[マーケターコラム] Half Empty? Half Full?

最終回は突然に そろそろ次世代へタスキをつなぎます

マーケターコラム、今回はヤプリの島袋孝一さん。これからのマーケターは社内評価と社外価値をどう考えればいいのか、について。
村石怜菜氏と島袋孝一氏

2019年7月から本連載へ寄稿している島袋です。連載開始からあっという間に2年がたちましたが、今回で僕のコラムは最終回になります(リレーコラム自体は続きます)。

※過去の記事はこちらから読むことができます。

2年前、「Web担当者Forum」という、僕がデジタル・Webを担当し始める前から存在していて、とてもなじみのあるメディアから連載のお話をいただいたことは、とてもうれしいできごとでした。同時に、本連載の他の執筆者は「若手のマーケティング実務担当者」という印象があったので、若手でもない僕でよいのだろうか、というとまどいもありました。

過去、僕がこれまでメディアやセミナーでお話しをさせていただく機会があった「所属する企業としての取り組み」は、「個人」ではなく「企業の看板やブランド」があるからこそ声がかかっていたというのを十二分に理解をしていました。

そんな中、2019年当時、小さなスタートアップに転職したばかりの(若手でもない)僕が、このメディアでお伝えできること・すべきことはなんだろうか、と考えました。

等身大のサラリーマンが伝えられること

僕は、ゼロイチで起業したスタートアップ経営者でもないし、受賞履歴のある新進気鋭のクリエイターでもないし、何かに特化したマーケティングスキル・ノウハウをもっているわけでもない、「何から何まできわめて平均的な昭和生まれのサラリーマン」です。ならば、そこは、背伸びをせずに、等身大のサラリーマンが考えていることをお伝えしていこうと思い、連載コラムの執筆をスタートしました。

結果、自身のスキルやキャリアの棚卸しになったり、数年の付き合いはありつつも、僕の過去のキャリアを知らなかった方々からも反響をいただいたり、コメントをいただくなど、貴重な経験をさせていただきました。

求めるべきは社内評価か、社外価値か

僕の会社員人生の大半は、商業ディベロッパーという特異性のある、狭い業界でしたので、キャリア形成・ロールモデルも、ほぼ社内の同僚・先輩しかいませんでした。ですから、2013年、異動によりデジタル・Web業界に関わり始めたときのワクワク感を今でも忘れられません。

この「ワクワク感」は、社外の方々との有機的な出会いにより、確固たるものとなっていきました。過去、この連載でも何度か書いてきましたが、僕自身のマインドは、Web担当者になってから「社外価値」を重要視する方向へ劇的に変化していきました。

「社内評価よりも社外価値」。この考え方には賛否あります。当然社内でパフォーマンスを発揮していないと、ただ外面だけがいい、ダメサラリーマンになってしまいます。

ですから、サラリーマンとして、マーケターとして、社外価値を高めたければ、ある程度の社内評価を獲得しつつ、社外での存在感(ただSNS上の友人・知人が多い、発言が多い、尖った発言をする、という意味ではありません)を高めていくことが求められる時代となっています。

転職や独立をするかはさておき、これからの時代、すべてのマーケターは社内評価だけでなく、社外価値をどのように高めていくかを考慮せざるを得ないと思うのです。

「個の時代」なんて表現されることもありますが、この数年間だけを見ても、「個」に求められることの難易度が格段に上がっていると感じています。社外で出会った人たち、とりわけ積極的に「個」の活動を進めている人たちには、そうした高いハードルに楽しみながらチャレンジしているような人が多い印象がありました。

そんな社外ネットワーク人脈の中で、僕がパルコで、デジタル業務に関わり始めたときに出会った一人が、村石怜菜さんです。

村石怜菜さんとの出会い

彼女は当時パルコ・シティ(現パルコデジタルマーケティング)というグループ会社に勤めていました。当時から社外での講演活動や執筆活動を通じ、業界での存在感を高めていました。現在は、とあるIT企業にお勤めで、JECCICA(ジャパンEコマースコンサルタント協会)にも所属し、客員講師や執筆を行うなど精力的に活動を行っています。

本連載への寄稿を終えるにあたり、編集部から「誰か次にバトンを渡したい人はいますか?」と聞かれ、社外ネットワーク人脈の中から、村石さんを推薦しました。

村石さんと僕は、お互いパルコ時代に仕事・同一のプロジェクトで絡むことはなかったのですが、結果、お互い当時の会社を離れてからも、勉強会やコミュニティミートアップで顔を合わせたり、お互いの仕事・事業のネタ・ヒントになるような情報交換をしたり、この数年は、弊社のウェビナーに出演していただいたりしました。

厳密に言うと、僕と村石さんの職務領域で重なる部分はそんなに多くないのですが、互いに詳しくないエリアを補完する、という意味で、彼女の視点や視野はとても参考になるものでした。きっと「Web担当者Forum」の読者の皆さんに対しても、仕事に役立つ、あるいはよりマーケティングの本質をつかめるような、示唆に富む有益なコラムをどんどん書いてくれるはずと期待しています。

タスキに込めた想い

本稿冒頭に書いたように「Half Empty? Half Full?」のコラムは、「次世代の有望な人材」の生の声を伝える内容のほうが、読者であるマーケターの皆さんにとってより有益な糧になるだろうな、と思い、彼女へ「タスキ」をつなぐことにしました。

なぜ「バトン」ではなく「タスキ」なのか?

次へつなぐという意味では、「バトンとタスキ、どっちも一緒じゃないか!」とコメントが聞こえてきそうですが、「バトンは短距離で、タスキは長距離」なんですって!

村石さんには、できるかぎり長く本コラムの執筆を続けていただきたい。そのような想いを込めて「タスキ」という表現を使いました。ただ、1人での長距離走はしんどいので、もし困ったときはいつでも声をかけてください(笑)。

最後に

もちろん、このように自身のSNSやブログではないメディアでコラムを書かせていただくことは、なかなか経験できるものではありません。執筆の機会をいただいた編集部チームの皆さま、そして、本連載コラムの読者の方、SNSやウェビナーなどオンラインでつながりのある方、すべての人に心から感謝します。最高の体験をありがとうございました。

で、Appleの発表会ならばここで「One more thing …」と言った後に、驚きの発表が用意されているところですが、僕自身が、このタイミングでなにか転身があるわけでもなく、単に寄稿が終了するだけです。期待した方には申し訳ありません。

今後の僕の発信に興味のある方は、Twitterをフォローいただければと思います。キャリアや、自身の職務・職域にない領域のディスカッションなど、何なりとお気軽にご連絡ください!

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