Web担編集部がゼロから学ぶ、Tableau「BI講座」。半年で資格合格を目指す!

Tableauで計算フィールドを駆使して“見たい指標”を作り出す #7

「ディメンションとメジャーの整形」をさらに深掘り。「セッションの数が1あるいは2以上」という条件でユーザータイプを分類し分析する【第7回】

日を改めて木田さんによるWeb担編集部向けの第3回特別講座が開催された。今回は、TableauとGoogleアナリティクスを接続して、分析に活用できるように「ディメンションとメジャーの整形」を前回に引き続き深掘りしていきます。

今回は、分析の前段階として、「セッション数が1のユーザーと2以上のユーザー」を分けるという、ディメンションの整形をしていきます。

本連載は、Tableauスペシャリストのプリンシプル木田さんが講師を務め半年間の特別講座で、BI知識ゼロのWeb担編集部がTableauの資格取得を目指す記事です。
授業の様子

セッション数が1のユーザーとセッション数が2以上のユーザーを作る、「ユーザータイプ」の作成

木田:いよいよ講座も第3回となり、折り返し地点に来ました。今回も頑張っていきましょう。前回に続き、最後に保存した「Tableauパッケージドワークブック(*.twbx)」ファイルを開いてください(もしくは、Googleアナリティクスと接続したシートを開いてください)。こんな画面になっているかと思います。不要なピルが残っていたら、画面上の「シートのクリア」ボタンでまっさらにしてください。

この状態の画面からスタート

木田:このデータはWeb担のGoogleアナリティクスと連携していますが、Web担の読者さんには、「初めて訪れた一見さんが多いのか、何度もサイトに来てくれるお得意さんが多いのか」を分析できるように準備していきましょう。

Web解析の世界では、次のように呼びます。

  • 「セッションの数」が1の人を「New Visitor」(=一見さん)
  • 「セッションの数」が2以上である人を「Returning Visitor」(=お得意さん)

これに合わせて新しいディメンション「ユーザータイプ」を作ってみましょう。

四谷:はい、よろしくお願いします。

木田:「セッションの数」は“何回目の訪問だったか”を表します。30分以内に同じユーザーがサイトに訪れたときはセッションは1ですが、たとえば、サイトを訪問した翌日に再度訪問するなど、30分以上操作がない状態で、サイトに再度訪れると、セッションは2となります。

「セッションの数」の説明をしたので、実際にユーザータイプを作っていきましょう。ディメンションの「セッションの数」を行シェルフに入れてください。

ディメンションの「セッションの数」を行シェルフに入れる

四谷:あれ、先生見たこともないグラフが表示されているんですが…。

木田:これは、データが「連続」なのか、「不連続」なのかの違いですね。たとえば1、2、3、4、5…と連続した数字データとして存在しています。 いまここで、私たちは、「『セッションの数』が1のユーザータイプの、セッション数は?」という結果を得たいわけですから、それぞれの数値が独立したもの、つまり不連続なものとして捉える必要があるのです。 ですから、ピルの「セッションの数」を右クリックして、表示されたメニューから「不連続」を選んでください。

メニューから「不連続」を選ぶ

木田:ちなみに、ピルの色が変わったことはわかりますか?

  • 「連続」→「緑」
  • 「不連続」→「青」

という違いがあります。「不連続」にすると、ピルの色が「青」に変化し、「セッションの数」ごとに表示されました。

「セッションの数」ごとに行が表示される

木田:つづけてメジャーのほうの「セッション」を、列シェルフに入れてください。「セッションの数ごと」に棒グラフが表示されました。

列シェルフにメジャーの「セッション」を入れる

さらに画面上の[T]の字のボタン、「マーク ラベルの表示」ボタンをクリックしてください。グラフの数字が表示されるようになりました。

「マーク ラベルの表示」をクリックするとグラフに数値が表示される

木田:次に、セッションの数ごとの棒グラフを、セッションの数が1のものを「New Visitor」、「セッションの数」が2以上である人を「Returning Visitor」と表示されるようにしていきます。

「ディメンション」という表示の右にある下向き三角形をクリックします。あるいは、ディメンションやメジャーが並んでいる場所(データペイン)のなにもない個所を右クリックします。どちらでもかまいません。同じメニューが表示されるので、「計算フィールドの作成」を実行してください。

「計算フィールドの作成」は、すごく優秀で、大事な機能です。Tableauを使いこなしている人は、計算フィールドを使って、新しいディメンションを自分で生み出したり、いろんな指標を生み出したりしているんです。Excelで言うところの「関数」に近い位置付けですね。

「ディメンション」の右上[▼]をクリックし、[計算フィールドの作成]をクリックする

木田:すると、下図のような[計算フィールド]がポップアップするので、まず「計算1」となっている名称を「ユーザータイプ」に書き変えます。

「計算1」となっている名称を「ユーザータイプ」に書き変え

木田:そして、その下のボックスに、以下の計算式をキーボード入力してください。入力の文字は基本、大文字でも小文字でもかまいません。

if [セッションの数]=1 then "New Visitor" else "Returning Visitor" END
計算式をキーボード入力する

木田:「[セッションの数]」の部分は、キーボードから入力してもいいですが、ディメンションの「セッションの数」を直接ドラッグ&ドロップするほうが楽ですし、入力ミスも防げます。では「OK」ボタンをクリックしてください。さて、これはいったい、なにをさせたくて書いた計算式だと思いますか?

四谷:「もしセッションの数が1ならNew Visitor、そうじゃなければReturning Visitorとする」という意味ですよね?

木田:そのとおりですね。いまセッションの数は1から順に、ものすごい数に分かれています。それだと分類がしにくいので、これを2つのグループに集約する、というのがこの計算式です。便利ですね~(笑)。

今回はやりませんが、慣れてくれば、「1~3は未熟ユーザー、4~10は中堅ユーザー、11以上は熟練ユーザー」みたいにグループを再編集して、サイト滞在時間を分析する、直帰率を分析する、といったことができるようになりますよ。

四谷:なるほどー。

回答する四谷

木田:ディメンションのなかに「ユーザータイプ」という、新しいディメンションが出てきたと思います。

ユーザータイプ

木田:行シェルフの「セッションの数」の右横に、新しくできた「ユーザータイプ」を入れてください。セッションの数が1の人が「New Visitor」、「セッションの数」が2以上の人が「Returning Visitor」と表示されていますね。

ユーザータイプとしてNew Visitor/Returning Visitorが表示されるようになった

木田:列シェルフにメジャーの「セッション」をドラッグ&ドロップし、行シェルフを「ユーザータイプ」だけにしましょう。グラフが「New Visitor」「Returning Visitor」の2項目だけになりました。

グラフがNew Visitor/Returning Visitorの2項目に集約された

木田:このように、Tableauは自分の好きなように指標を作り出せるんです。Excelとの比較でいうと、Tableauのほうが圧倒的にこうした操作がやりやすいんですよね。

◇◇◇

木田:ところで、先ほど入力した計算式ですが、誤入力をしてしまう場合もあるかもしれません。その場合は、パネルの下部に、エラーメッセージが表示されるので、修正してください。エラーメッセージ右横の三角形をクリックすると、間違えている内容を教えてくれるので、それに従って修正しましょう。正しければ「計算は有効です」と表示されます。

「then」を「the」と誤入力した例。「計算にエラーが含まれています」と表示されている。[▼]をクリックすると、エラー内容が表示される

いかがでしたか。ユーザータイプを作ってきました。次回は、「ランディングページのクエリパラメータを除外する方法」を学んでいきましょう。

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