Tableauで「メディア別のバズった記事調査」を作成とダッシュボードの共有方法を学ぶ #17(最終回)
連載の最終回は、Web担で毎日使えるようなダッシュボード「メディア別バズった記事調査」を卒業制作として作ります。そして、最後に作成したダッシュボードやワークシートの共有方法を学び、半年間の講座を終えましょう。
卒業制作! 「メディア別のバズった記事調査」のダッシュボード作成
木田: あっという間に、最終回です。今まで学んできたことのおさらいも兼ねて、Web担で毎日使えるような「メディア別バズった記事調査」のダッシュボードを作りましょう。
「流入Top10」のワークシートを作る
木田: まず、「流入Top10」のワークシートを作ります。「メジャー」の「セッション」を行シェルフにドラッグし、「ディメンション」の「日付」を右クリックで列シェルフにドラッグし、「フィールドのドロップ」の設定画面で「月/日/年(日付)」を選択し、「OK」で閉じます。これは、第12回で学んだ不連続ですね!
木田: 次に、「マーク」の「色」に、「ディメンション」の「参照元」をドラッグします。
木田: 上位10だけ表示されるようにフィルターをかけたいので、①「ディメンション」の「参照元」を「フィルター」にドラッグすると、「フィルターの設定画面」が表示されます。②「上位」タブに変更して、③「フィールド指定」にチェックを入れて、④「上位10位」、「セッション合計」でフィルターをかけて、⑤「OK」で閉じます。
木田: 次に、「ディメンション」の「メディア」を同じく「フィルター」にドラッグし、フィルターの設定画面の「全般」で「referral」のみ選択し、「OK」で閉じます。
木田: シート下のワークシート名(ここではシート11)を「流入Top10」と名前を変更しておきます。
ランディングページのクロス集計表を作る
木田: 次に、「ランディングページ」のクロス集計表を作ります。「ディメンション」の「ランディングページ」を行シェルフにドラッグし、シート上のAbcの所に「メジャー」の「セッション」をドラッグします。降順にしておきます。
木田: ワークシート名(ここではシート12)を「ランディングページ」などと名前を変更したら、ワークシートの完成です。
メディア別バズった記事調査のダッシュボードを作成する
木田: これら2つのワークシートを組み合わせて、ダッシュボードを作ります。新規ダッシュボードを開き、「流入Top」「ランディングページ」をそれぞれダッシュボードに並べて配置します。シートサイズが小さい場合は、「固定サイズ」を「自動」に変更しておきます。
木田: 「オブジェクト」の「Webページ」を「流入Top10」のワークシートの下に配置し、一旦「OK」で閉じます。
木田: ダッシュボートのアクションを設定していきます。今回は2つアクションを設定します。「ダッシュボード」メニューの「アクション」をクリックします。
木田: 「アクション」の設定画面が表示されたら、「アクションの追加」から、「フィルター」を選択します。
木田: 「流入Top10」のグラフをクリックすると、「ランディングページ」のクロス集計表が変わるというフィルターを設定していきますので、①「ソースシート」は「流入Top10」にチェックし、「ターゲットシート」は「ランディングページ」にチェックをします。②アクションの実行対象は「選択」にして、③「OK」で閉じます。
木田: 同様に、「アクションの追加」から「URLに移動」を選択します。
木田: 「ランディングページ」がクリックされたら、Webページが表示されるフィルターを設定するので、①「ソースシート」は「ランディングページ」のみにチェックを入れます。②アクションの実行対象は「選択」にして、③Web担のURLを入力して、④「▼」から⑤「ランディングページ」を選択し、⑥「OK」で閉じます。
https://webtan.impress.co.jp<ランディング ページ>
木田: 「アクション」の設定画面が再度表示されるので、「OK」で閉じます。
木田: これで「メディア別バズった記事調査ダッシュボード」の完成です。流入Top10のグラフをクリックすると、そこに流入したセッションの多い順にランディングページの順位が入れ替わり、URLをクリックすると該当記事がなんであるかわかるという仕組みです。
ワークブックの2つの共有方法を学ぶ
木田: 今までTableauの基礎を学んできましたが、優れたVizやダッシュボードを作ることが目的ではありません。作成したVizや分析を通じて、何らかのアクションが起こってこそ、意味があります。そこで連載の最終回は、Tableauで作成したワークブックを共有する2つの方法を理解しましょう。
- ファイルで共有する
- クラウドで共有する
ファイルで共有する(無償)
木田: 1つ目は、無償のTableau Readerを使って、ファイル共有する方法です。Tableau Readerを使うと、PDFで共有するより、Tableauらしさであるハイライトやフィルター、アクションなどが動作します。
Tableau Readerは、Tableauの公式サイトから無償でダウンロードできます。その代わりTableau Readerは、Tableau Desktopで保存された、パッケージドワークブック「.twbx」ファイルのみ閲覧可能で、編集は一切できません。以下のような場合にはファイルで共有すると良いでしょう。
- 情報共有にあまりコストが掛けられない
- 共有対象者が少ない(5人以下)
- 自動更新が不要、もしくは更新頻度が低い
クラウドで共有する(有償)
木田: 2つ目は、有償のTableau ServerやTableau Onlineなどの製品を使って共有する方法です。無償のTableau Readerに比べて、以下のニーズがある場合は有償のサーバー製品を活用すると良いでしょう。
- 共有対象者が多い(5人以上)
- データセキュリティが重要なデータを共有する
- 自動更新が必要、もしくは更新頻度が高い
有償のサーバー製品は主に2つあります。
- Tableau Server: オンプレミス型。自社サーバーやクラウドで構築する製品
- Tableau Online: ホスティング型。Tableau社の独自のクラウドに構築済みのTableau Serverを年間契約で利用できる製品
Tableau Desktopで作ったワークブックやダッシュボードをサーバーにアップロードすることで、ユーザーのアカウント権限に応じた操作と共有が可能です。その他のメリットとしては、以下の4つがあります。
- データガバナンス
- スケジューラによる自動更新
- ブラウザでの閲覧が可能に
- Webオーサリング
データガバナンス
たとえば、ファイルによる共有をして、仮にそのデータが漏洩してしまった場合、その範囲はわかりません。しかし、サーバーならば、だれがいつログインし、どのVizを見たのかログが残ります。逆にログを使えば、使われないワークシートが一目瞭然ですから、どう改善するか議論を始めることができます。
また、Tableau serverでは、ユーザーごとの権限付与ができるんです。なので、だれになにを見せるかというデータガバナンスができます。
スケジューラによる自動更新
データの更新には「人間が作業する」といった工程が入るとミスの発生率が高くなります。Tableau serverには自動更新機能があり、人間が作業を一切せず、いつも最新の情報が見られる状態を保てます。
ブラウザからの閲覧が可能
スマホやタブレットなどの端末でも追加のソフトウェアが不要で閲覧できます。
Webオーサリング
Tableau Desktopを買うほどではないけれど、少し直したいという場合には、Webオーサリングの権限を付与し書き換えをすることもできます。
四谷・二村: これにてTableauの半年間(全6回、記事17回分)の基礎講座は終了です。木田先生、ありがとう半年間ありがとうございました。「分析」とは程遠い編集部でしたが、何とか最後まで学ぶことができました。学んだコトを活かして、良い記事作りができるように頑張ります!
木田: 四谷さん、二村さん、
また、その後、17回にもわたって記事を作って頂き、
まだ、Tableauに触れたことのない人が、
お二人も、
ソーシャルもやってます!