでも写真や動画を撮影できる状況」であることから、観客が被写体となったテレビ映像が法的に問題になることは、今のところありません。
ただ、法的に問題になるかどうかは置いておいて、スポーツの試合の画像や動画をSNSに掲載すると、「顔が完全に識別できる。当人に許可はとっているのか?」と指摘されるケースがあります。裁判で争えば「問題なし」と証明できるケースもあるはずですが、無難にクレームを避けるため、企業の投稿では、一般の方が映った映像や画像の掲載は避ける傾向があります。正直なところ、私自身もクライアントさんに「一般の方が映っている写真をSNSに掲載するのは、できるだけ避けたほうがいいです」と伝えています。
この点について、今回のラグビーワールドカップのTwitterアカウントは、すごく柔軟に運用をしていました。おそらく現場では、目の前にいるお客さんとを被写体として映像や画像を撮影した場合、撮影の直前もしくは直後に「Twitterに掲載してもいいですか?」と確認していたのではないかと思います。
しかしタイムラインをずーっと見ていると、本人に確認することが明らかに難しそうな投稿もあります。
ファンの勢いではウェールズが優勢#RWC2019 #NZLvWAL #RWC東京 pic.twitter.com/44jHX2wPk8
— ラグビーワールドカップ (@rugbyworldcupjp) November 1, 2019
応援してくれたファンにスパイクをプレゼントネポ・ラウララ#RWC2019 #NZLvWAL #RWC東京 pic.twitter.com/6FaHyNHvns
— ラグビーワールドカップ (@rugbyworldcupjp) November 1, 2019
これに対して、「万が一、肖像権についての問い合わせやクレームがあった場合の対処法」などを、運用メンバーと上層部が共有して発信していたと推察されます(まあそもそもこれだけ楽しそうに観戦されているみなさんが、公式アカウントで紹介されたことを自慢こそすれ苦情など言いそうにもないですが)。
公式の映像や画像は、ほぼ制限なく活用されていたようで、共有クラウドにどんどんデータをアップしTwitter担当者が自由に使える状態にあったと思われます。なお、公式映像が公式アカウントでどんどん公開されたことで、「ユーザーがテレビ動画を、違法に流用して公開する」といった行為も減少したようです。
なによりも、ユーザーが見たい映像がどんどんアップされるため、フォロワーも増加するしRTもされる。ラグビーワールドカップのTwitterアカウントは、役職の高い「意思決定者」の方が、SNSに対して深く理解していたと思われます。
オールブラックスのハカ「カ・マテ」
— ラグビーワールドカップ (@rugbyworldcupjp) November 1, 2019
彼らにとって、このチームで披露する最後のハカとなります。リードするのは、この試合で代表を引退するキーラン・リード主将#RWC2019 #NZLvWAL #RWC東京 pic.twitter.com/VIZCAZtPuG
(2)中の人がおそらくツイ廃
3位決定戦が行われた11月1日のツイート数をカウントしてみると、ちょうど100投稿!(カウントミスの可能性もありますが笑)。
ノーサイド両チームのヘッドコーチもビール乾杯です#RWC2019 #NZLvWAL #RWC東京 pic.twitter.com/ZZmaLxYRbB
— ラグビーワールドカップ (@rugbyworldcupjp) November 1, 2019
いや、これだけツイートできるのは“ツイ廃”(Twitter廃人、Twitterに没頭している人の俗称)であるなによりの証拠です。いくらネタが豊富だと言っても、1日100投稿はなかなかできません。私自身数々のクライアントさんのTwitterアカウントを運用していますが、1日のツイートが100に達したことは数回しかありません。
おそらく普段からTwitterを触りまくって「これだけの頻度の投稿をしても、フォロワーは間違いなく喜んでくれる」と理解している、いや、知っている人であるはずです。
(3)大会が盛り上がったことが、なにより一番大きな理由
いくら中の人ががんばっても、投稿に使えるネタがたくさんあっても、大会そのものが盛り上がらなければ、これほど多くのTwitterユーザーを楽しませることは無かったはずです。
いわゆる「にわかファン」である私自身、開幕直後の初戦は、当日試合後のニュースを見て「あ、ラグビーが始まったのか」ぐらいの感想しか持ちませんでした。その後の日本の快進撃はあなたもご存知のとおり。日本の快進撃を見てラグビーというスポーツそのものの魅力に気づいたファンが、日本チームの敗退後も大会を観戦し続け、大会そのものが大成功となったことを、否定する方はいないはずです。
当然ではありますが、「コンテンツそのものの強さ」が、Twitterアカウントの強さにも大きな影響を与えたのです。
企業や自治体が参考にするべき3つのポイント
さて、この成功を見て、企業の担当者は何を考えるべきでしょうか。私は以下の3ポイントを挙げたいと思います。
(1)使える素材は惜しみなく使う
権利関係に縛られて動画や画像の利用が制限されていると、運用担当者は投稿ネタにも困ります。何より、ユーザーが本当に見たいものを発信できないケースも増えます。もちろん一定の制限は必要ですが、可能な限り、出せるものは出しましょう。
(2)できる限りTwitterに慣れている人が運用する
あなたの会社にツイ廃はいませんか? いるなら探してその方に運用をおまかせしましょう。ヘビーユーザーがいちばんうまく運用してくれます。「何をしたらTwitterユーザーが喜ぶのか」「どんな投稿をしたら怒られるのか」、こういった機微を、ツイ廃な担当者なら熟知しているはずです。
(3)本業はちゃんとがんばろう
Twitterを使ったからと言って、何をやっても売れない商品が、急にドカドカ売れることはありません。まずは魅力的な商品やサービスがあり、それをTwitterというツールを通して知ってもらうのです。
あとなにより、企業の特に上層部の方のTwitterに対する理解は必須です。逆に、もしあなたが企業内でSNSの運用についてある程度の意思決定があるポジションに就いており、かつTwitterのことはあまり詳しくないのなら、運用についてのあれやこれやは担当者に一任してください。うまくやってくれます。
2020年のオリンピックでも、Twitter担当者がこれぐらいやってくれると、嬉しいんですけどね。田村でした。
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