[若手マーケターコラム] Half Empty? Half Full?

隣にいる人を喜ばせたい――マーケターしまこの礎になっている仕事の指針とは?

今回は、新たに連載メンバーに加わったヤプリの島袋孝一氏。マーケターとして、ビジネスマンとして、もっとも大事にしている考えを紹介する。
株式会社ヤプリ コミュニケーション室 マーケティングスペシャリスト 島袋孝一

はじめまして。株式会社ヤプリというベンチャー企業で、マーケティングスペシャリストとコミュニティマネージャーを担当している島袋と言います。

今年(2019年)で40歳になりますが、デジタルやWeb分野の業務は、2013年から始めたので7年目。この年齢で、このキャリアは、業界的には浅い方かと思います。新卒からキャリアをスタートさせ、豊富な経験を背景にさまざまなナレッジやスキル習得をされている方もお見かけするので、日々焦りの連続です。

この「Web担当者Forum」は、私がWeb担当者になりたての頃はもちろん、現在も日々の情報源としてお世話になっていますし、この「若手マーケターコラム」も楽しく拝読してきました。

とはいえ、年齢的に「若手」とは言いがたい私がここで何を書くのかといろいろ考えましたが、

  • 商業不動産と飲料業界の経験しかない
  • 経営層ではないサラリーマン
  • アラフォー

そこから、

  • 初のIT・Web業界
  • 初のベンチャー企業でのキャリアスタート

という背景の私ですから、何を書いても、他のメンバーとは違った視点からの話になるはず。読み比べなどしていただきながら、楽しんでお読みください。

志望動機で語った言葉

「若手マーケターコラム」の初回は自己紹介からということで、今回は、新卒で入社した会社の話から始めたいと思います。

私の社会人のキャリアは、株式会社パルコという商業不動産ディベロッパーからスタートしました。2004年当時は就職氷河期で、なおかつ、大学2浪+夜間大学という経歴だった私は、この会社しか内定がありませんでした。

当時のパルコは「U29採用」というユニークな制度があり、29歳以下であれば、国籍・年齢・性別・学歴を問わない採用を行っていました(内定後は会社に伝えます)。

そのときの20名ほどの同期は、本当にバラエティ・多様性に富んでいました。ファッションがとてつもなく好きな人、建築の大学院を出ている人、大学を2つ出ている人……。内定時代からmixiのコミュニティで繋がり、入社後に転勤で全国にバラバラになっても、年に1度は集まっていました。時の流れの中で、私のように退職する同期もいましたが、今でもFacebookなどのSNSで交流があります。

身も蓋もない話ですが、「ここしか内定が出なかったから」パルコに入社したわけですが、そのときの志望動機は、「身近な人が喜ぶ商業施設を作りたい」というものでした。

ただ、この志望動機が内包するエッセンスは、パルコを離れた今なお、自分の仕事の指針として、大きな影響力を持ち続けているのです。

「イコールパートナー主義」の大切さ

サラリーマンの多くが、最初に勤務した会社の社風に大きな影響を受けると思いますが、やはり私自身も、社会人としてのコアは、パルコで働いていたときに形成されたと思っています。

訪れる人々を楽しませ、テナントを成功に導く、
先見的、独創的、かつホスピタリティ
あふれる商業空間の創造

これは、パルコの経営理念ですが、当時から好きでしたし、今も共感をもって胸に刻んでいます。

特に私が好ましく思っていたのは、ビジネスパートナーとの付き合い方で、「テナントとのイコールパートナー主義」を標榜しているところです。

ビジネスの現場では多くの場合、受発注の間柄で上下関係が生まれがちです。不動産業にしてもそうで、商業ビルの大家と棚子(テナント)の関係は、「大家の方が偉い」かのようなしきたりがあったようです。契約書の条文1つとってもそうです。

しかし、パルコは、いかなるステイクホルダーとも対等の立場を貫き、平等を謳います。これは、出店していただくテナントに対してだけでなく、広告制作での代理店との付き合い方、新進気鋭なクリエイターとの取り組みでもそうでした。

そんな企業理念が形骸化することなく、脈々と日々のビジネスに根付いている点は、私のサラリーマン・ビジネスマンの礎となったと言えます。

非デジタル経験は大きな助けになる

下の表は、パルコに在職していた13年間の主なキャリアをまとめたものです。

「Web担当者Forum」の読者には、ほとんどなじみのない部署、業務ばかりだと思いますが、私を形成する原体験ですので、表で紹介させていただきます。

所属店舗/部署主な業務
2004~2005調布店:管理課商業施設の安心・安全を守る仕事(防火管理士・防災センター要員、食品衛生責任者などを取得。店舗消防計画の策定・防犯管理など)
2006~2008大分店:営業的キャリア催事店舗の運営(今でいうPOP UPストア)、テナントリーシング、店舗宣伝販促
2009~2010静岡店:営業課テナントリーシング・契約更改・マスメディアでの宣伝販促
2011ストアオペレーション本部全19店舗(当時)のPL予実管理(営業総利益・営業利益)。朝から晩まで会計システムとExcelの日々
2012上期大津店:宣伝販促
2012下期経営企画室M&A案件管理・Webプロジェクト事務局
2013~2016Webコミュニケーション部、メディアコミュニケーション部パートナー企業とのオムニチャネル化に向けた実務担当。トリプルメディアの戦略策定・実行。全社宣伝費予実管理

ここ数年の「デジマの島袋」しか知らない方にこのキャリアの話をするとたいてい驚かれます。しかし、非デジタル畑に従事していたこの9年間で得た経験が、デジタルマーケティング業務において大きな助けになっているのです。

「スマホを持っていたから」デジタルマーケターに

Webとはまったく関係ない部署でキャリアを重ねてきた私ですが、なぜ、急にデジタル畑を歩むことになったのかというと、きっかけはなんと、「スマホを持っていたから」でした。

デジタルガジェットは昔から大好きで、2009年に発売されたiPhone3GSからスマートフォンを愛用していました(ちなみに、前年の2008年にiPhone3Gが日本初上陸を果たし、3GSはその後継機。当時はまだ、スマホの個人保有率は15%以下でした)。

当時、事業ポートフォリオはリアル中心、ビジネスのほとんどを不動産収益に依存していたパルコは、デジタル・オムニチャネルへの対応(=スマホ対応)を急務としていました。

その際、たまたま社内で早期からスマホを持っていた数名の若手社員が、2012年に社内横断組織のメンバーとしてプロジェクトに招集されました。その中に私もいたのです。

そもそも、「身近な人が喜ぶ商業施設を作りたい」という志望動機を体現すべく働いてきた私ですので、当然ながら、徹底的に現場(店舗)志向です。

「本部では働きたくない!」とずっと思っていたのに、思いもよらぬ理由で、デジタルマーケティングの道へ進むことになったのでした。

「自分の隣」にいる人が喜ぶものを作る

今、『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』(西口一希)という書籍が売れています。

一言でいうと、「n=1」(nはサンプル調査の数)という手法でマーケティングを成功させる、という本ですが、私自身、大いなる共感を持って読みました。

というのも、この手法が語る「つねに『自分の隣』にいる人が喜ぶプロダクトやサービスを作って、届けることさえできなくて、多くのお客様を喜ばせることができるか?」という問いかけは、まさしく、私がパルコで実践し続けてきたことそのものだからです。

私にとっての「隣の人」とは、妻であり子供たち。

家族と向き合い、家族が喜ぶことを徹底的に追求することがすなわち、不特定多数のお客様へ喜びを届けることに繋がると、これまでの経験から強く実感しています。

大学時代から4年間付き合っていた彼女とは、社会人2年目の2005年に結婚。披露宴は、当時の勤務先だった調布パルコ最上階内のホテルで行いました。

営業として赴任した大分パルコで初めて誘致したPOP-UPストアは、妻が喜ぶキャラクターグッズショップ「アランジアロンゾ」でした。静岡で誘致したショップは、幼稚園入学前の子供たちとお揃いのデザインが買えるTシャツショップです。

2011年に初めて配属された本部での仕事は、Excelと向き合うだけで、何もできなかった。

その閉塞感を打ち破ったのが、思いもよらぬ配属となったデジタルマーケティングの世界でした。デジタルの仕事では、私の強みを活かしつつ、妻や子どもの喜ぶコンテンツや体験・企画を作り上げることができました。

手法は変われど、これまでと同じ志のまま働いていいんだ……、デジタルに触れ始めの私でしたが、すぐにその仕事の面白さや楽しさを直観的に感じたのです。

しまこ、パルコをやめる決断をする! 詳細は……次回!!

そもそも安定志向の私は、転職する気などまったくありませんでした。

しかし、2016年初春。あることをきっかけに、パルコを辞める判断をしてしまいました(ちなみに、当時37歳)。

退職の判断をしてから転職先を探す、という(今考えると)綱渡りなジャッジ。

次回は、なぜそんな決断をしたのか? そして、何を考えて次のキャリアを選んだのか? など、アラフォーサラリーマンにとっての大いなる決断の経緯を、お話ししたいと思います。

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