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ローカルSEOの検索順位の決定要因を徹底分析する。リンク、サイテーションは?【後編】

ローカル検索順位の決定要因に変化が――リンク、サイテーション、そしてローカル検索の今後について概観してみよう(後編)
筆者の見解はすべて筆者自身のものであり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。
 

ローカル検索順位でGoogle マイビジネスの重要性が飛躍的に高まっていると前編で解説した。後編の今回は、リンク、サイテーション、そしてローカル検索の今後について概観してみよう。この記事は、前後編の2回に分けてお届けしている。

しいて言えば、リンク

ジー・ツァカラキス氏いわく、「しいて言えば、リンク」だ。他のすべての条件が同じだとすれば、リンクは今後もローカル検索の重要な差別化要因であり続ける。

それももっともだ。Googleマイビジネスのリスティングを完全かつアクティブなものにして、サイテーションを準備し、レビューが絶え間なく寄せられるようにするとともに、ウェブサイトにしっかりしたコンテンツを用意したら、次のステップはリンクだ。問題は、リンクが一筋縄ではいかないことだが、だからこそリンクは競争上の価値ある差別化要因にもなるのだ。リンクは確かに難しいため、質の高いリンクが得られれば、違いをもたらす大きな助けになる。

ツァカラキス氏は、「現時点であなたにとって特に効果的な戦略や戦術は何ですか?」と聞かれて、次のように答えた。

しいて言えば、リンクだ。言い換えれば、トピック的にもローカル的にも関連性の高いリンクは、今後もとりわけ効果がある。そうしたリンクは、ローカルパックと従来の検索結果の両方で露出を高めてくれるだけでなく、トラフィックや見込み客、顧客のターゲティングを改善するのにもきわめて効果的だ。

自分が住んでいる地域のオーディエンスユーザーが利用しているサイト上でリンクを獲得する方法を見つけよう。そうしたサイトには一般に、ローカルニュースサイトやコミュニティサイト、ブログサイトなどがある

サイテーションは?

はっきりさせておこう。サイテーションは相変わらず非常に価値があり、きわめて重要だ

その点はさておき、過去数回の調査でサイテーションがどうなっているか見てみよう。

 

この低下は、次の2つに関係していると思う。

  1. ローカル検索の複雑化に伴い、アルゴリズムに新たなシグナルが組み入れられており、これによって、サイテーションが提供していた価値が希薄化している。最近のローカル検索では、最適化すべきことが他にもたくさんある。

  2. ローカル検索が広く普及するにしたがって、さらに多くのビジネスが一貫性のあるサイテーションを増やしているため、サイテーションは以前と比べて、競争力のある差別化要因としての側面が低下している。

確かにサイテーションは年を追うごとに重要性を減じているが、だからといって不要になったわけではない。むしろ、まったく逆だ。サイテーションが得られなければ苦しむことになる。

グーグルは、サイテーションに目を向けることで、そのビジネスがどれほど知られているかを理解しようとする。定評のあるビジネスや人気のビジネスは、各業界で最も重要なビジネスディレクトリに掲載されているはずだし、掲載されていない場合は、グーグルにとって、あまり注目されていないことを示すシグナルともなる。

幸い、サイテーションはローカル検索のToDoリストの中でも特に簡単にクリアできる項目だ。わずか数百ドルほど出せば、ビジネスをリスティングに掲載し、正確な情報を保つのに役立つサービスやツールは数十件ある。僕は次のようなやり方を推奨する。

  1. 各業界で最も重要な上位10~15サイト(主要なデータアグリゲータ、その業界や街の情報を専門に扱うサイトを含む)に自分のビジネスが掲載してもらう。もちろん、情報は正確で完全なものでなければならないし、重複があってはならない。

  2. その次の上位30~50サイトでサイテーションを構築する(ただし、重複や矛盾について心配する必要はない)。

グーグルはサイテーションの一貫性について以前よりはるかに賢くなっており、人々は必要以上に心配している。だが、あまり重要でないビジネスリスティングサイト上のリスティングが不正確だったり重複したりしていても、検索上位に表示されるかどうかにマイナスの影響が及ぶことはない。

上位50サイトに限らず、さらに多くのサイテーションを構築し続けることもできるし、そうしたからといって害にはならないが、そこには収穫逓減(ていげん)の法則が働く。利用できるサイテーションサイトのストックが増えれば増えるほど、それらのサイトの品質は低下し、それに伴ってローカル検索に及ぼす影響も低下する。

とはいえ、利用可能なあらゆるサイテーションの機会を「最大限活用」すれば、ローカル検索にプラスの影響があるようだと主張するエージェンシーも数十あったので、利用価値は人によって異なるかもしれない。

ローカル検索の今後

コメント欄で僕が特に気に入っている質問は、「グーグルの今後の方向性について意見は?」というものだ。ローカル検索の分野で特に優れた人々がコメント欄に寄せてくれる回答は明快だ。以下に、これらの回答に共通して見られるテーマを3つ抜き出してみる。

  1. グーグルは今後も、ほとんどのクエリに対する回答を検索結果で素早く提供するとともに、ウェブサイトへのリンクがクリックされる回数を減らせるように機能やコンテンツを提供していく。ローカル検索結果から各ウェブサイトへのトラフィックは減少することが予想されるが、心配は無用だ。いずれにせよ、君が求めているのはウェブサイトへのトラフィックよりも、そうした電話やメッセージ、道案内なのだから。

  2. グーグルは今後、検索順位に影響する行動シグナルにさらに重点を置く。ビジネスの実際の人気を評価するのに、現実世界の人々にシグナルを送ってもらって利用するより優れた方法があるだろうか。グーグルは現在、以下のシグナルの一部を利用しているとみられ、今後も行動による検索順位決定手法を重視して、これを進化させていくと考えられる。

    1. ブランド名の検索
    2. ビジネスに電話をかけるためのクリック
    3. 道案内のリクエスト
    4. リスティングとのエンゲージメント
    5. ウェブサイトとのエンゲージメント
    6. クレジットカード決済
    7. 実店舗への実際の来店客数

     

  3. グーグルは引き続き、新たな方法でローカルの収益化を進めていくだろう。ローカルサービス広告はますます多くの業界や都市に展開されておりローカルパネルには適切な広告が表示されているほか、ローカルパックから素早く予約することもできる。グーグルはそれほど多くのリソースを、親切心からローカルに投じているわけではない。ローカルのサービスや製品に関する情報をすぐに得られる、究極のリソースを構築したいのであり、独占的地位にある市場での立場を利用して、売上の分け前にあずかりたいと考えているのだ。

以上が調査結果の要約だ。時間を取って知識を共有してくれた素晴らしい寄稿者の一人ひとりに、心から感謝したい。ローカル検索は、この業界に対するみんなの素晴らしい取り組みと貢献あってこそのものだと僕たちは理解している。

実際のリソース、特に寄稿者からのコメントはどれも、はるかに多くのことを学べるので、さらに深く掘り下げてみてほしい。

調査結果の完全版はここをクリック!

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