Google検索のスニペット表示が160文字から250文字以上に増加――SEOにもたらす影響と対策は?
スニペットとmeta descriptionタグの制限文字数が変わった。何が新しくなったのか、何が変わったのか、そしてSEOにどのような影響があるのか。
今回のホワイトボード・フライデーでは、グーグルにとってはもちろん、SEOにとっても大きなこの変更について、ランドが説明する。
Mozファンのみんな、こんにちは。ホワイトボード・フライデーにようこそ。今回は、スニペットの長さに大きな変更が加えられた件について話をしよう。
変更されたのは、グーグルのSERP(検索結果ページ)で各検索結果項目に表示されるスニペット(説明文)の長さで、モバイルとデスクトップの両方が対象だ。
この変更は、表示されるスニペットの元になるmeta descriptionタグにある程度の影響を与えることになる。スニペットは、ウェブページのmeta descriptionタグから取得されることが多い。
グーグルは12月1日(米国時間)、次のように述べている。
標準的なオーガニック検索のテキストスニペットに表示される文章の適切な長さを公式に変更した。
ここで次の画像を見てほしい。これは2017年12月に多くのアメリカ人の関心を集めていた「net neutrality bill」(ネット中立性法案)の検索結果だ。
ご覧のように、表示されている記事のテキストスニペットは、今まで標準的に見られていたものよりはるかに長い。僕は文字数をカウントして、ここに書いておいた。
基本的に、2017年の12月半ばまでは、目にするほぼすべての検索結果で165文字という文字制限が守られており、きわめて限られた検索結果でそれを超える場合が見られる程度だった。
11月中旬までは90%以上の検索スニペットが165文字以下だった(SISTRIXのデータ、このレポートは素晴らしい出来なので、リンクを張っておくことにする)。
その後グーグルはスニペットの行数を増やした。今では、モバイルでもデスクトップでも、2~3行ではなく3~5行、場合によっては6行の文章をスニペットに表示している。図で示した1番目の検索結果では、表示されているスニペットは266文字だ。2番目の検索結果のスニペットは273文字だ。
おそらくグーグルは、「せっかくほぼすべての文章を表示できるのだから、省略記号で終わらせずに最後まで表示しよう」と判断したのだろう(165文字のままなら、中途半端な場所で文章が切れていた)。
スニペットの文字数が増えたことで変わった検索体験
グーグルの判断は、情報を表示するという点で適切なものだった。
グーグルで検索ユーザーが質問を入力して、基本的な答えを得ようとしているとしよう。この例の場合では「ネット中立性」という言葉を聞いたことがなく、どういう意味なのか知りたいという状況だ。
以前の検索結果に表示されていたのは、次のような文章だ。
ネットの中立性とは、AT&T、コムキャスト、ベライゾンなどのインターネットサービスプロバイダに対して適用する基本原則で、禁じている行為には、接続速度を上げ下げすること、コンテンツや...
と、ここで文章は終わっている。11月までは、スニペットがここでカットされていたのだ。
しかし、スニペットがこのようになっている場合は、サイトを訪問しなければならなくなる。クリックして先に進まなければ、さらに詳しく知ることができない。このままでは、読んだだけでわかるほどの情報は得られないのだ。
グーグルは、このような問題に以前から対処している。たとえば強調スニペットなどを検索結果の先頭に表示して、より詳しい回答を提供している。
だが、スニペットが長くなったことで(少なくとも今回の例では)カットされていた文章の残りも表示されるようになった。おかげで、次のような部分まで読めるようになった。
...アプリケーション、ウェブサイトを遮断したりすることなどがある。ネット中立性は、インターネットが常にうまく機能する状態にするための手段である。
これでもネット中立性のことを完全には理解できないという人もいるだろう。おっしゃる通りだが、多くの検索ユーザーにとってはこれで十分だ。さらにクリックする必要はない。
スニペットが165文字から275文字あるいは273文字に増えたことで、彼らの目的は達成されたのだ。
何が変わった?
今回の変更は、SEOにもさまざまな変化をもたらす可能性がある。グーグルが変更したものは主に次の2つだ。
- 1つ目はスニペットの長さ
- 2つ目はスニペットとmeta descriptionに関するガイドライン
グーグルは以前からガイドラインを設け、meta descriptionタグを160~180文字程度にすることを勧めていた。文字数を決めていたのだ。
彼らはこれを変更し、meta descriptionタグでは特に公式に推奨している文字数を定めないとするようになった。
ただし、ダニー・サリバン氏は「320文字を超えることはなさそうだ」とTwitterで述べている。実際、僕たちや他のデータプロバイダが数多くの検索結果を調べたところ、300文字を超えたものはそれほど見つからなかった。したがって、これくらいが妥当な長さだと僕は思う。
いつから?
この変更は、2017年11月中旬に始まったようだ。11月22日には、SISTRIXのデータセットで文字数の増加が見られ始め、その割合が50%を超えた。2017年12月2日の時点では、SERPのおよそ51%で、上位10位のサイトの少なくとも1つのスニペットが長くなっている。
ただし、ここで注目すべきことがある。
それは、SERPの51%では、長いスニペットが表示されているサイトが1つくらいしかないという事実だ。つまり、多くの検索結果は、今でもスニペットが非常に短い。古いmeta descriptionタグや、165文字の時代に最適化されたmeta descriptionタグからスニペットが生成されているからだ。
したがって、スニペットがSERPに表示されている企業(多くの買い物客が訪れるホリデーシーズンであればなお良い)で、重要なページのスニペットを今すぐ更新できる立場にあるのなら、SERPで競合他社より高い位置を占められる可能性がある。競合他社がスニペットを更新していないからだ。
SEOに及ぼす影響は?
では、今回の措置がSEOにどのような変化をもたらすかと言えば、次の3つが考えられる。
A. マーケターによるmeta descriptionタグの記述および最適化の変化
スニペットに表示できる文字数が増えるため、書き方が少し変えることになるだろう。ユーザーにクリックを促すのが僕たちの仕事だが、多くの質問に検索結果そのもので答えを提供しようという非常に誠実な姿勢が求められるようになる。なぜなら、それができれば、グーグルに検索順位を上げてもらえる絶好のチャンスが生まれるからだ。
たとえ、検索ユーザーが自分の求める答えを検索結果で得られるようなったために、クリックしてもらえなくなったとしてもだ。
B. クリックスルー率への影響
Mozでは、Jumpshotのデータをこれから数か月間および1年間にわたって見ていくつもりだが、2つの影響が現れる可能性が高いと僕たちは考えている。
おそらく、複雑ではないクエリほどクリック数が少なくなるという悪影響が出るだろう。
だがその反対に、一部の複雑なクエリでクリック数が増える可能性がある。検索ユーザーが長い説明を好むようになるからだ。
マーケターなら、後者のような状況をぜひとも実現したいものだ。
C. 検索下位のサイトのクリックスルー率低下
1か月前まで3つの検索結果が表示されていたスペースに、2つの検索結果しか表示されなくなっても、検索ユーザーがさらにページをスクロールすることはおそらくない。
上位2つの検索結果がより多くのクリックを獲得するようになるため、それより下に表示されている検索結果は以前より価値が低くなるだろう。
SEO担当者がすべきことは?
今すぐすべきことは何だろうか。まずページ確認・改修の優先順位リストを作ることだ。具体的には、検索トラフィックを基に最も重要なランディングページ、すなわちオーガニック検索から最も多くの検索トラフィックを獲得するページのリストを作るのだ。
そして、それらの優先ページを対象に、増えた制限文字数に合わせてmeta descriptionタグを最適化しなおそう。
文字数は自分で判断できる。僕のアドバイスは、最も多くのトラフィックを獲得し、最も高い順位を得ているSERPを見てみることだ。そのページで文字数をチェックしよう。おそらく250~300文字だろうが、その文字数に合わせて最適化できる。
次に、作成できるmeta descriptionタグの長さに関するルールが、社内のプロセスやCMSで決められている場合は、160~180文字という古い基準ではなく、230~320文字という新しい基準に合わせてルールを変更する必要がある。
制限文字数について言えば、230文字より少ない可能性はほとんどないようだ。また、320文字より長い可能性もなさそうだ。したがって、この2つの数字の範囲に収めることになるだろう。
新しいmeta descriptionタグとスニペットの最適化がうまくいくことを祈っている。ではまた次回まで。ごきげんよう。
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